日本の景気対策に必要なのは、家計の支援よりUX教育なのかも。
観光地や街中には人出が戻り、都心のスタバは、早朝か夜遅くじゃない限り、いつ行ってもほぼ満席だ。(なので、日中、外出の行き帰りに、ちょっとスタバに寄って仕事をする、ということは、極めて難しくなっている。)
そして、いつも混んでるスタバの店内では、1杯600円前後するフラペチーノなんかを若い子たちが次々に頼んでいる。季節限定メニューも、発売からしばらくすると売り切れの店が続出する。
ポストコロナで急速に景気が回復したアメリカでは、物価も賃金も日本より遙かに高くなり、相対的に日本は貧乏になったとも言われているが、ことスタバのメニューを見る限り、フラペチーノは、ニューヨークでも$5前後だから、まあ似たような価格だ。それでも店は大繁盛。
先日、雨が降るとても寒い月曜日に、仕事で新宿に行く機会があり、途中で伊勢丹に立ち寄ってみたが、平日なのに、ここも店内は大賑わい。結構良いお値段がするカフェなんかも、入店待ちで入れない。
なんだ、みんな、結構、お金持ってるじゃん。
それでも、今の日本では、需要の不足が20兆円もあるので、何かしら「景気対策」をしないと、いつまでも景気は回復しないし、賃金も上がらないという。
これ、ちょっと不思議な感じはするけれど、実は「購買力」が不足しているんじゃなくて、人々が本当に欲しいと思うものが供給されていないと考えてみたらどうか。つまり「お金がなくて欲しいものが買えない人が多い」から需要が不足してるんじゃなくて、「人々が買いたいと思わないものがたくさん作られ、売られている」ために供給が過剰となっているだけなんじゃないかと。
この場合、確かに「供給>需要」ではあるけれど、減税や給付金で家計にお金を回してみても、買いたいものが無ければ貯蓄に回るだけで、一向に物価も賃金も上がらない。一方で、日本人に商品やサービスを提供できるのは、日本の企業だけじゃないので、アップルやスタバが、日本人の欲しい物を作れば、余ったお金はそっちに流れていく。
となると、日本の景気対策はかなり難しい。
消費者にお金を渡しても支出は増えない訳で、本当に必要なのは商品やサービスを供給する側(企業)が、人々が求める商品やサービスを、利用者視点で創り出せるようにすること。でも、それを政府の「景気対策」で解決するのは難しそうだ。
強いて言えば、昨今流行の「リスキリング」で、日本企業のビジネスパーソンに「顧客やユーザーの視点で物事を考えるスキル」を身につけるための教育支援をすれば、人々が財布のひもを緩めても良いと思う商品やサービスが生まれ、需要も増えていくのかな。
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