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TODD MCFARLANE
1988年、マクファーレンは、298号からマーベルの『アメイジング・スパイダーマン』でライターのデヴィッド・ミシュリニーに加わり、インクレディブル・ハルクのページの裏にその表紙のイメージの下絵を描いた[21]。マクファーレンは、スパイダーマンの空中ウェブ・スウィングをよりダイナミックなポーズで描き、キャラクターのマスクの目を大きくし、アートワークをより詳細に表現したことで注目を集めた。特に、スパイダーマンのウェビングに施された精巧なディテール。それまでは基本的に2本の線の間の一連のXとして描かれていたが、マクファーレンははるかに多くの個々の繊維を詳細に描くことによってそれを装飾し、それは「スパゲッティ・ウェビング」と呼ばれるようになった[4][22][23]。マクファーレンは、悪役ヴェノムのオリジナルの化身であるエディ・ブロックの最初の完全な姿を描いた。彼はこのキャラクターの共同制作者としてクレジットされているが、これはコミック業界内で論争の的となっている(Eddie Brock: Creation and conceptionを参照)[24][25][26]。
マクファーレンの『アメイジング・スパイダーマン』での仕事は、彼を業界のスーパースターにした[23]。 例えば、1989 年に 700 ドルで支払われた『アメイジング・スパイダーマン』第 313 号の表紙絵は、後に 2010 年に 71,200 ドルで落札されることになる[27]。 マクファーレンのディテールを多用した作風を批判した一人は、『コミックス・ジャーナル』編集者のゲイリー・グロースであり、彼は 2017 年のインタビューでマクファーレンについて「彼にはビジュアル・スタイリストとしての本物の美点がない。彼の作品はあまりにも過剰に装飾されているため、構図がほとんど読めないほど混沌として雑然としているという事実を覆い隠している。彼はマンガの技巧を学ぶことはなかった。
アメイジング・スパイダーマン』の連載中、マクファーレンは、ストーリーの方向性についてもっと発言したいと思うようになり、自分の作品をコントロールできないことに次第に不満を抱くようになった。1990年、『アメイジング・スパイダーマン』を28号まで担当した後、マクファーレンは編集者のジム・サリクラップに自分のストーリーを書きたいと告げ、その年の全社的なクロスオーバー・ストーリー『Acts of Vengeance(復讐の行為)』の一部であった328号でこの本を去ることにした。2012年7月、スパイダーマンがハルクを退治しているその号の表紙の原画は、アメリカンコミックのアート作品としては史上最高のオークション価格である657,250米ドルで落札された。
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