小説「メジャー・インフラトン」の描き始め(第1部作です。)その10
こんにちは、あおっちです。
ようやく9月らしい気温になってきた関西。(函館の実家、朝はストーブ焚いてるみたいですが🙂)
皆様いかがお過ごしですか。
忘れアップの龍の横顔写真にコメント頂いて、
本当にありがとうございました。
こんな短期間でフォローが100件超えて、感謝しかございません🙂↕️
「メジャー・インフラトン」のスピンオフシリーズ構成の詳細。
(その⑧)
⑧「雪舟の、遠吠えの随に(まにまに)」
「雪舟の、遠吠えの随に。」は、「メジャー・インフラトン」の主人公
椎葉きよしの祖父と祖母の愛の物語なのです。
祖父の椎葉清春は、自衛隊特殊作戦群(特殊部隊)のエリート隊員。
ある要人の救出で、日本のEEZの領海に建てられた中国の天然ガス採掘プラント場に向かうのです。
ある要人とは、世界的なプラズマ物理学の権威、和歌山大学の且来京介物理学教授と、妻で助教授の且来美麗だった。
2人はコンパクト・サイズの商業用核融合炉パッケージ・アッセンブリーの開発に成功した人物だったのです。
その2人を中国が誘拐したのです。
その救出劇の最中、ガス・プラントの外に出るとき且来美麗助教授が凶弾に倒れたのです。
浮上して来た潜水艦に回収される前に、冷たい小雪が降り始めた暗い海上で命を落とすのです。
夫の京介の必死の叫びもむなしく、帰らぬ人となる且来美麗助教授だった。
しかし救出時、椎葉清春も銃弾を数発受けて大ケガをしていたのだ。
が、オープニングです。
晩年の清春お父さんに合いたい方は、第2部作「メジャー・インフラトン」序章2/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 FIRE!FIRE!FIRE!撃て!撃て!撃て! No1. ) の「第2章 この親にして、このシゲル(椎葉繁)。」で会えますよ😊
基本的には、「雪舟の、遠吠えの随に。」は、きおしのお婆ちゃんの椎葉奈美を主人公で、あおっちは進めようと思っているのです。
最初はミリタリータッチで始まり、次は農村の生活と、その平穏な生活を破る事件と、最後の清春の戦いを描こうと思います。そこでいい味を出す奈美を描こうと。さぁ、これもどんな物語になるものやら😒
第1部作構想 椎葉農場開闢】
菊池奈美(のちの清春の妻)は父親の菊池五郎の入院する栗山町の赤十字病院にやって来た。
父の洗い物やちょっとしたおかずの差し入れに、という事をついでに、酪農と畑作・稲作の兼業が、母と2人では限界がきたので、父に相談に来たのだ。最低牛の処分だけでもと思い、父に相談に来たのだった。
父の大好きな牛ちゃんたち。
20頭しかいないが、いつも1頭1頭の様子を聞かれるのが一番奈美には嫌だった。
逆に父の五郎の入院中の一番の楽しみは、奈美から牛の様子を聞く事だった。
脊椎のガンで余命2年と宣告された父。
父からささやかな楽しみでも、取りたくなかった。
だから、そんな父を見るといつもいつも先延ばしになっていたのだ。
しかし、ゆるくない現実。(厳しい現実)
高止まりする飼料代や暖房の燃料代。
下げ続ける乳価と牛の価格。
畑作は畑作で、肥料代もジワジワと円安の影響で上がり始めた。
稲作だけは夕張農協の援助や地域補助もあり、日本米ブームもあってか、安定はしていた。
しかし、毎晩、営農帳簿を母と見ると、母と2人で涙が出てくるのだ。
このままいけば、開場以来20年手を出していない「組合管理」組になってしまう予想だった。
収穫期に経費の支払いが出来るのか。
不安で良く寝れない日もあった。
奈美は、父親の病室に入ると寝ている五郎を起こさないように静かに洗った下着や、持ち帰る洗い物を袋に入れ始めた。
そんな気配に気が付く父の五郎。
「……きたのか。」
「うん。」
そんな一人娘のテキパキ動く手をとる五郎。
まだ高校卒業したばかりの女の子だと言うのに、ゴツいグローブのように腫れ上がっている奈美の手。
優しく両手をとって黙って目をつむる父の五郎だった。
◇ ◇
( もう、獣医さん来てるかも。おかぁさん忘れてないよね。)
そんな事を思いながら、病院から急ぎ自宅へ、電動スクーターを飛ばす奈美だった。
そんな奈美。
冷たい風のせいなのか。
涙が止まらない。
泣きながらバイクを走らせた。
父の言葉が、その残念な仕草が、脳裏から離れなかった。
「そうか……。俺が後で農協の倉本次長に連絡するから。お前、もっと早く言ってくれて良かったのに。はははっ。」
なぜか悔しくて、悲しくて。
袖で涙をぬぐいながら自宅に向かった。
自宅にスクーターを止めて牛舎に向かう奈美。
牛舎が異様に騒がしい感じがした。
獣医さんが来ても騒ぐ事なんてないのに。
あっ、キツネか?
