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【LoL】LEC Winter 2025の仕組みと参加する10チーム紹介&1週目の振り返り



0.LECの説明とWinterフォーマットの仕組み

 今回はLEC(League of Legends EMEA Championship)の新シーズン開幕に際して、各チームの見どころや注目選手を紹介していきます!LECは2023年にEvi選手が参戦したことで知ってるという方もいると思いますが、LJLやLCKなどのリーグに比べると知名度は高くないでしょう。簡単にLECについて説明すると、メジャー地域と言われる5つのリーグの中でヨーロッパを中心とした地域のリーグを指します。実力的にはLCK,LPLに及ばないですが独特な戦術やキャラピック、視聴者を楽しませるスーパープレー(!?)など見どころ満載です!
 LECは全部で10チームによって構成されています。Winter SplitではBO1の総当たりで各チーム9試合を行って上位8チームがプレーオフに進出し、プレーオフはダブルエリミネーション方式(1度負けても敗退にはならずLosers Bracketに回る)を採用してBO3とBO5で行われます。さらに、プレーオフはフィアレスドラフト(一度使われたチャンピオンはシリーズ中もう一回使うことが出来ないルールでWinterのみ適用)が使われます!ここで勝ち上がった1チームのみが3月の世界大会First Standの出場権を獲得します。英語ですがLEC公式YouTubeチャンネルでも動画が上がっているので要チェックです。

1.チーム紹介&Week1振り返り

ここから各チームの紹介ですが、
・チーム名(勝敗)
ロール 選手名(前所属)
振り返り(注目選手)
このように見ていきます。1位から10位の順番で並んでいます。

・GIANTX(3-0)

GIANTX公式Xより

TOP Lot(Team GO)
JG   Closer(Karmine Corp)
MID Jackies(GIANTX)
ADC Noah(Fnatic)
SUP Jun(Fnatic)

昨年新人王のJackiesの周りに実力者を補強したGXが唯一の全勝で1位。新JGの第一ターゲットとして元G2のYikeを狙っていましたが残念ながら願いは叶わず。それでも新加入のリーグでもトップクラスBOTコンビNoah-Junは期待通りの活躍を見せており、昨夏KCの好調を支えたJG Closerも良いパフォーマンスを披露しています。TOPのLotは新人で弱点になると思っていましたが今のところ悪くない出来です。最初の2試合がSK,RGEの下馬評では格下とされていたチームではありますが、2-0で並んでいた上位候補のKCに勝利したことは少し予想外でした。内容もほぼ完封であり、日程が楽だから全勝だという声は全く聞こえてきません。
 注目選手はMIDのJackiesで、彼はCaps,Humanoid,Jojopyunなど経験豊富なMIDのレベルに達するポテンシャルを持っています。まだ2年目でこれからも伸びていくであろうJackiesに注目です。不安点と言えば昨年FNCでNoahがリードしている状況からキャッチされて試合を投げてしまうことが何回か起きたことくらい。他チームが追いかけてくる中でプレッシャーに打ち勝つことが出来れば、冬の王者になることも不可能ではないでしょう。

・Movistar KOI(2-1)

Movistar KOI公式Xより

TOP Myrwn(Movistar KOI)
JG    Elyoya(Movistar KOI)
MID Jojopyun(Cloud9)
ADC Supa(Movistar KOI)
SUP Alvaro(Movistar KOI)

熱狂的なスペインのファンを持つMKOIもスタートダッシュに成功。昨年は新人4人で期待ゼロの冬に2位になったと思ったら春6位で夏8位とズルズル順位を下げ、冬に貯めたポイントでなんとかSeason Finalsに出場するとWinners Bracket1回戦でG2を破り、結果的に3位でトーナメントを終えWorlds出場を果たしたジェットコースターチームでした。NAのスターJojopyunの加入で弱点であったMIDの強化に成功し、トップ3も狙えると期待されていました。シーズンが始まるとSupaが正にスーパーな活躍を見せていて、新加入のJojopyunも活躍し強豪FNCに圧倒的な差をつけて勝利。KCには負けてしまいましたが、ここまで期待通りの成績。
 個人的注目選手はLECで一番特殊なピックプールを持つMyrwn(読み方はミルンもしくはミョウィン?)。TOPヴァルスやゼリ、握撃ニダリーなど癖のありすぎるピックを駆使してG2にBO5で勝った実績もあります。昨年のように浮き沈み激しいチームにならないためにはJojopyunの活躍のほかにもリーダーElyoyaがチームを引っ張っていく必要があります。今後の活躍にも期待です。
 ※JojopyunはXなどで相手への煽りなどをよくしているのでその面でも注目です笑

(対戦相手だったFNCのMID Humanoidに対して)
Humanoidはオワコンという疑惑を晴らすことがまだ出来てないね(笑)

