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好奇心を持って過ごしてみる♪はじめて東京ドームで野球観戦した日の話。

カーンとバットにボールが当たる心地よい音がドーム内に響く。

聞こえる拍手と歓声。走る選手の姿が目に映る。

東京ドームで行われていた「高校野球女子選抜VSいKOBE CHIBEN」の試合。

2024年9月23日  


数日前のこと。
「野球、興味ある?」地元の先輩に誘われた。.
私の心の答えは

(興味は、そんなにない・・だって野球と言ったら、試合時間が3~4時間と長いし暑そうだし)

でも、もしかしたら行ってみたら面白いかも?
最近、好奇心を持ってみることを大事にしている私。

「興味なくはないですよ」言ってみた後に、なんて中途半端な答え方なんだろうと後悔する。

「よかった!実はイチロー率いるアマチュア野球チームが高校女子野球チームと戦う試合なんだ。
東京ドームで行われるんだけど、イチローのチームには松坂と、今回特別ゲストで松井秀喜が来るんだって」
一息に語る先輩の様子に、私もつられて気持ちが少し高ぶる。

そして心の中で思う。

一見、興味がなさそうに思えることも好奇心をもってやってみること。

思わぬ発見につながることがあるから。今回もほら、きっと面白そうな予感がする)

そして訪れた東京ドーム。
一歩中へ入ると空調が効いて心地よい。

試合開始2時間前にも関わらず、ベンチはたくさんの人で埋まっていた。

目の前のお姉さんが左で二つのプラカップを持ち、右手のホースをカップに入れる。プシューという音がして、麦わら色の液体が泡を作って並々と注がれた。
「はい、どうぞ!」
赤いキャップに白いスカートの売り子のお姉さんが、笑顔で先輩にビールを差し出す。
先輩は片手でビールを受けとると、目を細めて、ぐびっと飲みだした。

球場で飲むビールってきっと美味しいのだろうなと思う。
赤いユニフォームを着た吹奏楽の高校生たちがさっきから軽快な音楽を奏でている。
チアダンスの女の子が曲に合わせて、両手を振っている。

後ろの親子づれがクレープを食べいていて、時おり観客の拍手が聞こえてくる。女子チームを応援しにきた高校生の仲間の歓声も聞こえる。

ビールと甘いクレープの香りと、熱気と、歓声が漂うドームの中で、遠く選手たちを眺めていた。

「松井がさ、東京ドームで試合するのはジャイアンツにいた時以来だから20年ぶりなんだよ」

ビールを片手にポテトをつまみながら隣で先輩が言った。
さっきまで松井さんの背番号だった55番のユニフォームのグッズが売り切れていたことを悔しがっていた姿を思い出す。

「20年ぶりのドームでホームラン出るといいね」
ポテトのケチャップで少し汚れた指をぬぐいながら私は答えた。

女子高生の野球の選手が、グラウンドを軽やかに走る。
爽やかな笑顔と溢れるエネルギーがほとばしる。
キラキラ光る姿を観ていて思わず笑みがこぼれる。


会場がわっと盛り上がり、ピッチャーマウンドに立つイチロー。
振りかぶって、流れるような投球。
サードに松井の姿。

イチローさんと松井さん

女子野球チームがヒットを打って、KOBE CHIBENは3失点。

高校生チームが上手に守備をすると、仲間の黄色い声援と「うまい」とうなるような低い声がどこからか上がる。

巻き返すようにKOBE CHIBEN がヒットを打つと「お〜!!」と盛り上がる観客の声。

(みんな野球好きなんだろうな〜。)

ふと私の座席の前のシートに並ぶ4人組の男性の姿が目に止まる。そろってみんなメガネをかけて、中肉の体格といい後ろ姿がそっくりだ。
年齢は、イチロー&松井世代の50前後だろうか?

彼らはさっきから松井さんが登場するたびにカメラのレンズを向けている。

2回表、松井さんが脚を痛めたようで、「休んでいます」のアナウンスに観客からふっと笑いがもれる。

それはきっと心からの野球ファンの笑いなのだと思う。

KOBE CHIBENがリードしたまま試合が続く。
試合中、ずっと爽やかな笑顔の女子チーム。

「イチローは試合中、一人で全部、投げますかね?それとも松坂も投げる?」
「どうだろうね?松坂も投げるとこ見たいけどね。もう松井は出ないかな!
あー女子高生チームの守備うまいな」
「観てると、高校生たちのこと応援したくなりますね」

私はいつの間にか試合に夢中になっていた。
試合開始から3時間があっという間に過ぎる。

いろんな観客の期待を背負って、選手らがマウンドに立っている。
女子チームの活躍に期待する私。

先輩の期待と、目の前の4人の男性の期待はきっと松井さん。

けれども、足も痛めてるみたいだし、きっと厳しい状況だろう。
そんな想いでいた8回裏。試合終了まであと少し。

バッターボックスには松井さん。
大きな体で立ち、バッドをふる。

気持ちいの良い音が響いて、打球は大きく大きく弧を描く。

「わ〜〜〜〜!!!」スタジアム中に一気に歓声が沸いた。

「松井、ホームラン打った〜」

目の前の男性たちが満面の笑みで手を叩いている。
ドーム内の歓声が鳴り止まない。

代走を求めた松井にイチローが「走れ」と合図を出し、松井が足を引きずったままゆっくりと走る。

遠くから、二人が肩を抱き合っているのが見えた。

結果は3対17でKOBE CHIBEN の勝利。
満面の笑みでスタジアムを去っていく両チームの選手たち。


「いやあ興奮したね!」先輩が気持ちよさそうに言った。
笑顔で走る女子選手の映像が浮かぶ。
何よりも、選手たちが楽しそうだった。


今のところ、女子野球チームとKOBE CHIENが戦う試合は年1回あるそえうだ。

「来年も観に行きましょう!」私は未来に想いをはせる。

興味がなそうに思えることにも好奇心を持ってみると思わぬところに連れていってくれることがある。

ドームを出たあとは少し冷たい風が吹いて秋を感じた。


追伸:東京ドームで消費したエネルギー約0kcl
   食べたもの→ハンバーガー・Lサイズのポテト・アイスモナカ

スポーツ観戦って名前だけアクティブで消費しそうなイメージがあるけれど、しっかり食べてむしろ太って帰宅。
東京ドーム内は、美味しそうなお店がたくさん並んでいてそれもまた魅力でした。








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