私が絵を描くのをやめた理由

絵が描けなくなった。
厳密に言えば描きたい絵がない。
今日見切りをつけることにした。

5年前、美術部を引退してそこからめっきり描かなくなった。
コンクールで最優秀賞を受賞したり、先生や他に人から沢山褒められてたから当時はそれなりに上手だったのだと思う。

今思えば、模写ばかりしてきてオリジナルの絵を描くことがなかった。
コンクールの絵は題材があったから描けていた。

高校生になってからはそれどころじゃなくなり、今余裕ができて描こうと思っても描きたいものが浮かばない。
偶に依頼される絵なら楽しく描けるけれど、自分で自由に描けとなると筆が動かない。
またあの頃みたいに楽しく描きたいだけなのに、自己表現したかったのに、もっと嫌いになってゆく。
もういいか。

すっと心が、体が軽くなった。
私は絵そのものよりも何かを飾ることの方が好きみたい。
バレッドジャーナルのデザインやラテアートや家具のデザインの方が楽しいって気付いた。
それと、誰かを喜ばせる絵やデザインを作ることが好きってことも。

大人になって趣味趣向が変わるのが悲しいからずっと認められなかった。
でも、違う方向で生きているのならそれもそれでいいと思えた。
それに、今こうやって文章で自己表現できてるのも新たに加わっている。
だからこれでいいのだ。

5年前の私をやっと脱皮できた。