🛠分業が前提になっているデザインパターン

"分業が前提"という観点から見ると、それは特定の役割や責任をコンポーネントやオブジェクトに分配するパターンを指していると思われます。そのようなパターンのいくつかを以下に示します。

  1. Facadeパターン(ファサードパターン): ファサードパターンは、システムの特定の部分に対する単純化されたインターフェースを提供します。これは、クライアントが複雑なシステムと直接対話するのではなく、ファサードを介してシステムと対話することを可能にします。

  2. Strategyパターン(ストラテジーパターン): ストラテジーパターンは、アルゴリズムを定義し、それぞれを別々のオブジェクトにカプセル化します。これにより、アルゴリズムを独立して交換可能にし、クライアントがアルゴリズムを選択できるようにします。

  3. Observerパターン(オブザーバパターン): オブザーバパターンは、あるオブジェクト(主題)が状態を変更したときに他のオブジェクト(観察者)に通知するという関係を設定します。これにより、一つのクラスが変更を通知する役割を果たし、他のクラスがこれらの変更を監視する役割を果たします。

  4. Decoratorパターン(デコレータパターン): デコレータパターンは、オブジェクトに動的に新しい責任を追加するためのパターンです。これにより、サブクラス化を使って機能を拡張する代わりに、より柔軟な方法でオブジェクトの機能を追加または変更できます。

これらのパターンは、オブジェクト指向プログラミングの原則である「単一責任の原則」を反映しています。これは、クラスやモジュール、関数は一つの責任を持つべきであり、その責任は完全にカプセル化されるべきだという考え方です。

デザインパターンの多くは、何らかの形で分業を前提としていることが多いのですが、それにもかかわらず、一部のパターンは「分業」よりも「構造」や「振る舞い」の観点に重点を置いています。

それらのパターンのいくつかを以下に示します:

  1. Singletonパターン(シングルトンパターン): シングルトンパターンは、特定のクラスのインスタンスが1つだけ存在することを保証するためのパターンです。シングルトンパターンは主に、全体のシステムで共有されるリソースやサービスに使用されます。

  2. Flyweightパターン(フライウェイトパターン): フライウェイトパターンは、大量の似たようなオブジェクトが必要な場合に、メモリ使用量を最小限に抑えるためのパターンです。オブジェクトの共有により、それらのオブジェクトが消費するメモリの量を削減することが可能です。

  3. Chain of Responsibilityパターン(チェイン・オブ・レスポンシビリティパターン): このパターンは、要求を1つ以上のオブジェクトにパスするための線形なチェインを作成します。各オブジェクトは要求を処理するか、それをチェイン内の次のオブジェクトにパスします。このパターンは、送信者と受信者の間の結合を避け、要求を処理するオブジェクトを動的に指定できるようにします。

これらのパターンは、「分業」よりも他の概念に重点を置いているといえます。

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