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2022J1第13節 湘南ベルマーレvs横浜F・マリノス プレビュー ~If You Throw Away Your Own Football~

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。
マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】


青人:
名古屋戦勝ててよかったですね!

赤松:
ほんとにな!

青人:
なんとか勝ち星を拾えましたが、ACL明けで疲労困憊だったとはいえ、かなり苦しみましたね。VARにも救われたし、、

赤松:
まあ難しい試合ではあったな。もう少し上手くやりたかったのはあると思う。
それでもざっくりゲームプランとしてはマリノスの狙い通りだったんじゃないかな。

青人:
たまたまじゃなくてですか?w

赤松:
もちろんw
やっぱり今のチームを見るには90分トータルで考えなくちゃいけない。要するに、交代枠をうまく使いながら戦うってことだね。徹頭徹尾相手を圧倒して勝てなかったとしても、90分間のうちどこかでマリノスが優位に立つ時間が必ずあって、そこで点を取って勝つ。今季はずっとそうやってきた。

青人:
でもマリノスがどこで優位を作れるかなんてわからないし、実際それが何分くらいかなんて相手との兼ね合いで変わりますよね?
試合によっては5分かもしれないし、20分かもしれないし、、それってかなり不確実じゃないですか?

赤松:
それを5人交代制というレギュレーションを利用して操ろうとしているのが今のマリノスだと思ってる。
例えば今回の名古屋戦、スタメンでロペスを右で使ったりしていたよね?

青人:
はい、でもあまり効果的な働きはできていなかったですよね?
ロペスを右に置くことによる旨味を享受できなかったというか。右サイドからコンビネーションで崩したり、良い形を表現できなかったじゃないですか?

赤松:
形か。ケヴィンははなからロペスと小池龍太がこう動いてチャンスを作るっていうデザインは仕込んでいないと思ってる。大事なのは、ロペスがどこにいて、そこから何が生まれるか。この試合の前半はロペスをはじめとした前線4枚が中央密集で近い距離でプレーしていたよね?

青人:
言われてみれば確かに、、

赤松:
ケヴィンがデザインしたのはそこまで。それによって、自然発生的に生まれるものがある。
特徴を持った選手たちが近い距離でプレーすることによって自然と攻撃が展開されるんだよ。例えば、誰がどこに立って、どうパスを繋いでゴールまで行くか、ケヴィンはそこまでを明示的にデザインしていない。

青人:
そこは選手の判断ってことですか?

赤松:
選手の特徴と判断かな。それらの相互作用によって自然と生み出されるチームプレーがあるよね。
そして相手と試合展開を見ながら人を変えることで、チームのプレーが変化し、相手に適応を迫る。そして優位に立つ。特に水沼宏太の投入タイミングと、それによって何が変わっているかは重要なポイントだよ。

青人:
なるほど。水沼宏太の投入によってペースを掴んだのは僕も感じていました。要するに、ロペスの右ウイング起用はフリとして効いてたってことですか?

赤松:
そういうことだね。

青人:
でもそれってロペス的には不本意なんじゃ?

赤松:
たしかに。そこは今後繰り返し起用するなかで本人も勘所を掴んでくるだろうし、「CFと何も変わらへんやないか」と気づいてくれると良いんだけどね。そこは本人の問題かな。今後が楽しみな部分だよ。

青人:
ロペスって関西弁なんすねw


【最近の湘南ベルマーレ】


青人:
さて、湘南戦です。昨季は1勝1分けで勝ち越してますが、かなり苦しんだ印象があります。

赤松:
そうだな。最近の湘南には苦戦するイメージあるわ。

青人:
現在は17位と降格圏にいらっしゃいます。
今季ここまでどんな感じですか?

赤松:
そもそも怪我人続きだってことと、あとはある程度自信を持って自分たちのサッカーに取り組んでいるんだけど、それがちょっとハマってないかな。

青人:
今季は主力の慰留にも成功して、わりと前評判は高かったですよね。なんでだろう、、?

赤松:
そうだね。例年なら目先の勝ち点を拾いに行くところを、スタイルにこだわっているからってのはあるかもしれないね。それは全然悪いことだと思わないけど。

青人:
実際どんなサッカーを目指しているんですか?

赤松:
5-3-2ベースなんだけど、ポゼッションベースのビルドアップから縦へのスピード感を全面に押し出したサッカーをするよ。まあ、今までの湘南のスタイルをより進化させたっていうのが正しいかな。

青人:
なるほど、かなり強そうです。

赤松:
でもね、ポゼッションベースなのにタメを作れないんだよ。

青人:
タメですか?

赤松:
要するに、自分たちでペースをコントロールできていないってとこかな?
当然相手はどこかでボールを奪いにくるわけだけど、ボールを逃がしてプレスをいなすってとこができていない。

青人:
プレスをいなすことができない?

