東北みやぎ復興マラソン2023
11/5に開催された東北みやぎ復興マラソンに参加してきて、無事完走できました!
2019年の大型台風やその後のコロナ禍の影響により、リアル大会開催はなんと5年ぶり。
その影響もあって今回の開催を待ち侘びていた人達が大勢いたせいか大会の雰囲気もめっちゃ良かったです。47都道府県から1万1000人を超えるランナーが集まっていたらしくスタートエリアは前も後ろも人、人、人…スタートしてからスムーズに走れるようになるまで5km程度かかった気がしました。
コースエリアの約4分の3が東日本大震災による津波の浸水エリアとの事でしたが、あれから10余年、生々しい爪痕の痕跡といったものはそれほど感じられなかったものの、およそ25km地点の辺りにある名取川にかかる閖上(ゆりあげ)大橋を渡ったところで景観から感じる印象が明らかに変わった感がありました。
この閖上大橋の下すれすれを津波が通過していったらしく、この橋の袂に広がる閖上地区というエリアを走りながら、埋立地に新しく計画されたベッドタウンのような街並みを眺めていると、本来ならば海沿いの港町から自然と感じ取れる風情や生活の匂いのようなものが皆無で、その奇妙ともとれるとってつけた様な真新しいアパートや公園は、人間の身体に例えるとどこか大怪我をしたところにあてがわれたギブスのように感じられました。
津波が逆流してきた川沿いにはかわまちてらす閖上というカフェっぽいお店が並ぶスポットができていて、応援してくれる沿道の人達も沢山いる中で、週末の賑わいのような雰囲気も感じられ、津波で一掃された港町の今の空気感みたいなものがなんとなく伝わってきました。
この辺からはもうレース後半戦で疲労もピークに差し掛かる頃ですが、30km地点辺りの、津波で更地になったところの再開発が進むどこか殺風景なエリアのフェンスには、TOHOKU-MIYAGI REVIVE MARATHON と描かれたカラフルなウォールペインティングが現れ、立ち止まってゆっくり見たい気持ちもありましたが足早に走り抜けました。
仙台空港に降り立つジェット機の巨体を目前に眺めながら、仙台空港アクセス線の高架下に抜けて行く頃にはもうゴールはすぐそこ。40km地点付近を走っていた頃、前を走っていたのが視覚障害のあるランナーで、ガイドのランナーが寄り添って走っていましたが、暗闇の中伴走者と一緒にここまでって思うと胸に刺さるものがあって、足ももう思うようには動けなかったけどゴールまで気持ちでスパートできました。
ところでこの復興マラソンはエイドコーナーが充実していて、ゆべしや羊羹、甘酒にガスパチョ、帆立、おにぎりなどなど…タイミングよく全てゲットする事はできませんでしたが、仙台名物の笹かまや牛タンもあったらしく、単にエネルギーや水分を補給するためのエイドステーションの役割にとどまらず、地域の魅力を発信してまたこの地を訪れてほしいっていう気持ちが伝わってきました。
完走した後にボランティアスタッフの小学生くらいの子からフィニッシャーズメダルを首からかけてもらいましたが、そのメダルの入った袋にも、来年もまた変わりゆく被災地の「今」を感じに来てくださいって書いてあって、今度来る時はマラソンを走っていて気になったエリアをゆっくり観てまわりたいなって気持ちになりました。
そういえばスタート前のアナウンスで、2000人近いボランティアスタッフの皆さんが…みたいな事を言っていたのをなんとなく思い出して、スタートからゴールまで、ガチで走ったらめっちゃ速そうな医療ランナーとか、すぐそばにこの大会を支えてくれる人がいつもいて、大怪我した地域ですが、ギブスが取れて本来の港町の雰囲気を取り戻すまで、リアルに追いかけて行きたい大会でした。