いそいで家の前から牛舎に走る奈美。
牛舎の横で、子っこ牛の小屋の前、母親と獣医さんが話をしていた。
奈美に気が付く母親。
「あ、奈美。走ってどした?子っこの検温手伝ってさ。」
母親と獣医さんに手を振ってそのまま走る奈美。
「かぁさん、ごめん。ちょっとギッシャ(牛舎)気になる。」
「早くしなさいよ。」
「わかってるって。」
呆れ気味に獣医さんから渡されたバインダーの書類にサインを始める母親だった。
(( バンッ!バンッ!バンッ! ))
牛舎の入れ口のトタンの壁を叩く奈美だった。
キツネならこれで逃げる。
ところが、何も飛び出していかない。
それより牛たちの鳴き声に交じって、人の唸る声が聞こえて来るのだ。
「う~う~ってなによ。」
少し怖くなり、手元の工具箱を武器替わりに持って牛舎に入って行った。
エサ運びの通路の角から見た事のない、黒い筒のような物が床に落ちた。
( ガチャガチャ。う~……。 )
「え?何何何っ!」
工具箱を盾代わりに前に出して、ゆっくり進むと床に血の跡がある。
立ち止まる奈美。
ゆっくりその先を見ると、ダークグリーンの厳つい軍隊ブーツが見えて来たのだ。
人が倒れているようだった。
「ぇえ~っ。怖い~!」
と、言いながらもそこは強い奈美。目をつむって思い切ってそのブーツの前に立ったのだ!
何と、そこには血だらけの自衛隊員だった。
アサルトライフルを持って2人の青年が倒れていたのだ。
はい!
こんな感じですよ😁
清春と奈美の初対面のシーンでした。
頑張って執筆しますね😵💫
「メジャー・インフラトン」の第2部作で清春お父さんが息子の繁と掛け合いのシーンがあって、それなら物語にしょ。っと思って描き始めました。
あっと驚くエピローグもご用意。
発表をお楽しみにぃ~🙂
第1部作テキスト、「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)
ーー 「 「第5章 歴史の渦。」までのあらすじ ーー
やっと、日本への帰路に就いた御舩ヒロシだった。
御舩は天の川銀河の高高度文明をもつ異性人たちが血眼になって探してるジャンプ血清の「ゼロ・スターター」。
異空間をジャンプする際、人体を守るジャンプ血清の持ち主なのだ。
その御舩を衛星軌道上から見守るシーラス皇国の攻撃型追跡衛星の「ARTS」。
そんな事も知らない御舩はノンビリたばこを吹かして甲板でくつろいでいた。
御舩ヒロシたちが戦ったパラオ・アンガウル島は米軍にとって、グアム・サイパン島に次ぐ、日本本土攻撃のための重要拠点だったのだ。
日本の最後の砦を守る大日本帝国陸軍のアンガウル守備隊。
その守備隊へついに第1次の総攻撃が始まったのだ。
一斉に逃げる日本兵。
身体を張って、囮になる若き士官。
空から攻撃を仕掛けるアメリカ海軍の戦闘機と爆撃機の編隊。
アメリカが誇る空母機動部隊が一斉に襲い掛かったのだ。
「第6章 椎葉きよし課長 42歳。」
西暦2062年(令和44年) 6月21日(水)の朝、現在の地球。
今年に入り、宇宙飛行士の謎の失踪が相次いでいた。日本でも3名の宇宙飛行士が消息を絶っていた……。
姫路市、水曜日の早朝。
青空の中、世界遺産の白鳳、姫路城がそびえていた。その白壁は清々しい6月の渡る青空にどこまでも映えていた。
JAPAホテルの一室ではシャワーの音が聞こえる。
