4/30Mリーグ観戦記振り返り「勝負師」

4/30に行われた、Mリーグセミファイナル・第2回戦の観戦記を書きました。

EX風林火山の生き残りを懸けた一戦の振り返りに、ぜひご一読ください。

試合前の展望

僕は基本的に、Mリーグの観戦記担当日は自分が担当しない試合も見る。

試合それぞれは独立したものであっても、試合同士がリンクして意味を持つことがよくあるからだ。

この日の試合は性質上、それが非常に顕著に表れる。

主な展望として、記事の構成は2パターン考えていた。

初戦でEX風林火山が勝ったならば、第2回戦はファイナルの前哨戦。

一方でもし負けたならば、EX風林火山の生き残りに焦点を当てたものとなる。

正直に言えば、前者であればそれほど重たい内容にはせず、試合そのものをさらっと振り返りつつファイナルへの展望もある程度盛り込んだ記事にするつもりだった。

そしてそれなら、比較的エネルギーを使わずに書けるのかな、と思っていた。


結果、観戦記は後者となった。

試合前から、僕はものすごいプレッシャーを感じていた。

超技術戦

僕のプレッシャーは、第2回戦のメンバーを見てさらに増幅される。

Mリーグでも屈指の強者・技巧派がそろったからだ。

EX風林火山の状況も含め、単なるぶつかり合いではない、ハイレベルな駆け引きが繰り広げられることは容易に想像できた。

EX風林火山の生き残りと、技術戦の内容。

その両方を、質を保った上で伝えなければならない。

それが自分にできるのか、と。

そして実際に蓋を開けてみたら、想像以上にいろいろな駆け引き・攻防があった。

勝又選手も、最後の親番でダブリーを打たれるなど非常に苦しかったが、多井選手を味方につけて何とか2着を確保。

この協力体制も条件戦、さらには強者同士の麻雀だからこそ見られるものだと思う。

ドライ

試合内容に関しては、自分なりにしっかりと書いたつもりだ。

そして、それと共に伝えなければいけなかったのが、EX風林火山の生き残り。

勝又選手がこの試合に何を懸けて戦っているのか、その重さをどう表現するかも、かなり考えた。

結果、冒頭の文章をあえてドライなテイストにし、試合の導入とした。

その方が、勝ち負けの残酷さが際立つと思ったからだ。

勝てば生き残るし負ければ死ぬ。

そのコントラストは、変に飾らずに伝えるほど浮き彫りになると、改めて思った。

勝負師

この試合は内容もものすごかったのだが、やはりEX風林火山の生き死にをメインにするべきだと思った。

そこで軸になるキーワードとしてチョイスしたのが「勝負師」。

対局中に実況の小林未沙さんから紹介された「こういう試合で打つために麻雀プロをやっている」というコメントから着想を得た。

これこそ麻雀プロのあるべき姿だと思ったし、非常に心を動かされた。

その姿勢を「勝負師」と表現したが、麻雀プロはやはり勝負師だし、なかでもMリーガーはスペシャルだと思う。

文字通り「人生を懸けた半荘」。

たぶん、僕ならどの席に座っていてもラスっていたと思う。

その中で繰り広げられた戦いに、勝又選手の、そして麻雀のトッププロたちのすごみを見た気がした。

エネルギー

こういう試合を書くのは、すごく消耗する。

しかも僕は、前夜に書くのが難しい試合をまとめていたばかりだった。

2日連続、しかもこの日は前夜以上にエネルギーを要する試合だっただけに、執筆は難航を極めた。

試合自体が長く、見どころが多かったのも大変な要因の一つ。

それを何とか朝までにまとめ上げられたのは、自分自身の書きたいというモチベーションもさることながら「観戦記を待ってくれている人がいる」という責任感も大きかった。

読んでいただき、少しでも楽しんでいただけたなら本当にうれしく思います。

そして、リアクションがあるとそれが分かるので、次のモチベーションにもなります。


ファイナルも頑張るぞ。

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