山火事によるCO₂排出量

山火事によるCO₂排出量が各国の排出量や京都議定書の基準と比較してどれほどの規模かについて、以下で説明します。


1. 各国の年間CO₂排出量と比較

  • **オーストラリアの山火事(2019-2020年)**では約 7億1500万トン(715 Mt) のCO₂が放出されました。

    • これは、ドイツの年間排出量(約7億6200万トン: 2021年データ)に匹敵します。

    • 一国全体の排出量に匹敵する規模であり、特に中規模排出国と同等です。

  • **カナダの山火事(2023年)**では約 6億4700万トン(647 Mt) のCO₂が排出されました。

    • これは、カナダ自身の年間排出量(2021年:約6億7000万トン)とほぼ同じ規模です。

    • フランスの年間排出量(約3億5000万トン)の約2倍に相当します。


2. 京都議定書での削減目標と比較

  • 京都議定書(1997年)は、先進国に対し、1990年比で平均5%の温室効果ガス削減を求めています。

    • 先進国全体の1990年排出量は約130億トン(13 Gt)程度。

    • 山火事1件による排出量(6億~7億トン)は、先進国全体の削減目標の約4~5%に相当します。


3. グローバルな年間排出量との比較

  • 世界全体の年間CO₂排出量は、2021年時点で約 364億トン(36.4 Gt)

    • 山火事による排出量(6億~7億トン)は、世界全体の年間排出量の 約1.7~2% に相当します。

    • 一見小さく見えますが、これは非常に短期間に発生するため、地域の環境や気候に与える影響は大きいです。


まとめ

山火事によるCO₂排出量は、中規模な排出国の年間排出量に匹敵し、京都議定書の削減目標の達成を大きく妨げる可能性があります。また、これらの排出量は一時的なものでありながら、自然の炭素吸収能力を破壊する(森林が燃える)という二重の影響を持つため、地球温暖化への影響が特に深刻です。

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