誰も見ていない暗い部屋では3D空間モニターの地上波ニュースが流れている。
( シラス加盟国軍とJAXAおよび日本国軍、自衛隊の正式共同発表が昨夜、日本時間の午後10時にありました。先ほどの映像はその時の記者会見の模様です。現地記者です。田中さんっ? )
( ハ〜イ!田中です。私、今、札幌にある丘珠札幌宙空ステーションのプレスルームよりお伝えしてます。PKSF国連平和維持宇宙軍の発表も只今ありました。JAXA研究員の鳳渚博士、岩国航空宙空自衛隊の吉田沙保里三等宙佐、日本国宙軍・三沢宙空防衛部隊パイロットのキャシー・柘植大尉の定時連絡が途絶えてから2週間たったとの事です。1週間前に月の監視衛星へ最後の定時連絡してから現在まで音信不通との事です。なぜ1週間も経って…… )
シャワー室から身体を拭きながら大柄な男が出てきた。タオルで頭を拭きながらベットの上に大きな旅行カバンを放り上げた。
( 田中さん?最近各国のスペースパイロットの行方不明というか消息不明が多くなって来ましたね。そして彗星の突然の出現と関係があるんでしょうか。 )
( 第1組、第2組、そして第3組は彗星出現以前の行方不明ですので、彗星出現との関係は解りません。ただ色んな諸説があるのですが、どれも全く裏付けがありません。でも、どの機関からも原因究明の調査結果の発表が全くないんですね。もし今回も長期に渡り行方不明となればPKFS国連平和維持宇宙軍の新月面基地発足2年目、今年に入り、2月から続けて4組目の行方不明、消息不明になります。 )
( なぜ具体的に調査と報告が行われないんですか? )
( これはあくまでも推測です。NASAおよびJAXAの発表と、ネットで発表されたAXIS側の発表で推測するしかありませんが、今回も特にAXISとの交戦がなかったとの事です。その事から考えますと…… )
一見痩せ型だが190センチ超えの身長に、細マッチョな体型。体の左半分が石膏の彫刻のように真っ白な体。太もも、特に背中、首から左脇にかけて大きく怪我をした跡が残る。男の名前は椎葉きよし(本名:椎葉清)。若い頃の彼は機動モービルHARMORのトップパイロットだった。
現在は主に日本とヨーロッパを市場にする医薬品会社の営業マン。
中華帝国連邦、通称チャイニーズアクシス(AXIS)との戦闘で左半身を大怪我をして軍を引退した。
大怪我の左半身、それも左側の手足、背中からお尻までの左半身全体が異常に白い。
シャワーから上がり、タオルを首に掛けベットへ座った。
白い左手、左腕に色付きクリームを肘から指先に塗り、手の写真を写した薄いフィルム状の長い手袋を丁寧に腕を潜らせてからスマートハンドパット(通称:スマハンド)を装着。
( ピッシュッ! )
装着と同時に腕フィルムが指先から手首のシワを再現するようにピッタリ吸引、装着された。
いつもの事なのであろう、男は左右の手の色をチラッと見比べて何事も無いように洗面台に行った。
ため息をついてから、テレビ画面を観てボヤいた。
「今度はキャシーが……。ふ~ん。」
再びボヤキながら身仕度するビジネスマン。
洗面台で鏡を見ながらワイシャツを着て、ネクタイをキュッと締める。
「柘植ちゃんと2人共って。夫婦で行方不明って。また何かあるな。」
ホテルのドアを閉め、手引きの旅行カバンを引いて部屋を出た。
