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男性博士学生の改姓手続きメモ
状況
同じ所属で同学年で修士卒業月(2024年3月)に入籍、どちらも博士に進学。
夫が改姓。大それた理由はなくノリで決めた。夫は今後も旧姓で研究活動を行う。
どちらも自然言語処理の研究に従事。
この記事の筆者は妻
注意
旧姓利用の可否は機関によって対応が異なる上に、多くはインターネットで調べても答えを見つけるのが難しい。本記事は、その中で著者らの状況下で必要な情報を中心に可能な範囲で調べた情報をまとめたものであり、記載されている情報が必ず正しい情報であることは保証していない。
銀行
一般論:
旧姓利用の可否について、主に、旧姓での口座開設可否、旧姓での口座利用可否、振り込み引き落としの名義変更の可否の3種類に分けることができる。
NISA口座や投信口座を持つ銀行は旧姓での口座利用が不可(という認識ですがもし可能という情報があれば教えてください)
クレジットカードの引き落とし先になっている銀行は、旧姓での口座利用可かつ下記のいずれかでない限り旧姓利用が不可のため、クレカの引き落としに使っているようなメインバンクは旧姓の維持が容易ではない
クレジットカードが旧姓での口座利用可(クレカ:旧姓・銀行:旧姓)
クレジットカードを旧姓で利用するのは不可能ではないが推奨されていない(詳しくはクレカ節にて)
クレジットカードの名義と口座の名義のが一致していなくても引き落としが可(クレカ:新姓・銀行:旧姓)
不一致でも引き落としが可能であると書いてある金融機関はインターネットで検索して見つけられなかった
引き落とし先を変更する
著者の夫の場合:一部旧姓口座を残したい→旧姓での口座利用可否を知りたい
なぜ:所属機関によっては、そこで旧姓を使い続ける場合に、口座が新姓だと出張費の振込の度に名義が異なる理由書を書く必要があると聞いた(弊学は問題なかったが今後の所属機関では不明)。
どうしたか:投信口座かつメインの銀行は名義変更
旧姓利用の可否:銀行によって対応が異なる。FAQを見ても明記されているところは少ない。オペレーター自身がよくわかっていないことも。以下は調べた銀行
三井住友銀行:問い合わせた。口座が旧姓での使用不可。振り込み
三菱UFJ銀行:NISA口座があり改姓しないといけなかった
楽天銀行:電話により旧姓で口座が作れる
ゆうちょ銀行:問い合わせていないが、2024年10月に旧姓での口座利用が可能になったという情報あり
ソニー銀行:口座が旧姓での使用不可だが、振り込み引き落としの名義変更は可能という情報あり。
ネットを見ている限り主観的にはメガバンクより地方銀行は対応が柔軟そうな印象(口座を持っていないのでわからない)
2022年時点で7割の銀行は旧姓による新規口座開設が可能という内閣府の調査があるが、メガバンクではなく地方銀行が多いと推測できる
NISA口座:戸籍名登録が必要
三菱UFJ:
新旧姓の印鑑や通帳が必要
webで来店予約したところ、最寄りの銀行が1ヶ月半以上全ての予約スロットが埋まっていたので困った
クレカ
WIP
パスポート
本籍の県庁所在地 or 姓が変わったら変更が必要 (6000円?)
本籍を妻の旧本籍の県庁所在地にしたので妻は変更の必要なかった
旧姓併記は可能だがパスポートに埋め込められる情報は新姓のみで、入国審査などで余計に煩雑になりそうなため新姓のみにした
市民サービス
住民票
旧姓併記を申請可能
住民税: WIP
年金: WIP
所属機関での手続き
弊学
改姓届
旧姓等使用願出書
学生証:旧姓併記、頼んだら発行してくれた
所属機関が(今年は)他に5つほどあり、各機関の非常勤先の旧姓利用の対応はまちまち
例えば、勤務表は?給与明細は?講師のシラバスは?給与振り込みの名義は?などが機関によって異なり毎回事務方に聞くことになる。事務方も対応に知らないことが多い
国際学会
研究活動:旧姓
論文:旧姓
学会の参加登録:旧姓
パスポートとその提示が必要なもの:新姓
航空券:新姓
ホテル:新姓
筆者らの分野の学会では、参加者限定で割引されるホテルがある。現時点では、参加登録とホテルの氏名が一致するか確認はされない
*旧姓の併記をする場合:外務省によるパスポートの別名併記に関する英語説明リーフレットが存在するらしい(これで本当に解決するのかは不明)
入国審査時に渡航目的を聞かれる際に、どの学会に参加するかはよく聞かれる。今までに発生したことはないが、あなたがそれに参加している証拠を見せてほしいともし言われた時に、論文名や参加登録名がパスポートの名前と違うことに詰められる可能性があり心配
精算:
大学によっては、旧姓を使い続ける場合に、渡航費の振込の度に、口座が新姓だと名義が異なる理由書を書く必要があるらしい。
印鑑
銀行の名義の変更時に必要
アスクルとかで頼むと即日発送される
特許
旧姓時に特許の申請をした。旧姓で活動するので現時点では問題ない。
結婚してからだと戸籍上の氏名を記載する必要があるが、旧姓併記もできるらしい
その他
TOEICは戸籍の氏名で申し込まないといけないし証明書も戸籍の氏名でしか発行してくれない
お申し込みの際は、戸籍上の氏名でお申し込みください。 ※Official Score Certificate(公式認定証)は試験当日の戸籍上の氏名で発行いたします。
本籍はできるだけ多くの証明書をコンビニ交付サービスで発行できるところがおすすめ。都会だからこのサービスがあるというわけではない(例えば名古屋市は何も発行できない)のサービスのWebサイトで確認した方がいい。
利用登録申請はしてから発行できるようになるまでに5日ぐらいかかるらしい
基本的に日本で使う証明書は旧姓併記をし、使わない証明書はしなかった
パスポートは併記しても説明がややこしい気がしたのでしていない
住民票やマイナンバーカードは併記した
学生証は併記した
外資系の学割で学生証を照合しないといけない時に使えるかは不明
SheerIDは使えた
参考
https://hochiru.hatenablog.com/entry/bank-kyusei
最後に
本記事は、改姓をしたのは夫なのでできる限り事実ベースでまとめた
結論、著者らの現時点での状況下においてはぬるっと何とかなっている
だが機関によって旧姓への対応が全く異なる上に、ネットで調べても公式の情報が見つからないことが多いので、調べる認知負荷が高すぎる
だが状況が少しでも変われば困る可能性があることは容易に想像できる
妻にしかできないのは妊娠と出産だけと言われているように、改姓しない側も改姓する側の本人確認と以外は何でもできるので、当事者意識は大事