・Team BDS(2-1)

Team BDS公式Xより

TOP Irrelevant(SK Gaming)
JG   113(Karmine Corp Blue)
MID Nuc(Team BDS)
ADC Ice(Team BDS)
SUP Parus(Team BDS Academy)

 Worlds 2023で観客を魅せたGODSピックでも知られるAdamが退団し、BDSは核2人を残して再編成しました。TOPのIrrelevantは昨夏に8-1と無双状態だったSKを支えた一人で、JGの113は若さゆえの不安定なプレーもありますが2年前LECでプレーした実績持ち。新人SUPのParusは去年のEMEA MastersとLFL Summer(KCの部分で解説)にて優勝を果たしたBDSアカデミーからコールアップという形で加入し、強豪からも声がかかるほど期待されている若手です。開幕戦こそVITに負けてしまいましたが王者G2相手に5000ゴールド差を逆転して見事勝利するなどポテンシャルの高さが見て取れます。個人的に他チームのメンバーが豪華なこともあり今年は5,6位辺りに留まるだろうなと予想していましたが、この調子で格上を喰うことがあればさらに混戦になるでしょう。ただ上位勢が最高潮のパフォーマンスを出したときに他のチームに対抗できるかと言われるとYESとは言いにくいのは確かで、各選手のさらなる成長が求められます。
 注目選手はTOPのIrrelevant。昨シーズン大きく評価を上げた選手の一人で、ウィークサイドを担うことも多いですがしっかり耐え安定感があります。名前もIrrelevant(無関係)でTOPレーンを悪く言うつもりはないですが陸の孤島であるTOPレーンを体現しています。BDSでもう一つ知って欲しいことが会場入りシーンです。2025年版はまだ確認できていませんが、LECで一番エンタメ性があると言ってもいいくらい面白いのでぜひ一度見てみてください。

・Karmine Corp(2-1)

Karmine Corp公式Xより

TOP Canna(Karmine Corp)
JG    Yike(G2 Esports)
MID Vladi(Karmine Corp)
ADC Caliste(Karmine Corp Blue)
SUP  Targamas(Karmine Corp)

 今年のLECの中で最も注目度の高いチームは間違いなくこのKCでしょう。G2からリーグ最強格JGであるYikeを獲得し、神童と呼ばれるCalisteがついに1軍に合流。Calisteは17歳で当時EU2部相当のフランスリーグLFLで戦っていたKCとSummer開幕前に契約しLFL初出場ながらSummer優勝、そして各国のリーグが集まる最高の舞台EMEA Masters Summerでも優勝と鮮烈なデビューを飾りました。チームがLECに参加することが決まった2024年は年齢制限の影響でアカデミーチームに移りもう一年LFLでプレーし、Spring優勝などフランス国内外でとんでもない選手がいるぞと話題になりました。そして2025年、ついにLECの舞台にCalisteが参戦します。
 KCは過去にDKやT1に所属したこともあるCannaや新人ながらチームを牽引したVladi、実績のあるSUP Targamasをキープしています。開幕戦でG2を破り勢いに乗っているチームはGXにこそ敗れてしまったものの優勝争いに食い込めるだけの実力は確かにあります。注目選手は勿論Calisteで、Week1終了時点でKDAは32.0で堂々の1位。相手を釣るベイトプレーやスタンプ連打など18歳らしいのからしくないのか強気なプレーを見せています。周囲の期待は凄まじいもので、いずれは同郷のHans SamaやEU史上最高と呼ばれるRekklesを超えてNo.1のADCになるのではと噂されるほど。Le Blue Wallと呼ばれる熱狂的なファンたちの声援を力に今後も最注目のチームの一つです。

・Fnatic(2-1)

Fnatic公式Xより

TOP Oscarinin(Fnatic)
JG    Razork(Fnatic)
MID Humanoid(Fnatic)
ADC Upset(Karmine Corp)
SUP Mikyx(G2 Esports)

 BOTレーンを新調して臨んだFNCもまずまずのスタートを切っています。Upsetは長年LECで活躍してきたベテランADCで、昨年もKCで悪くない活躍を見せました。MikyxはMSI優勝経験もあるEU歴代最高のSUPの一人。昨年はWorldsでのやらかしの印象が強い一年でしたが、2023年にはLEC年間MVPを獲得するなど実力はいまだトップクラス。既存のメンバーも年々成長しているOscarinin(読み方はオスカリニン)やYikeと並んでベストJGとも呼ばれるRazorkがいて、Humanoidはここ数年FNCの中心選手として活躍し続けています。開幕戦でこそMKOIに圧倒されてしまいましたがその後2戦は危なげなく勝利。この2試合では特にUpsetが活躍していて、KDAは2位の12.0を記録(3位は10.3のRazork)。今後の展望としてはG2との伝統のダービーマッチやGX,KCとの試合で実力を見せることが出来るかが鍵になってくるでしょう。個人的にLECの中で良くも悪くも最も安定感のあるチームだと思います。
 FNCの注目選手はJGのRazorkです。昨年のLEC SummerではAll LEC 1st Teamにも選ばれ、LEC内では常にゲームをコントロールしています。チームとしてはWorldsに出ることは勿論のこと、Worldsで結果を残すことも求められているので期待に応えるためにも頑張って欲しいです。