透き通る青空の中を椎葉を乗せたタクシーが姫路・新リニア新幹線駅へと走った。
リニア新幹線はこの姫路駅から広島駅の区間だけは地下を走らず地上のチューブを走る。
札幌から大阪のリニア新幹線駅は地下400メートルにあるのが普通だが、一時的に地上路線に切り替わるこの姫路駅は、構内を第2世代リニアが750キロで通過する唯一の駅だった。
旧リニア新幹線駅から第2世代リニア新幹線駅への転換大工事が終わったばかりの姫路・新リニア新幹線駅。
広々とした構内を見ながら歩く。
「あらまぁ、姫路駅もずいぶん変わったなぁ。へー……。あっ!んだ、エイモス?今、何時だべ。」
手首に向かって話す椎葉きよし。
( はい、7時57分ですわ。きよちゃん?リニア出発前に奥様へご連絡するお約束ですよ。 )
と、女性声の「AI」(人工知能)が答える。
「あ~!んだんだ。」
( 札幌に繋ぐわね。……ハイ、どうぞ。シルビアよ。 )
椎葉きよしは姫路新リニア新幹線駅の上り2番線構内で、スマハンドの手首リングをサッと指先でなぞった。
「 あ〜シルシル?俺だ俺~っ。 」
北海道、札幌の中央区。
藻岩山が背後に映えるマンション。
台所で朝の水仕事の音。
優しい鼻歌が台所から聞こえる。北国の優しい朝の日差しが差し込むリビングルーム。
リビングには朝食を食べ終えて、食器の後片付けを手伝う金髪の少年がテキパキと動いている。
もう、今では珍しい「爪襟学ラン」の可愛らしい中学生の男の子だった。
マンション向いの通り、札幌の南9条通りは小学校や中学校の子供達の通学が始まったばかりだ。
子犬のようにじゃれ合いながら通学する男の子たち。
楽しそうに笑いながら登校する制服姿の女子中学生。
さわやかな北国の初夏だ。
PKSF極東イージスアショア・札幌「旧旭山記念公園」から見る札幌市の眺望。
北国の、どこまでも高い青空が石狩湾に向かい、爽やかに広がっている。
「かぁちゃん、これで終わり?」
「ん?あー、そのお茶碗もお願い。」
「あ。はい、はい。」
絹の様な美しい金髪を縛り直し、また食器を洗うポーランド人妻のシルビア・椎葉婦人。
透き通る白さの美しい手。
その手首のスマートハンドが優しく点滅する。
ポロネーズ第6番変イ長調作品53、通称「英雄ポロネーズ」のメロディが、台所を流れた。
手首のスマハンドからピョコっと、3Dの立体ホログラム・メッセージが表示された。
( 「お子ちゃまきよし」姫路市、リニア姫路、2番線 の表示。 )
「アッ、タト。オハナ、エクラン・ド・ムニェ。(あ、パパ。お華こっちに。(ポーランド語))」
スマハンドから、台所の脇の 20インチの横長の透明なクリスタル画面に切替る。
また水を流して食器を洗い始める椎葉夫人のシルビア。
( あ〜シルシル?俺だ俺~っ。 )
ニッコリ笑顔で。
「タト~。ジェーン・ドブリィ。(パパッ!おはよう。(ポーランド語))」
「ジェーン・ドブリィ。モヤ・ボギニ~。(おっはよう女神様。(ポーランド語))結局、そっちに帰るの金曜日、明後日だべさ。ところがさ。あのコバのバカタレがぁ。はんかくさいのさ。(北海道弁)」
「小林さん?未央ちゃん?」
ニコニコと話すシルビア。
