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取手駅の駅ビルatreにある「たいけん美じゅつ場 VIVA」で”トリばァ”をやってます。

私は東京都多摩エリア在住なんですが、はるか茨城県取手市までわざわざ出かけて、アートコミュニケーター(通称トリばァ)というものに参加しています。
取手市には東京芸術大学の先端芸術表現学科があり、そのご縁で”アートのまち”を標榜しています。人口約10万の郊外都市ですが、高齢化と、つくばエクスプレス沿線都市との競合で、ちょっと消費の勢いが下がってきた街だそうです。
駅ビルには商業施設atre(アトレ)があります。都内のアトレは、テナントが殺到する好調ぶりですが、ここ取手ではテナント集めに苦労しているようです。

そこでアトレが東京藝術大学に相談し、自治体やJR東日本、地元のNPO・取手アートプロジェクトを巻き込んで、4階フロアに開設したのが「たいけん美じゅつ場 VIVA」というスペースです。そこでアートコミュニケーターを募集していたので私も応募し、幸運にも仲間に入ることが出来ました。

街が街であるためには、駅ビルや駅前ビルがあって、しかも商業的にも採算が散れて稼働していることが重要です。
私が初めて取手市を訪問した時、電車の中から見た限りでは、取手は一応街だと思うけど、隣の天王台は住宅街に駅がぽつんとある、そんなイメージでした。
街の顔となる駅ビルがないからです。
仮に何処かの街で、既存の駅ビルが廃ビルになったとしたら、そこは街からただの住宅街、もしくは田舎町に格下げになりそうで、寂しい話です。

しかしこれから日本では人口減少と高齢化はガンガン進みます。地域住民の消費金額も減っていきます。全国各地の駅ビル・駅前ビルは共通して、どんどん増える空きスペースをどう活用するのか、いかに施設として成り立たせるのか、そういった課題を抱えています。廃ビルになってしまえば、その地域の衰退のシンボルになりかねません。
その処方箋として、「たいけん美じゅつ場 VIVA」のような活用法は、は駅ビルを存続させるためのひとつのモデルケースになりそうです。
東京藝術大学では東京都美術館を皮切りに、各地でART共創拠点づくりをやっています。取手以外は美術館などの文化施設や公共施設を拠点にしているようですが、駅ビルという商業空間でやっているのは、今のところここだけなんだとか。

東京藝大は、2030年の課題として
『日本が直面している課題の一つに、超高齢化に伴う障害と、望まない孤独・孤立があります。
65歳以上の割合が30%を超える2030年以降の社会で、高齢者が社会参加しにくく、生きがいや創造性を実感できなくなることは、個人の健康のみならず、経済的観点からも社会への大きな打撃となります。
わたしたちは「文化的処方」を用い、誰もが生涯を通じて
自分らしくいられる「居場所」と「出番」をもち続け、
幸福で健康的な生活を送れる共生社会を目指します。』
と掲げています。
高齢者になりつつある私にはまさにぴったりです。というわけで、駅ビルは廃ビルにならぬよう、私は廃人にならぬよう、妙な連帯感を抱きながら、アートコミュニケーターに参加しています。


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