世界観 ショートショート#26
先々週、私はある作品をコンクールに応募した。
作品は夏祭りの花火を描いたもの。
提出した直後は反省しかなかった。
塗り方や構図、何から何まで反省ばかり…
でも、今は謎の自信が湧いてきている。
(手応えはあった…
もしかしたら入賞してるかも!
いやいや、期待しすぎたらダメよ。
いやでも…やっぱり結構良かったし
金賞だってありえる!)
考えれば考えるほど期待は大きくなる。
今日は結果発表日!
学校があるので結果は学校が終わってからになる
家に帰るのが待ち遠しい。
(あと1時間だ!早く見たいなぁ…)
下校のチャイムが鳴る。
それと同時に廊下をダッシュして駐輪場へ。
真っ先に自転車にのりペダルを漕ぐ。
体が浮くような感覚。
それは自転車が速いからか。
それとも緊張からなのか。
そんなことも考えながらペダルを漕いでいると
いつの間にか家についていた。
汗をビッショリかきながら家の鍵を開ける。
いつもは家に帰ってきたら一番に手を洗うが、
そんなのは後回しでスマホに手を伸ばす。
コンクールの結果は金賞、銀賞、銅賞、残念賞
で表示される。
なんとも簡素な結果発表。
メールを確認する。
そこには一件のメールがあった。
押す直前に緊張が込み上げたが、すぐに自信に 変わり、メールを確認する。
表示されたのは○○○だった。
残酷な3文字。
見間違えと思うにはその"3文字"という事実が
そうさせてくれなかった。
そしてそこには1文添えられていた。
『惜しい!少しテーマがありきたりでしたね。』
…なんなんだよ…
前のコンクールではテーマが独特過ぎるって
言ってたじゃないか。