☣️サイエンス1971年
P 11(別冊09)「レーザー光線による核融合」
M.J.ルビン/A.P.フラース
レーザー光線を点火に用いると,特定の磁場なしに制御核融合反応をおこすことができる。
レーザー光線を用いた核融合は、高エネルギーのレーザー光を小さな燃料ペレットに集中させることによって、核融合を引き起こす手法の一つです。このプロセスは、主に「慣性閉じ込め核融合(Inertial Confinement Fusion, ICF)」として知られています。ここでは、その基本的な原理とプロセスを説明します。
基本原理
燃料ペレット: 核融合の燃料として、重水素と三重水素(デュタリウムとトリチウム)が用いられます。これらは水素の同位体で、核融合反応を引き起こしやすい性質を持っています。
高エネルギーレーザー: 燃料ペレットに対して、非常に強力なレーザー光が照射されます。このレーザー光はペレットを加熱し、圧縮するために用いられます。
圧縮と加熱: レーザー光によってペレットが急激に圧縮されると、中心部の温度と圧力が極端に高まります。この極端な状態で、核融合反応が発生します。
核融合反応: デュタリウムとトリチウムの核が融合し、ヘリウムの核と中性子が生成されます。この反応は大量のエネルギーを放出します。
プロセスと応用
プロセス: レーザーによる核融合は、燃料ペレットへのレーザーの集中照射から始まります。ペレットは急速に圧縮され、高温と高圧の環境が作り出されます。この状態で核融合が起こり、エネルギーが放出されます。
エネルギー生産: 理論上、レーザー核融合はクリーンなエネルギー源として利用できます。核融合反応は炭素排出を伴わず、放射性廃棄物も少ないため、将来的なエネルギー生産の方法として注目されています。
研究と開発: 現在、レーザー核融合は研究段階にあり、商業的なエネルギー生産には至っていません。主な課題は、持続可能な核融合反応を達成し、投入したエネルギーよりも多くのエネルギーを得ることです。
研究施設: この技術の研究は、世界中のいくつかの高度な施設で行われています。例えば、アメリカの国立点火施設(National Ignition Facility)や、フランスのレーザーメガジュール施設などがあります。
P24(別冊10)「眼球運動と視覚のメカニズム」
D.ノートン/L.ストーク
眼がどのように像を認識するかを追跡することによって,視覚のメカニズムが解明できる。
P34(別冊79)「ロス地震と耐震構造」
武藤清
ロサンゼルス大地震に耐えた「カジマビル」の震動分析は,耐震構造の研究に新紀元を画す。
P54(別冊12)「陽子と中性子をこわす」
H.W.ケンダル/W.パノフスキー
陽子と中性子もその内部構造は決して単純でなく,もっと小さな物質からなっているらしい。
P76(別冊13)「記憶装置の革命的な新材料」
A.H.ボベック/H.E.D.スコビル
マグネティック・バブル(磁気のあわ)はコンピューターの記憶素子として脚光をあびてきた
<磁気バブル>。
P92「ウイルス感染を防ぐインターフェロン」
M.R.ヒルマン/A.A.ティテル
組織細胞からつくられる不思議な物質インターフェロンはウイルスに対して抵抗性が強い。
P100(別冊03))「超新星爆発と星の進」
P.ゴーレンシュタイン/W.タッカー
銀河系にみられる巨大な輝くガス星雲の観測から超新星の爆発にさかのぼることができる。
P114「脳のなかの神経回路」
L.ハイマー
染色法や顕微鏡による新技術の開発は,脳細胞の結びつきや情報伝達回路を明らかにした。
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