どんどん楽になっていく
周りの女性たちからよく聞かされた言葉がある。
「50歳を過ぎたら、本当に生きるのが楽になるから」
ふむ。そうなのか。
と思いながら、気がつけば47歳になっていたわけだけど、
確かに楽になっている。
いや、そもそもがむしゃらに働くこともせず
(側から見たらやっていたかもしれんが)
家庭もない身だから、
家庭も仕事も乗りこなさねば!
の妙齢の女性たちよりも
肩の力は抜けていた。
比べる対象が周りにおらず、見栄の張り合いなどという
ただただ消耗するだけの関係も持ち合わせない私にしたら、
劇的な変化は見られない。
でも。
それでもである。
やっぱり呼吸するのが楽になったきがするのだ。
何が違うのだろうかと考えてみると、
身の回りの小さなことに、幸せを感じられるようになったからではないか、と。
それって実は大きなことだ。
「小さなことからコツコツと」
ではないけれど、一足飛びに自分が思い描く世界なんて、
手に入るはずもなく。
そこに向かって歩くうちに、
何気ない暮らしがとても大切で
愛おしく思えるようになった。
きっとあと3年も経てば、女性としての体も変わり、
だんだんと性別を超えた「人間」になっていく。
そうなるとますます楽になるのではないか。
そんなことを思いながら、猫の寝息を聞いている。