「先週、コバに来週の金曜日さ、栗山さ帰るべとか言ったら、したっけ、(その前に治験受けてけれ、ノルマあんべあ~っ)とかいってさ。うっせーから治験してから栗山さぁ帰るべさ。ちょこっと、遅くなんべぁ。(北海道弁)」
と、きよし。
「えっ治験?」
「んだよ。ほら、お小遣い付き人体実験だべや。」
「あ、あ〜交通費貰えるやつね。もう、うふふ。人体実験なんて言ったら失礼でしょパパ。あははっ。未央ちゃんも仕事なんだからねー。それ、未央ちゃんの高崎薬品でするの?本社の天神橋商店街の?」
「んだべ。交通費で5,000円渡すから来てけれだってさ。」
唇をへの字にして、2回うなずくシルビア。
( まぁいいんじゃない )
を、表すシルビアサイン。
「パパ。栗山のお母さんと昨日の夜、話したけど、エルのポーランド転勤送別会や、お義父さんの法事の準備で忙しいからって。三つ葉とかハウスの最後の野菜もいい感じに育ってるから収穫手伝って、って。お母さん。ハスカップ酒もいい塩梅に浸かったかってエルに言ったら、なんか楽しみにしてるみたいよ。ふふふっ。ポー(ポーランド)に転勤したら、もうしばらくは栗山へ来られないからって。」
流暢にというより、普通に日本語を話すポーランド人の若奥様。
きよしの居る姫路駅では、活発に動き回る沢山のスズメたちがいた。
チュンチュンと鳴き声が至る所で鳴り響いている。
きよしがスマハンドで妻のシルビアと話をしている途中に、スッと風が通り過ぎた。
風と共に一斉にスズメの鳴き声が止んで、姫路新リニア・新幹線駅構内が静かになった。
急に無音になる姫路駅の構内。
スマハンドで話しながら周りを見渡す椎葉。元、軍人らしく、周りの環境のちょっとした変化、特に自然の変化には敏感なきよしだった。
「なんだ、スズメちゃんたち。でも、も〜明後日かぁ、バカ姫から今日、何時に実家へ行くか聞いてなかったなぁ。」
静けさの向こうから重低音がゴォォと響いてくる。
( ファファ〜ン )
と、遠くで汽笛が鳴ると直ぐに白い大きな物体が、椎葉の背後を空気を切り裂いて行った。
( シュンシュンシュン、ボフッ! )
と、新型2世代の九州行きリニアが750キロで通過した。そして、衝撃波。
( ドンッ! )
リニア新姫路駅名物のトンネル・チューブ突入音がした。椎葉が振り向くが、透明な強化プラスチックのチューブの中を、すぐに小さくなって点になる第2世代リニア新幹線だった。
「うひょ〜!凄げ〜第2世代リニア!時速750キロだって。もう見えない。生で通過するの初めて見た!いっつも乗って札幌と新大阪ば、往復してるのに。へ~。」
「第2のリニアが何だって?ちょっとパパ。うふふ。そうだ、バカ姫バカ姫言ったらまた、お正月の時みたく、カラまれるよ。」(笑)
「あらっ?んだんだ。」
去年の正月を思い出す。
笑いながら腕で、自分の首を酔っぱらって羽交い締めにするエルジビエタ像が浮かび上がる。
「ちょっと~お兄ちゃん、誰がバカ姫だって!コラコラコラ~ッ!」
( 参った参っ……息が出来んググッ、ググッ死ぬ~。 )
息が出来なくなる。
16年前の月面でのシルビア救助劇を思い出すきよし。
その時、受けた辛い酸欠状態を、一緒に思い出して苦笑いした。
「アハハハ……ハッ。」 思い出し、苦笑いする椎葉きよし。
そんなきよしへ、お構いなしに続けて話すシルビアだった。
本日も、お読みいただきありがとうございました。
それでは、また来週逢いましょう。
あおっち