赤松:
そう。ポゼッションすることの強みは、自分たちで攻撃のペースをコントロールできること。相手のプレスに対してベクトルをずらす、とかね。だけど、それができていないように見受けられる。
だから、相手のプレスに対して詰まったら強引に縦パスを入れる。でも受け手が準備できていなかったりして、ミスが起きやすいし、相手もいつ縦に入れてくるかわかりやすいからハメやすい。そしてカウンターを受ける。清水戦の前半はそんなサイクルで失点を重ねていた。

青人:
そっか、いつ縦にボールが出てくるかわかると相手は読みやすいですもんね。

赤松:
そう。逆に福岡戦の前半はかなり押し込んでチャンスも作れていたんだけど、それは福岡のサイドからじわじわ前進できていたからなんだよね。

青人:
福岡があまり前から行かなかったってことですか?

赤松:
そう。SHのクルークスのところで数的優位作って上手くやれてた。

青人:
なるほど、、逆に前から奪いに来る相手には分が悪いと?

赤松:
そうだね。まあこのチームが歩んできた道のりを考えればタメを作るとかはなかなか難しいだろうなとも思うし。

青人:
まあ、縦に速く!をずっとやってきたわけですしね。

赤松:
まさしく。とにかくロングボールを前線に当てて密集を作って縦へ!っていう湘南のスタイルが根付いているなかで、今やろうとしていることを体現するには、無意識的な部分も大きく変えなければならない。山口監督はかなりの難題にトライしているなと感じるよ。

青人:
たしかに、、根本から変えるのってかなり難しいですよね。

赤松:
そうね。だから色々ともがいているんだけど、なかなか結果が出ない。自分たちの良い時間帯も作れるけど、どこかで隙をつかれてやられてしまう。
今はほんとに悪戦苦闘の最中かな。最近だと、CFに町野ではなくウェリントンを起用することで、苦し紛れのロングボールを強引に収めてくれるターゲットを強化したいのかなって意図も感じるけど、、

青人:
試行錯誤はしてるけど茨の道ってわけですね。


【試合展開の予想】


青人:
そして迎える今回のマリノスとの試合ですが、どうなるんですかね?

赤松:
そうね、後ろで時間を作れない湘南ってとこでいうと、相手がボール持ったときは必然的にハイテンポになるよね。すぐ仕掛けてくるから。

青人:
あーたしかに。それってマリノス的には望ましい展開なんじゃ?

赤松:
間違いなく。ウイングのスピードが活きやすいし、今回は宮市がキーマンになりそうかな。彼はプレスのかけ方がマリノスではずば抜けて上手いから、特に湘南のビルドアップのキーマンである杉岡へのフォアチェックが有効になるだろうし。

青人:
ほう、宮市ですか。結果残してほしい!

赤松:
まあスタートから使うか途中から使うかはわからないけど、彼が活躍できる試合になりそうだなって思うよ。

青人:
楽しみです!

赤松:
まああと湘南的にはマリノスに対してハイテンポを挑むとどうなるかってのもわかってるはずだし、そろそろ目先の勝ち点を取らなきゃいけないって思考も働くはず。そこで、リスクを回避しつつ、自分たちが一番やりやすい方法をとることは容易に想像がつくよね。

青人:
えっと、どういうことですか?

赤松:
手段を選ばないってこと。今取り組んでいるスタイルで結果が出ないのなら、慣れ親しんだスタイルで当座の勝ち点を拾いに行く。つまり、昨季までやってた迷わずウェリントンめがけて放り込むやり方だよ。

青人:
それは、、嫌ですよね?
マリノス的には。

赤松:
うん、苦労しそうだね。
0-3とリードされた清水戦の後半に、割りきってこれをやってたんだけど、やっぱり強いんだよw
選手に迷いが消えて勢いも感じるし。

青人:
あーたしかに。こっちの方がリスクないんですか?

赤松:
うん。だってビルドアップの問題が解決するじゃん?
プレスかけられる前にウェリントンめがけてロングボールを送り込んで、そこに人を密集させる。今抱えている問題が即座に解決するのはこのやり方なんだよ。

青人:
そういうことか、、
ウェリントンを吹っ飛ばせるCBはウチにはいないですし、苦労しそうですねw

赤松:
そう。だから、割り切られると嫌かな。ここは、彼らが今取り組んでいるスタイルに対する本気度やこだわりが見えるポイントかもしれないね。

青人:
本気で変わろうとしてんのか?っていうことですよねw

赤松:
うんw
まあ湘南としては、ホームでマリノスに勝つことで勢いに乗れるし、彼らのマリノス戦に対する気持ちの強さは過去の試合を見ても感じるし。

青人:
かなり激しく来るイメージです、、

赤松:
そう。だから彼らの勢いに喰われないことだね。

青人:
ですね!勝ちましょう!!



To Be Continued・・・

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