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🪐宇宙が単一の電子から構成されている仮説 ホイーラー無宿 The one-electron universe単一電子宇宙仮説

「単一電子宇宙仮説」というのは、物理学者ジョン・ホイーラーが提唱した面白い思考実験の一つです。この仮説は、宇宙中のすべての電子と陽電子が実は同一の存在、つまり「一つの電子」が時間を前後に行き来することで無数に見えるというものです。ホイーラーは、このアイデアを理論物理学者リチャード・ファインマンに話したところ、ファインマンはそれを時間の矢と関連付けてさらに発展させました。この仮説は実験的に支持されているわけではありませんが、量子物理学の奇妙さを示す興味深い例としてよく引用されます。



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とにかくウィーラー(ホイーラー)の話が奇抜

「ファインマン」とホイーラーがいった。「なぜ電子がすべて同じ電荷と同じ質量をもっているかがわかったよ。」
「なぜです」とファインマンがきいた
「それは電子はすべて同じ一つの電子なんだ。」
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殆どマークトゥエインの不思議な少年級のびっくり

  コスモを爆発させたようなオチ

「しかし先生、陽電子の数は電子ほど多くありません。」「そうだな」とウィーラーは反論した。「たぶん陽子やら何やらの中にかくれているんだよ。」

か、かくれてる、カワイイ

ジョン・アーチボルト・ウィーラー(John Archibald Wheeler、1911年7月9日 - 2008年4月13日)は、アメリカの理論物理学者である。第二次世界大戦後、アメリカにおいて一般相対性理論への関心を再び高めたことに大きく貢献した。また、ニールス・ボーアと共同で核分裂の基本原理を解明した。グレゴリー・ブライトと共同でブライト・ホイーラー過程の概念を提唱した。20世紀初頭にすでに予測されていた重力崩壊を起こす天体に対して「ブラックホール」[1]という言葉を広めたこと、「量子泡」「中性子モデレータ」「ワームホール」「it from bit」という言葉を考案したこと、「1電子宇宙」という仮説を立てたことなどでよく知られている。
ジョンズ・ホプキンス大学でカール・ヘルツフェルドの指導のもとに博士号を取得し、国家研究会議フェローシップでブライトとボーアのもとで研究を行った。1939年には、ボーアと共同で、核分裂のメカニズムを説明するために液滴モデルを使った一連の論文を執筆した。第二次世界大戦中は、シカゴのマンハッタン計画の冶金研究所で原子炉の設計に携わり、その後ワシントン州リッチランドのハンフォードサイトでデュポン社の原子炉の製造に携わった。戦争が終わるとプリンストン大学に戻ったが、1950年代初頭に水爆の設計と製造に携わるため、再び政府の仕事に戻った。
1938年にプリンストン大学に入学し、1976年に退官するまで、物理学の教授として活躍した。プリンストン大学では、46人の博士課程の学生を指導し、これはプリンストン大学物理学部の他のどの教授よりも多い。

https://en.wikipedia.org/wiki/John_Archibald_Wheeler

単一電子宇宙仮説が荒唐無稽と見なされる主な理由:

  1. 物理的証拠の欠如: この仮説は、科学的な実験や観測によって裏付けられていません。科学的理論は通常、観測可能な現象を予測し、実験によって検証可能でなければなりませんが、単一電子仮説はそのような証拠を欠いています。

  2. 基本粒子の多様性: 実際の宇宙では、電子だけでなく多くの異なる種類の基本粒子が存在しています。もし宇宙にただ一つの電子が存在するとしたら、他の粒子(例えばクォークやニュートリノ)の存在をどのように説明するのか、この仮説では答えがありません。

  3. 相対論との矛盾: 単一の電子が時間を超えて存在するという考えは、アインシュタインの相対性理論と矛盾する可能性があります。特に、情報や物体が光速を超えて移動することは相対性理論によって否定されています。

  4. 統計力学との不整合: 電子がすべて同一であるとすると、様々な物理的状態における電子の統計的振る舞いを説明することができません。物理学では、粒子の集合体が示す統計的な性質はその粒子の多様性に依存します。

