ブンデス第27節 ボルシア・メンヒェングラードバッハvsレヴァークーゼン
どーも、ロッド(@_rod25)です。
ブンデスの今後を占う上位対決、BMGvsレヴァークーゼンの試合について書いていきます。
結果は3-1でレヴァークーゼンの勝利でした。
結論から申しますと、レヴァークーゼンの完勝と言って差し支えない試合だったと思います。特に前半はレヴァークーゼンによるBMG対策がものの見事にハマっていました。
よって、今回はレヴァークーゼンがどのようにBMGを攻略したか、について述べます。具体的な流れとしては、ボール保持とボール非保持とに分け、ボール保持では”キーマン”カイ・ハフェルツが果たした役割について、ボール非保持はレヴァークーゼンのプレッシングについて、という二部構成にしております。
どうぞ最後までお付き合いください。
【Starting Lineup】
■ボルシア・メンヒェングラードバッハ
◇基本システムは4-2-3-1
◇顔ぶれは前節・フランクフルト戦と変わらず
◇エンボロは前半12分で負傷交代→代わりにシュティンドルが入る
■レヴァークーゼン
◇基本システムは3-4-2-1
◇No.29カイ・ハフェルツのゼロトップ
【ボール保持:カイ・ハフェルツが果たした役割】
では、レヴァークーゼンのボール保持から説明していきます。
レヴァークーゼンのキーマンはなんと言ってもNo.29カイ・ハフェルツです。
彼がビルドアップの出口であり、カウンターの起点であり、攻撃のタクトを振るいます。そもそもゼロトップというポジションが自由に動き回ってボールを引き出す役割を求められるので、彼の能力の高さを活かすにはもってこいなのです。
そんななか、ハフェルツがボールを受けるポジショニングに一定の狙いが見て取れました。ここでは、⑴ビルドアップの出口、⑵カウンターの起点、と2つの観点に分けて見ていきたいと思います。
⑴ビルドアップの出口
ビルドアップの際、ハフェルツはBMGのDF-MFライン間のスペースに顔を出し、後方からの縦パスを引き出します。
ここにおけるポイントは、両サイドのベララビとディアビが深さをとっていることです。彼らが前線に張ってDFラインを押し下げているため、BMGのCBはハフェルツの降りる動きにについていくことができません。結果としてハフェルツはフリーの状態でボールを受けることができ、レヴァークーゼンの攻撃をスピードアップさせていました。
※ハフェルツをフリーにするために両サイドが深さをとる
⑵カウンターの起点
ハフェルツはポジティブトランジションの局面における起点としての役割もこなしていました。
その際、真ん中にどっしりと構えてBMGのCBと競り合うのではなく、オープンスペースに流れてフリーでボールを受ける工夫をしていたんです。レヴァンドフスキやホラントのような屈強さはない代わりに自分の機動力を活かす狙いでしょう。実に賢い選手です。
では具体的なオープンスペースはどこかというと、BMGのSBの裏です。BMGはSBが非常に高い位置をとって攻撃参加するという特徴があるので、その裏をかいたというわけです。
※BMGのSBの裏のスペースに流れてカウンターの起点に
カイ・ハフェルツ、ほんとに素晴らしい選手で、今後が楽しみです。
まだ20歳とは恐ろしや・・・。
【ボール非保持:レヴァークーゼンのプレッシング】
続いて、レヴァークーゼンのプレッシングについてです。
結論から言うと、マンツーマンでのプレッシングを行なっていました。個々にマーカーを定めていく感じです。
その目的は”奪う”というよりも”蹴らせる”ことにあったようです。相手を追い込んで囲んで高い位置でボールを奪うよりも、パスコースを封じることでロングボールを蹴らせて回収する、という形ですね。
それでは、具体的な手法を図解を交えて述べていきます。
大きく分けてポイントは2つです。
⑴最前線のハフェルツの立ち位置
⑵ウイングバックのタスク
上記の2つのポイントを含めて図に表すと以下のようになります。
※レヴァークーゼンのプレッシング
まず⑴についてですが、本来ならば最前線で守備をするはずのハフェルツが一列下がってボランチのストロブルをマークしていることが特徴的です。BMGのビルドアップでは、ボランチがCB間に落ちたり、SBの位置を取ったりとかなり流動的に動くので、それに対応すべく最前線のハフェルツをマンツーマンでマークにつけていました。
続いて⑵ウイングバックのタスクについてです。彼らに課せられたタスクは、❶BMGのSBにアプローチをかけること、❷後方で数的優位を確保することの2つがあります。
特に❷についてですが、BMGの攻撃陣のNo.10テュラムやNo.14プレアといった強くて速い選手たちに対して数的優位の状況を作るためのものだと考えます。彼らに広大なスペースを与えるとピンチを招くことになるからです。
以上、レヴァークーゼンはリスクを回避しつつ、BMGのビルドアップに蓋をしていました。
【まとめ・考察】
BMGはどうすれば良かったのか、私なりの案を一つ提示することをもって、「まとめ・考察」としたいと思います。ここでは、レヴァークーゼンのプレッシングに対するビルドアップの形を一つ示したいと思います。
結論から言うと、柔軟なポジションチェンジです。自分たちが動くことによって、レヴァークーゼンのマンツーマンプレスをズラしながら前進することができたのではないかと考えます。
例えば前線の選手がボランチの位置まで降りてくるとか、片方のSBの位置を落として3バックのような形にするとか。
特に後者についてですが、BMGのサイドバックをあえて後ろに下げて3バック化することによって、時間とスペースのある状態でボールを運ぶことができたのではないでしょうか。レヴァークーゼンのウイングバックのマークから逃れることで数的優位の状況を作り、安定したボール保持が可能になるからです。
※片方のSBを落として3バックのような形に
これが正解だとは言い切れませんが、もう少し工夫があればボールをうまく前進させ、チャンスを作り出すことができたのではないかと考えます。
BMGとしてはこの上位対決を落としたのは痛かったです。ですが、CL出場権をめぐるハイレベルな争いはまだまだ続きます。今後どんな試合を見せてくれるのか、楽しみにしたいです。