見出し画像

昭和生まれの老害クリエイターは、これ以上役に立ちたくない

Rogaiプロジェクトとは

  • 目的:役に立たない人やモノをもっと増やしたい

  • やること:役に立たないリッチコンテンツを発信する

役に立っている自分にげんなり

自分は今まですごく役に立ってきました。
2000年代初期から10年以上デザイン業界に関わり、
企業やブランドの宣伝のためのグラフィックやWebサイトや動画や
その他諸々何でも役に立つことなら何でもやってきました。
ここ最近だと、社会を良くするらしいWebサービスを作ったり
なんかスタートアップの立ち上げをあれしたり、ユーザー体験をむにゃむにゃしたりとか、とにかくそういう「世間の役に立つ」仕事をずっとしてきたのです。
それこそがクリエイター/デザイナーの生き様だと教わったから、がむしゃらにずっと実践してきたのです。
しかし、ある時に重大な真実に気が付いてしまいました。
「よく考えたら別に役に立ちたくないんだけど」

人格のOSみたいな感じで作動する「役に立つべし」

社会人になると、まずは「会社の役に立つこと」を強制されます。
具体的にはお金を稼ぐことがかっこいいのだ!的な考えをインストールされますよね。
それ自体は、資本主義とか会社ってのはそもそもそういうモノなので、
まぁいいとは思うのですが、問題なのは、自分自身の本来の考えや感情も自ら書き換えてしまうところだと思っています。自分を変えないと毎日生きるのが葛藤だらけで辛いですからね。
なので、いつのまにか何かの役に立つことが自分の存在意義という価値観になりがちです。
価値観というより、根本的な行動原理になっちゃう気もするので、パソコンのOSくらい人格を規程しているような感じです。

役に立つ必要なくない?

役に立つのは役に立っているので悪いことではないのですが、
なぜか逆に「役に立たないのは悪い」ってことになってしまうのが不思議です。
それがお役立ちOSのバグだと考えています。
自分の属するクリエイティブ(特にWebとかのIT系)業界だと特にお役立ちOSが超絶にバグりまくっている人たちが大勢います。
人間やモノを、役に立つかどうかだけで判断するようになってしまうのも痛いですが、もっと危険なのは「役に立つかはっきりしないモノも積極的に排除」しようとしてしまうのです。
ベンチャーの場合は自らの定義や存在意義と矛盾しているのですが、気付いていないのもあるあるですね。
そして、これが1番の問題なのですが、そういう風に「排除する人たち」も、「排除される人たち」も、「所属している会社」も「社会」も、全部まとめて「ものすごく不幸に見える」というところです。
それこそ、何も役に立ってない気すらします。

答えは出ていないです

じゃあどうすればいいの?役に立たないばっかりだと社会成り立たないじゃん!と言われそうですが、それはややその通りです。
いや、本当は多分成り立つのですが、まだその具体的な答えを探している段階です。ごめんなさい。
なので、とりあえず「役に立たないことの素晴らしさ」を発信できればいいな。
というのがこのRogaiプロジェクトです。
役に立たないモノを楽しく作る。その先に答えがあることを確信しています。

Rogaiプロジェクトをまとめると

発想も経済力も技術力も貧相な昭和生まれFlash育ちの老害が、求められてもいないのにリッチコンテンツ(a.k.a役に立たないし特にアート活動でもないコンテンツ)を作り続けていれば、変に社会に影響して、役に立たないモノを作ってくれる人がもっと増えたりして、何かが少しだけ変わった結果、今まさに他者から役に立たない呼ばわりされて苦しんでいる人たちが救われたりしたら嬉しいから頑張る。というプロジェクトです。

リッチコンテンツとは?

正確な説明は難しいので雑に表現すると、2000年代に流行した、Flash(というのがあったんです)で作られたWebサイトの中で、演出が派手なやつの総称。
Rogaiプロジェクト内では、「実用性だけに囚われなくていいんじゃないという感覚で、主に動きに焦点を当てて作ったやつ」という意味で使っています。
一般的には2010年以降のスマホの台頭で消えていき、UI/UXブームでトドメを刺されたとされています。要は「不況の時に役に立たないコンテンツなんてイラネ」な感じです。

Rogaiの中の人 老害太郎(仮称)について

諸事情で青春期に5年ほどややニートをしていたけど、 一念発起して色々あってクリエイターになりました。 元々作るのが好きだったので、何かを作る仕事に就きたいという例のアレです。 (よくあるつまらない話なので割愛) 当たり前ですが、目的というか初期衝動は「自分が作ること」 だったのに、10年かけて「何かの役に立つこと」に書き換わってた。 最近、周りに自分以上にバグっている人が増えすぎたおかげで、 逆に正気に戻ることができた。 スキルとかキャリア的なのは作例の通りなので、察してね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?