1/11Mリーグ観戦記振り返り「怒り」
Mリーグ、1/11の第1回戦の観戦記を担当しました。
話題となったあの打牌については、記事内で詳しく触れています。
外部の声
僕はMリーグの試合を見る際、基本的にはコメントを表示させている。
視聴者が試合の中でどういうところを気にしたり、盛り上がったりしているのかをチェックするためだ。
また、中には自分が気づいていないようなことを指摘しているコメントもある。
コメント内容については見るに堪えないものも多いのだけど、その中から記事を書く際参考にできるものをピックアップできればと思っている。
ただ、この日のコメントは特にひどかった。
下衆の勘ぐりへの怒り
記事で最もボリュームを割いて取り上げた、白鳥選手の西暗刻落とし。
直後、コメント欄が「差し込みだ!」「岡田をアシストしにいった!」「コンビ打ちだ!」などとざわついた。
SNSでもそのようなことを書いている人がいた。
白鳥選手と岡田選手は、昨年春の某写真週刊誌の報道を受けて交際の事実を公にしている。
そうした印象、先入観があったことは要因としても大きいだろう。
ただ、少し考えれば分かること。
白鳥選手が自らの立場を放り捨て、麻雀プロとしての未来すら閉ざすような選択をするはずがない。
過去の麻雀界には夫婦でアシストまがいのことをするといった事件があったそうだが、Mリーグは大企業が所有するチームに所属し、少なくないフィーを得て打っている麻雀だ。
個人だけの問題ではない、いわば次元が違う話である。
今回騒いでいる人たちの中には単なる騒ぎたいだけの人たちも少なくないとは思うのだけど、それにしても度が過ぎたコメントの数々には多少の怒りを覚えた。
白鳥選手のすごさ
白鳥選手の西打ちには、必ず理由がある。
僕は第1回戦が終わるとすぐにPCで試合の追っかけ再生を行い、件の場面を確認した。
しばらく考え、見えてきたのが記事で書いた7pのツモ切り→手出しによる読みだ。
ただ、僕は時間をかけて場面を振り返って検証したのだけど、白鳥選手は実際の場面において10秒程度の時間で西を選んでいる。
この瞬間、西が99.9パーセント放銃とならないことに、ほんのわずかな時間で行き着いたのだ。
また、頭で分かっていても実際に西を打てるかどうかは別問題。
これは本当にすごいことだと思う。
木原プロのすごさ
この件については日本プロ麻雀協会の木原浩一プロが自身のnoteで取り上げていた。
木原プロは自団体の最高タイトル「雀王」獲得経験者であり、長らく動画や記事で麻雀戦術を発信し続けている方だ。
記事の公開時刻を見ると、例の場面から1時間程度しか経っていない。
その間に思考を整理し、画像を作り、記事を書く。
このスピードで情報を読みやすくまとめて発信するというのは、並のスキルでできることではない。
木原プロもまた、トッププロの一人だということを再認識した。
それは雀力だけでなく、発信力まで含めての話である。
自分の役割
僕の書く記事は、木原プロの書いたnoteの後追いであるという側面は否めない。
ただ、キンマwebはより多くの、そしてライトな麻雀ファンも読む媒体であり、「準公式」としての性質も持ち合わせていると思う。
そこで白鳥選手の打牌を説明することは絶対に必要だし、それを果たすのが自分の役割・責務だと考えた。
また、幸いにも僕は白鳥選手に直接コンタクトを取れる。
そこでLINEを利用して、自分の思考を伝えつつご本人のコメントをいただき、それを記事で紹介させていただいた。
僕の記事では珍しい、細かく打牌意図を解説した記事になったのだけど、伝わったのであれば幸いである。
僕は、ライト層とマニア層をうまくつなげていく架け橋的存在を務めるのが、自分たち観戦記ライターだという認識をしている。
その意識は、常に持っておかなくてはいけないと思う。
ファン層について
Mリーグは、たくさんの人々に親しまれているコンテンツだ。
中にはプロレベルの腕を持つ人もいれば、あまり麻雀をやらないという人もいる。
ある統計によると、麻雀を打たない「見る雀」専門の方も一定数いるという話だ。
その人たちはみな、等しく大切なMリーグのファンだ。
ただ、麻雀の認識力についてはやはり差がある。
そこであらぬ誤解を残したままではいけないと思ったし、それを説くために今回の記事を書いたと言っても過言ではない。
「マニアがジャンルを殺す」という言葉がある。
一部のマニアックなファン層が知識の浅い新規層を排他的に扱った結果、新規が寄りつかずジャンルそのものが縮小・低迷していくことを表現したものだ。
麻雀においては、少なくとも自分はそうなってほしくないし、より多くの人たちで麻雀・Mリーグをポジティブに楽しめるようになってほしいと願っている。
最後にひと言
サムネ写真は、白鳥選手のピンにしてほしかったなあ・・・。
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