コロナ後気候変動時代に求められる変化

メモしておきたい記事の抜粋になります。
https://toyokeizai.net/articles/-/362956?page=3

◆ーーまず、ウイルスのリスクに対して私たちがなすべきは何か。

大地震が起きてから防波堤を作るなど、街づくりを見直す動きが起きるが、同様に次の未知のウイルスも踏まえて、社会や街のあり方を見直す必要がある。

◆――具体的に何を見直すべきか。

❶1つは、都市に集住して、満員電車など人の接触が過剰な人口集中型社会。
❷もう1つは「移動」だ。低料金で日帰り海外出張が可能になるほど、人々は簡単に国境をまたいで移動している。今回の新型コロナに限らず、最近のジカ熱やエボラ出血熱でもこの2つが触媒となり感染症は国際的に急速に広がった。人口密度や移動率の低い社会を作るため、街づくりや産業のあり方を考え直す必要がある。

◆ーー理想型は、ドイツの街づくり

ドイツの街づくりは理想に近い。ベルリン、ミュンヘン、シュトゥットガルトなどの街が結節状に分散し、個々の街は第1~3次産業までほかの街に依存せず、ほぼ自前でもやりくりできる。ビジネスを含めて人の移動を最小にできる。これは感染症の波及効果が小さくなることを意味する。

日本では、たとえば私の住む北海道が全国への食料供給の一翼を担うといった形になっているが、1つの街に農業や漁業、製造業や販売業、サービス業がギュッと詰まった自己完結型の作りを新しい都市計画の方向性にすべきだろう。

都市の中でも人と人の接触を最小限にするビジネスのあり方を考える必要がある。リモート会議や在宅勤務などは中期だけでなく長期的にも続けなければならない。

移動というものも根本的に考え直す必要があるだろう。これまで、移動は個人の自由という観念で考えられてきた。ほかの地域との出入りは保障されている人の権利の一部だ。ただこの自由は制御されたうえでの自由にならなければいけないのかもしれない。

たとえば、ビザ(査証)のようなものが考えられる。社会経済活動を維持するうえで本当に必要なビジネス渡航や留学などと、お金さえあれば自分の嗜好性で何回でも海外旅行に行くといったものに対し、トップダウンで一定の峻別・制御を行うイメージだ。

海外旅行は年3回まで、4回目以降は税金などのコストを課して抑制するという手法もありえる。

電車が3分遅れただけでお客さんが怒っているのは東京だけだ。ドイツでは2~3時間遅れてもみんな平気で、コーヒーを飲んで待っていた。都市が便利なことは素晴らしく、東京はその中でも便利すぎるほど便利だが、そうしたことが変化することも考える必要があるのかもしれない。

◆産業への影響
これまで、地産地消やスローライフなどが、エネルギー消費抑制や地方創生、食料問題、サプライチェーン見直し、IT活用や働き方改革などの視点から語られてきた。これらは感染症に強い街づくりと親和性が高い。しかし、グローバル化や国際分業を重視し、自由や個人の権利を尊重する人たちからはネガティブな反応が出るだろう。

ただ、産業界全体がダメージを受けることはない。それに現在の交通ネットワークを捨ててしまうのではなく、感染リスクを高めない形で分業的な生産体制や物流を維持・拡大する代替策を考えていく必要がある。
また、一定程度分業的な産業体制は縮小と転換を迫られるために、職や立場を失う人もいるだろう。そこで危険なのは不利益を被る人がいるからやめよう。などという議論だ。そうではなく、リスク観点から変わるべき部分は変えるべきだ。必要なのは変化対応のための保障や支援だ。現状をそのまま維持することではない。

物議を醸しているGo Toキャンペーン。
皆さんは疑問ではないだろうか。
これだけ感染リスクが高まっている中で、東京を除外したとしてもコロナ以前のような、
人の移動と消費の促進をさせたがる政府。企業。

旅行関連事業者の経済的安定のためだという主張があるが、そもそも人の移動というリスクや不確実な要素がなければ人の生活が成り立たない社会システム自体の欠陥であるとは思わないのだろうか。

銀行の信用創造や株式のシステムも同様だ。
これらは、常に資本の無限の成長を前提に設計されている。

しかしいま必要なのは、人の移動と生産消費廃棄という経済活動を最低限まで抑制することだ。
経済的にマイナス、縮小を望むことだ。

しかし現代の資本主義システムのままでは、それらを実現することは難しいだろう。

根本的な原因、仕組みに目を向け、
本当に必要な変化を、行動を起こそう。


これまでに試みられては挫折してきた地方分散についてもっと書きたいところだったが、またの機会に。

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