この仮説は、もともとジョン・ホイーラーが提唱した際にも、真剣な科学理論というよりは、「科学的な想像力を刺激するための思考実験」として提案されました。そのため、実際の物理学の理論として扱われることはほとんどありません。

単一電子宇宙仮説が科学的理論として成立するためには、以下のような基本的な物理法則が再検討され、場合によっては覆される必要があります:

  1. 因果律の見直し: 単一の電子が時間を逆行するという考えは、因果律に反します。因果律は物理法則の基本的な前提の一つであり、原因が結果に先行するという概念を基にしています。この仮説が正しいとすると、時間に関する我々の理解を根本から見直す必要があります。

  2. 相対性理論の修正: 電子が過去と未来を自由に行き来できるという概念は、特殊相対性理論の枠組みに収まりません。相対性理論によれば、情報や物体が時間を逆行することは禁じられています。この理論の根本的な部分を変更しなければ、単一電子仮説を支持することはできません。

  3. 全ての粒子が電子であることの証明: 宇宙に存在する基本粒子が電子のみであるという証明が必要です。現在の物理学では多種多様な粒子が存在すると認識されており、これらの存在を否定する強力な証拠が必要になります。

  4. 量子力学との整合性: 量子力学では、粒子の振る舞いは確率的であり、多くの異なる状態を同時に取ることが可能です(量子重ね合わせ)。単一の電子が全ての電子の振る舞いを説明するには、量子力学の基本的な原理に対する大幅な修正が必要です。

  5. 新しい物理法則の発見: 単一電子が存在するための新しい物理法則や原理が発見される必要があります。これは、現在知られているどの科学理論にも当てはまらない、全く新しい種類の現象を示すものでなければなりません。

これらの条件は極めて厳しく、現在の物理学の枠組み内ではほぼ不可能に近いため、単一電子宇宙仮説は科学的な理論として認められることは難しいでしょう。

単一電子宇宙仮説のように「一見多数に見えるものが実際は一つである」という考え方は、他にもいくつかの哲学的および科学的アイデアに見ることができます。これらはしばしば、宇宙の本質を異なる角度から捉える試みです。以下にいくつか例を挙げます:

  1. ホログラフィック原理: 物理学におけるホログラフィック原理は、宇宙の全情報が実際にはより低い次元の境界に格納されているという考え方です。これによれば、我々が知覚する3次元の宇宙は、その表面に記録された2次元の情報から投影されたものかもしれません。これは、宇宙の大規模な構造を理解しようとする試みの中で提唱されています。

  2. 弦理論におけるブレーン: 弦理論における一部のモデルでは、「ブレーン(brane)」と呼ばれる多次元の空間が存在し、我々の宇宙はそのブレーンの一部に過ぎない可能性があります。この理論では、宇宙内のすべての物質と力は高次元のブレーン上に存在しているとされ、それが多様な物理現象を生み出しています。

  3. プラトンのイデア論: 哲学的な観点からは、プラトンのイデア論が似た考えを提供します。プラトンは、我々が感覚で捉える多様な物事は、実際には完璧な形や本質の反映に過ぎないと考えました。この完璧な形や本質(イデア)は、感覚世界において多様な形で現れるものの、本質的には一つです。

  4. 量子もつれ: 量子力学における「量子もつれ」という現象も、異なる位置にある粒子が実は密接に相互作用している一つの量子状態の表れであると解釈することができます。この現象では、複数の粒子がそれぞれ独立した存在として振る舞うように見えますが、実際には一つの絡み合った状態にあります。

これらの理論や哲学は、現実の多様性の背後に一つの統一された原理や存在があるという共通のテーマを探求しており、単一電子宇宙仮説と同様に、我々の宇宙の理解を深めるための思考実験として興味深いものです。

単一電子宇宙仮説の概念を1950年代の雑誌として想像したビンテージイラスト。画像には、輝く活発な粒子として表現された単一の電子が、さまざまな時代や設定を横断する一連の時間のループを通じて移動しています。これらのループは電子の時間を通じた往復の旅を表しています。背景は1950年代の雑誌の印刷物の質感でスタイリングされており、当時の特徴的なやや色あせた色とドットマトリクスの印刷効果が含まれています。全体的な雰囲気はノスタルジックで科学的です。


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