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地球外生命体とドラム

【地球外生命体と音波ドラム】

2045年、地球外生命体との初接触が実現した。
そして音波を使って物質に影響を与える技術が地球に持ち込まれた。
数年後、日本の大手ドラムメーカーによって、地球外生命体の技術を元に開発されたのが「音波ドラムセット」である。
このドラムセットは、リズムに合わせて空気を振動させ、物体が浮き上がるような感覚を生み出すことで、音楽と物理が交わる革新的な一歩として注目を集めた。

【音波ドラムの普及】

2048年、音波ドラムが商業化され、世界中のドラマーたちがその技術を取り入れるようになった。
演奏のたびに音波の力で周囲の物体が浮遊し、新たな演出方法として、リズムに合わせて空間そのものが変化する感覚を観客に与えた。

【地球外生命体との共演】

2050年、地球外生命体と共演する音楽フェスティバルが開催された。
音波ドラムが空間を変化させ、リズムに合わせて物理的な変化が起こる様子が目の当たりにされた。
音楽はただの音ではなく、空間そのものを形作る力を持つようになった。


音波ドラムは世界中で使用され、ライブパフォーマンスの定番となった。
しかし、ある公演でリズム感の悪いドラマーが演奏を始めた途端、異常な事態が発生した。
リズムが少しずれるたびに、音波ドラムの影響を受けた物体が奇妙に動き始めた。
さらに、リズムのずれが続くと会場全体の空気が不安定になり、観客は次元が歪んでいるかのような錯覚に陥った。パニックに陥った観客たちは、演奏を止めるよう叫び始めた。
そして音波ドラムの演奏中、リズムが悪いと周囲の物体が暴走するという新たな課題が浮き彫りになった。

この事件をきっかけに、「リズム感の悪いドラマーはライブをする資格なし!」という新たな規制が設けられ、音波ドラムのライブでは、ドラマーのリズム精度が物理的に観客の安全に直結する時代が到来した。


地球外生命体の技術がもたらした音波ドラムは、音楽の常識を超え、物質、感情、そして空間にまで影響を与える力を持つようになった。
それは、音楽が未来にどのように進化していくのかを予感させる一歩かもしれない。
多分。

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