見出し画像

[要旨]

オーナー会社の社長は、ワンマンであり、そのことが高い業績を得ている要因になっていることもあります。そのような会社では、上意下達となってい、従業員のモラールが下がることもあるので、従業員の意見をくみ上げるような工夫をすることで、組織がより活性化するでしょう。


[本文]

ファミリーマートの元社長の上田準二さんが、日経ビジネスで、読者の方からの相談に回答しておられました。ご相談は、「数百人の社員がいるオーナー企業に転職したが、ワンマン社長の顔色をうかがうのに疲れた。部長や課長は、『社長がこうおっしゃっている』という指示の出し方しかしないので、モチベーションが下がっている」というものです。

これに対して、上田さんは、「こうしたオーナー社長は、『かまどの灰まで俺のモノ』だと考えている。会社の株はもちろん、設備や備品も自分の所有物で、そこには相談者さんなど社員も含まれているケースすらある。従って経営戦略や営業方針を決めるとき、オーナー社長は役員や部課長の意見は聞くだろうけど、最終的には一存で決める。

だって、あらゆる責任は社長に降りかかってくるわけだから。だから、相談者さんの会社の上司が『社長がこうおっしゃるから』、『社長が決めたことだから』と部下に伝えるのは当たり前のこと。この会社で能力を発揮してステップアップしたいなら、オーナーが喜ぶ可能性が高い提案に絞っていかないと、相談者さんのモチベーションは保てないだろう」と回答しておられます。

私も、上田さんと同様に考えています。ただ、ご相談者のような方のせっかくのやる気を活かさないことは、会社にとってももったいないとも思います。ご相談者の方が務めているような、いわゆるワンマン社長のいる会社は、必ずしも問題とは限りませんが、従業員のモチベーションが高い方が、事業活動が効率的になることは、間違いないでしょう。

ワンマン社長は、ワンマン社長であるからこそ、その能力を発揮できる面もあることもあると思います。一方、事業活動は組織的な活動なので、「社長ひとりとその他大勢」の状態より、部下の意見を吸い上げる場や、経営者の考え方を伝える場などを設け、従業員の方が事業方針をより納得して能動的に活動ができる方が、業績が向上すると私は考えています。

2021/12/15 No.1827

いいなと思ったら応援しよう!