・Rogue(1-2)

Rogue公式Xより

TOP Adam(Team BDS)
JG   Malrang(KaBuM! Esports)
MID Larssen(Rogue)
ADC Patrik(GIANTX)
SUP Execute(FearX Youth)

 RGEは1か月前までLECの枠を他チームに売るという報道が出ていて選手契約の噂が全く出ず、正直今年は見ることが出来ないと思っていました。ですがフリーになっていたAdamを獲得するという報道があり、直後に元GXのPatrikやFearXアカデミーのExecute、更に2022年LEC Summerを優勝してWorldsでもベスト8に到達した時のJG Malrangも復帰。土壇場で悪くはないロスターを完成させました。初戦のTHに勝利し勢いに乗りたい所でしたが2試合目のGX戦で59分の激闘の末惜敗。BDSにも負けてしまい1-2でWeek1を終えました。ただチームの下馬評を考えるとここまでは予想通りで、今後の強豪との試合でどれだけ試合を落とさずにいれるかが重要です。
 RGEの注目選手はMIDのLarssenです。チームがLECに出ていなかった2023年を除いてLECではRGE一筋のワンクラブマン。チームの顔であり、2027年まで契約を結ぶ忠誠心を見せています。昨年はチームとして苦しい時間が続きましたが、今期は新加入と旧友の復帰で一層力が入ると思うので彼のキャリーに期待です。

・Team Heretics(1-2)

Team Heretics公式Xより

TOP Carlsen(Los Heretics)
JG    Sheo(Team BDS)
MID Kamiloo(IziDream)
ADC Flakked(Team Heretics)
SUP Stend(Vitality.Bee)

 Eviの退団から2年、THは本来の目的であった育成にシフトしました。2024年はJankosの周りにWunder,Perkzを補強し「G3 Esports」とも呼ばれたタレント集団を形成。しかし全盛期の力を出すことが出来ずにPerkzはベンチになり、チームとしても下位に沈んでしまいました。今年はFlakkedのみを残して大改革を施しBDSからSheoを獲得しましたがそれ以外の3人は新人で、Carlsenをコールアップし、LFL Division2でプレーしていたKamilooとVitalityのアカデミーでEMEA Masters2位を経験したStendが加入しました。シーズン前の評価は多くが最下位であり、個人的にも今年は厳しいなと思っていました。ポジティブな要素としてはSKに勝ったことで、Kamilooを中心に良い活躍を見せていました。しかし他チームに対抗できるかと言われると厳しいでしょう。FlakkedとSheoが新人3人を引っ張り、ハイパーキャリーする必要があります。
 注目選手はADCのFlakkedです。2023年に加入して以来チームをキャリーし続けていますが、チームが過去一苦しい今年はさらなる活躍が求められます。強豪チームからの引き抜きもあり得るほど良いパフォーマンスを見せる選手なので、個人的に応援している選手の一人です。

・G2 Esports(1-2)

G2 Esports公式Xより

TOP BrokenBlade(G2 Esports)
JG    SkewMond(BDS Academy)
MID Caps(G2 Esports)
ADC Hans Sama(G2 Esports)
SUP Labrov(Team BDS)

 2年間で7個のトロフィーを獲得したもののWorldsでは2年連続ベスト8の壁を乗り越えることが出来なかったことで、G2はロスター変更を決断しました。SkewMondはBDS Academyの一員として昨年のEMEA Mastersで優勝、EUWソロランクでも2000LPに到達するなどの実績を買われG2に加入。LabrovはBDS加入当初こそ精彩を欠いたプレーを見せてしまいましたが去年は大きく成長してLECでも指折りのSUPに名乗り出ました。現状のEUNo.1と言っても差し支えないBBとCapsのソロレーンをキープし、甘いマスクと特殊なピックで日本でもファンが多いであろうHans Samaも残留。今年も王座は揺るがないと思われていましたがまさかの開幕2連敗を喫します。注目の初戦KCとの試合ではゴールドイーブンの状況でビクターのレーザーにドラゴンをスティールされ4ドラ献上、さらに元G2のYikeにアタカンをスティールされて敗北。BDS戦でも5000ゴールド差でリードしながらアタカンファイトで負けてそのまま敗北という最悪の流れでした。Labrovは緊張もあったのかKC戦ではあまり良くないプレーだったので、実力を証明するためにも今後の奮起に期待です。SK戦ではCapsのペンタキルもあり勝利を収め、チーム復調のきっかけになることでしょう。
 注目選手はJGのSkewMond。新人ながらゲーム内VCでも積極的に声を出していて、冷静沈着なプレーも評価できます。元ヌヌOTPとしてランクを回していたことから同じくG2所属ストリーマーKeshaとも気が合いそうです。G2は自分の推しチームでもあるので、早く復調して今年も優勝候補筆頭として強さを見せて欲しいです。

