梅雨明けした日に思うこと
(文責︰はむすた)
8月1日、気象庁は、関東甲信地方が梅雨明けしたとみられると発表した。
名実ともに夏が始まった。
朝から日差しが照り付けて、8月1日の東京都心の最高気温は31.8℃。
突然真夏の洗礼を受けた友人が
「梅雨明けした途端に暑くなって、こんなことなら雨降っててもいいから涼しい方がよかったなんて思うのは勝手かなぁ」
と連絡してきたが、勝手なのは「梅雨の方がよかった」と思うことではなく、梅雨の間は涼しかったと思っていることである。
確かに東京都心では7月1日から18日まで毎日0.5ミリ以上の雨が観測されて史上最長を記録したし、7月の平均気温は平年を下回ったが、その中でも多少なりとも晴れ間の出た日はおおむね気温が30度を超えていて、週によっては熱中症とみられる症状による救急搬送者数が東京都だけで100人程度、全国では1000人程度にまで達しているわけである。
十分危険な暑さだ。
しかし、これから「もっと危険な」暑さがやってくることに間違いはない。
梅雨が明けて太平洋高気圧が安定的に日本列島を覆うようになった今、暑さが「継続」しやすくなったのである。
たとえ体力に自信があっても、そして今まで一度も熱中症になったことがなくても、熱中症と無縁ではいられない。
豪雨災害によって日本で命を落とす人は、多い年でも数百人規模だが、熱中症で亡くなる人は余裕で1000人を超える年が多い。
熱中症は、日本人の命を最も多く奪う「気象災害」だ。
ちなみに、熱中症を防ぐための画期的な対策というのは存在しない。
「水分をこまめに補給する」、「適切に冷房を使用する」、「作業や運動は無理をしない」という、数万回くらい聞いたことがありそうな「超普通の」対策をするしかないので、全然面白くないしツイッターやインスタのネタにもならない。
しかし、面白くないからといって対策をサボると、いつか救急車のお世話になって、ただでさえ忙しい救急隊員や病院の医療従事者の方々に迷惑をかけることになる。
特に今年、医療現場は経験がないほど厳しい状況に置かれているわけだから、なおさら迷惑はかけたくない。
もう一点、梅雨明けした今、気を付けたいのが台風だ。
現在、石垣島近海で発達中の台風4号は今のところ、本州付近への直接的な影響はなさそうだが、8月は例年、台風の発生も接近も上陸もピークを迎える。
梅雨が終わって晴れる日が多くなったからといって天気予報をチェックしない日が続くと、これまた痛い目に遭うことになるのだ。
始まったばかりの「夏」、「こまめに水分を補給する」とか「天気予報を確認する」とか、「超普通」でつまらない対策を地道に続けることで、自分の身は自分で守っていきたい。