☕Jcrとipfsの違い
JCR (Java Content Repository) と IPFS (InterPlanetary File System) は、それぞれ異なる目的と機能を持つ技術であり、直接的には関連していないものです。
JCRは、階層型のデータモデルを持つコンテンツリポジトリの仕様で、主にCMS (コンテンツ管理システム) やDMS (ドキュメント管理システム) でのコンテンツの管理や保存のためのものです。一方、IPFSは分散型のファイルシステムで、Webのデータの永続性と高可用性を目的とした技術です。
JCRを使用するシステム(例:AEM)がIPFSを活用することは技術的に可能です。たとえば、コンテンツのバックアップや分散ストレージとしてIPFSを使用することなどが考えられます。しかし、これら二つの技術が直接結びついているわけではありません。
つまり、JCRの使用がIPFSに直接的な影響を与えることはありません。ただし、独立した技術として、特定のアプリケーションやソリューションで連携して使用される可能性はあります。
IPFSは、既存のP2P技術や分散技術のアイディアに触発されて設計されました。BitTorrentは、その中でも特に影響を与えた技術の1つです。IPFSとBitTorrentの間の類似性と相違点について説明します。
類似点:
ピアツーピアのアーキテクチャ: 両者ともピアツーピアのアーキテクチャを採用しており、各ノードがデータの断片を保持して、それを他のノードと共有します。
内容ベースのアドレッシング: IPFSのCIDやBitTorrentのinfo hashのように、データの内容に基づいてユニークなハッシュを生成し、それをデータのアドレスとして使用する方法を採用しています。
相違点:
データの構造:
BitTorrent: ファイルやフォルダはトレントとしてグループ化され、各トレントは一連のブロックに分割されます。
IPFS: データはMerkle DAGという特定のデータ構造に基づいてブロックに分割されます。これにより、効率的なデータの取得と検証が可能となります。
データの発見と取得:
BitTorrent: ピアはトラッカーサーバーやDHTを使用してデータの位置を発見します。
IPFS: DHT (分散ハッシュテーブル) を使用してデータの位置を探し、それを取得します。
データの永続性:
BitTorrent: トレントのシーダーがオフラインになると、そのトレントのデータは利用できなくなる可能性があります。
IPFS: Filecoinという組み込みのインセンティブシステムを使用して、データの永続的な保存を奨励しています。
目的:
BitTorrent: 主に大きなファイルを高速に配布することを目的としています。
IPFS: 分散型ウェブの構築を目的としており、ウェブページやアプリケーションのコンテンツを分散して保存することができます。
IPFS(InterPlanetary File System)は、分散型ファイルシステムであり、Webのデータとアプリケーションをピアツーピアの方法で保存および取得するためのプロトコルです。以下は、IPFSの主な仕様概要とURLや識別子に関する仕組みです。
IPFSの仕様概要:
内容ベースのアドレッシング: IPFSは、データの内容に基づいてデータをアドレスする方法を使用しています。これは、データのハッシュを取得し、そのハッシュをデータのアドレスとして使用することによって実現されます。
ブロックのストレージ: IPFSは、データをブロックとして保存します。各ブロックには、そのブロックの内容から計算されるユニークなハッシュがあります。
分散ハッシュテーブル: IPFSは、データの配置を追跡するために分散ハッシュテーブル(DHT)を使用しています。これにより、任意のピアがネットワーク上のデータを効果的に検索できます。
URLや識別子に関する仕組み:
CID(Content Identifier): IPFSの中核となるのはCIDというコンテンツ識別子です。CIDは、データのハッシュを含むグローバルでユニークな識別子です。CIDには、ハッシュの生成に使用されるアルゴリズムの情報も含まれます。
例: QmYwAPJzv5CZsnA625s3Xf2nemtYgPpHdWEz79ojWnPbdG このような文字列は、IPFS上の特定のデータを指すCIDです。
IPFSパス: IPFSのリソースは、/ipfs/{CID}の形式のパスで参照されます。このパスは、ブラウザーやIPFSのコマンドラインツールで使用される場合があります。
このように、IPFSは内容ベースのアドレッシングとCIDを中心とした独自の識別子システムを採用しており、これによりデータの冗長性、持続性、および分散アクセスが向上しています。
FilecoinはIPFSベースの協調型ストレージクラウドで、同じくProtocol Labsによって開発された[13]。
Cloudflareは、ローカルノードを必要とせずにIPFSへのアクセスを簡素化、高速化、安全化する分散型ウェブゲートウェイを運営している[14]。
Microsoftの自己主権型IDシステムであるMicrosoft IONは、Sidetree[15]ベースのDIDネットワークを通じてビットコインブロックチェーンとIPFSを基盤としている[16]。
シャドウ・ライブラリーであるAnna's ArchiveとLibrary GenesisもIPFSを介して書籍を配信しており[17][18][19]、人類最大の書籍ライブラリーをよりレジリエントにすることを可能にしている。
BraveはOrigin ProtocolとIPFSを使って分散型商品ストアをホストしており[20]、2021年にはブラウザにもサポートを追加した[21]。
Android版OperaはIPFSをデフォルトでサポートしており、モバイルユーザーがipfs://リンクをブラウズしてIPFSネットワーク上のデータにアクセスすることを可能にしている[22]。
Superhighway84は、IPFSベースのユーズネットのようなディスカッションシステムである。
Filebase は地理的に冗長な IPFS Pinning Service で、各ファイルを IPFS ネットワークにピン留めし、3 つの冗長コピーをさまざまな場所に保存する。