・Team Vitality(1-2)

Team Vitality公式Xより

TOP Naak Nako(Vitality.Bee)
JG    Lyncas(Team Vitality)
MID Czajek(Vitality.Bee)
ADC Carzzy(Team Vitality)
SUP Hylissang(Team Vitality)

 昨年は期待外れに終わってしまったVITでしたが、移籍に関しては少々疑問が残る結果となりました。TOPでまずまずの成績を残したPhotonを手放してアカデミーからNaak Nakoをコールアップしたのは若返りの面では良いと思いますが、MIDで好調だったVetheoをCzajek(読み方はチャイェク)と入れ替えるのは大丈夫か?と個人的には思いました。全盛期に比べると衰えが見えたHylissangはチームに残り、長年LECでプレーしているCarzzyも残留。JGのLyncas(読みはリンサス)は昨夏からプレーする2年目の選手で、まだ成長途中といったところ。苦しい一年になると思われていますが初戦はBDSに勝利。昨年は振るわなかったHylissangはこの試合悪くないプレーを見せ、新人のCzajekは大活躍を見せました。FNCには完敗するもMKOIには途中まで接戦を繰り広げました。昨年EMEA Mastersで2位を取ったアカデミーの選手たちはよくやっていて、疑問視された補強面も今のところ大問題にはなっていません。今後THやSKなどのチームに勝つことが出来れば、Winterのプレーオフ進出は達成されるでしょう。
 VITの注目選手はSUPのHylissangです。4月で30歳になる大ベテランSUPは全盛期にWorlds準優勝を経験しておりEU歴代最高のSUPの一人です。近年はやらかしが目立ちHylishitと呼ばれることもありますが、調子が良い時はとても優れたSUPであることは間違いありません。年齢的にも残り少ないであろう彼の選手キャリアを見守っていきたいです。

・SK Gaming(0-3)

SK Gaming公式Xより

TOP JNX(BDS Academy)
JG    Isma(SK Gaming)
MID Reeker(BDS Academy)
ADC Rahel(SK Gaming)
SUP  Loopy(Isurus)

 昨夏はプレーオフでは負けてしまったもののレギュラーシーズン8-1と圧倒的な強さを見せリーグ1位を獲得したSKでしたが、今期は全敗スタートと苦しむことになりました。チームの顔だったNisqyが退団し、IrrelevantもBDSに移籍。Rahelと共に最強BOTコンビだったLuonも退団したことでチーム力は大幅ダウン。BDS Academyからソロレーナー2人を獲得し新たな韓国人SUPのLoopyを獲得して挑んだ新シーズンですが、GXに敗北した後最下位候補であったTHにも敗北し、0-2同士の対戦となったG2戦も落としてしまいました。新加入選手はまだ実力を発揮しきれていない感じがしているので、今後調子を上げていくことを期待しましょう。とは言ってもやはり退団組、特にNisqyの穴を埋めることは一筋縄では行かないようで、苦しい試合が続くでしょう。IsmaとRahelを中心に全員のレベルを上げてVITやRGEなど同レベルのチームに勝つことがひとまず目標になります。
 注目選手はADCのRahelです。彼とIsmaが去年以上に頑張らなければSKの浮上は無いと思うので、昨夏のように他チームを破壊するRahelの姿を今年も見たいです。

2.まとめ

 以上長くなりましたが全10チームの紹介と振り返りでした。自分の知識不足で伝えきれていない魅力もありますが、おおまかにチームを紹介できたと思います。全チームに言えることは、まだたった3試合しか終わっていなくて残り6試合も残っているので調子の悪いチームは復調するチャンスがあるし、好調なチームも油断はできないということです。個人的にG2には3-0でWeek2を終えて欲しいですね。Week2は1/26(日),1/27(月),1/28(火)の午前2時からで、おおよそ1時間ごとに次の試合に進みます。日本人にとってはとても厳しい時間ですが、Week2も各チームの振り返りを記事にしようと思っているので読んでいただけると幸いです。
 Week2の注目試合は26日3:30開始予定のGX vs MKOI、27日3:30開始予定の伝統の一戦FNC vs G2です。YouTubeにハイライト動画なども上がっているのでおススメです。


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