【音楽レビュー】Foo Fighters/Echos,silence,patience and glace
19歳、肺気胸で入院中の僕は今後についてどうしようかとても悩んでいた。というよりはおそらくもう決めていたのだろう。もう一度受験するということを。
そんな時にやりとりをしていたのが浪人していたOasisが好きな友人だった。彼は難関大学のマスコミ系の学科を目指していた。マスコミに行きたかったからだ。もっと言うとロッキングオンに入りたかったらしい。僕も出版社には憧れていたが、すでに斜陽産業になっていたし、兄も出版業界だったこともあり行く気にはならなかった。
僕は今卒業した大学に行くことを決めていた。尊敬する高校の先生がその大学・学部の卒業生だったからだ。
少し話は逸れたが、入院中にその友人が買ってきてくれたのがこのアルバムだ。それまで「In Your Honor」をよく聴いており、随分と励まされた。それに加えて本アルバム1曲目の「The Pretender」だ。
サビの轟音に魂を揺さぶられる。「One By One」収録の「All My Life」も良いが、サビでの突破力がない。そこに突破力、振り切ったパワーを感じることができるのがこの曲だ。
この曲に励まされながら、大学中退・浪人を決め込む。友人とはお互いにブログを開設して見せ合う仲だった。側から見れば気持ち悪かったかもしれないが、僕の中では大事な時間だった気がする。