4/29Mリーグ観戦記振り返り「沈黙」

4/29に行われた、Mリーグセミファイナル・第2回戦の観戦記を書きました。

ファイナルを前に、セミファイナル最終盤のドラマを振り返るときなどにご一読いただけましたら幸いです。

主役

この試合は、TEAM雷電とKONAMI麻雀格闘倶楽部にとってのセミファイナル最終戦だった。

だから、試合前には必然的にこの2チームへと意識が向く。

逆転でのファイナル進出があるKONAMI麻雀格闘倶楽部は当然として、極めて敗色濃厚となったTEAM雷電の瀬戸熊選手がどんな麻雀を見せるのかも、記事のテーマに適していると考えていた。

しかし、この試合の主役は松本選手だった。

しかも、並大抵の主役ではない、シーズンを通しても屈指の大暴れを見せてくれた。

沈黙

印象的だったのが、記事にも書いた四暗刻後の沈黙だ。

実況の日吉プロが叫んだ後、数秒間、誰も何もしゃべらない時間があった。

それはおそらく、見ていた人も同じだったのではないか。

絶句。

もちろん、渋谷ABEMASのファンにとっては「モッティーよくやった!」と大喜びだろう。

しかしそれ以外のチームにとっては正直「何してくれとんねん」という気持ちだったと思う。

この最終局面で、KONAMI麻雀格闘倶楽部にとって究極とも言える逆風が吹く。

もちろん、麻雀なのでいつ何が起きてもおかしくはない。

しかしそれが、今シーズンにこれまで3回しか出ていなかった役満がこの最終局面で出るとは思いもよらなかった。

ただ、この沈黙こそがある意味で、この試合そのものを象徴していたのではないかと思う。

苦戦

松本選手は役満をアガった後も、今シーズンの充実ぶりを証明するかのようにアガり倒す。

最終的には9万点オーバーのトップを取った。

書き手としても予想だにしなかった結末で、記事の構成については本当に悩んだ。

KONAMI麻雀格闘倶楽部とTEAM雷電の立ち位置がどうあれ、この試合で松本選手をメインにしないのはハッキリいって不自然。

といっても「松本選手が超すごかった!」という記事にしても、この試合の趣旨・背景といったものが伝えられない気がしていた。

そんな中で試合やインタビューを見直す中、松本選手が想像以上に感情を抑えて話しているのが感じられ、そこから着想を得て今回の記事に至った。

記事としては過去最高クラスに苦戦しながら書いたのだけど、それなりにうまくまとめられたのではないかと思っている。

・・・まあ、翌日の試合についてはこの日をさらに上回ってきたわけなのだけど。

ダブルミーニング

タイトルの「沈黙」はいわゆる「ダブルミーニング」として使用した。

「ダブルミーニング」とは一つの言葉に二つ、あるいはそれ以上の意味を持たせる表現方法。

ここでは前述した四暗刻後の「沈黙」と、この役満を「ダマテン」でアガったことを引っかけている。

このタイトルをつけたすぐ後、サイレンススズカの「沈黙の日曜日」もちょっとほうふつとさせるなあ、などとも思った。



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