黒蜥蜴

#黒蜥蜴 done！三島戯曲の中でも、スペクタクルなストーリー展開なのに、あんなに難解なセリフ群でつづられているので、セリフに寄っているとすっかりストーリーを見失う。ルヴォー演出はほんとシンプルで実直な装置なのだけど、ものすごく華やかで耽美。演劇らしい。

中谷美紀さんはさすがのたたづまい・身のこなし・声のトーンもこの世のものとは思えないレベルでの怪演。誰もがつい従いたくなる姿は
「嫉妬されたい」「こっちを見てほしい」と思う。真っ赤な口紅と、真っ黒な衣装がお似合い。明智への告白シーンは、●●とSEXしているのかと思う動き。

井上芳雄さんの明智小五郎は、私の好みではなかった。。たぶん、トリックがシンプルだし、黒蜥蜴はわかっていないけど、観客は明智だとわかりやすく演じるので、スマート感につながらないのだろうなあ。
三島セリフは聞き取れない箇所があると、置いて行かれるのも、、。

相良樹さんの早苗。いい意味で裏切られた！お嬢様らしい、まっ白なワンピースでの軽やかな動き（衣装のせいもあるけど、くるくるっとする動きが多い）と、最後のネタバレ以降の直線的な動きのメリハリがすばらしい。黒蜥蜴は早苗役にかかっていると私は思う。

朝海ひかるさんの家政婦ひな。いやー、ひな役がこんなに魅力的な人間味あふれる人物だったとは。黒蜥蜴に恋い焦がれている感じも、後半のきりっとしている姿も。数少ないセリフなのに、人物像とその背景、文脈が見えかくれする。

朝海ひかるさんの家政婦ひな。いやー、ひな役がこんなに魅力的な人間味あふれる人物だったとは。黒蜥蜴に恋い焦がれている感じも、後半のきりっとしている姿も。数少ないセリフなのに、人物像とその背景、文脈が見えかくれする。

ルヴォー演出は帝劇でも日生でもベニサンでも、やはり装置と照明が演劇的で大好き。演劇でなくては表現できない余白というか、編集でいうところの白場が存分に残っていて、その大胆さがセリフや物語へと観客を連れ込んでいく。美輪演出を見ている方にこそ見てほしい。

【黒蜥蜴】2018/1/26(金)まで　日生劇場

［原案・原作］江戸川乱歩 ［劇作・脚本］三島由紀夫 ［演出］デヴィッド・ルヴォー ［出演］中谷美紀 / 井上芳雄 / 相楽樹 / 朝海ひかる / たかお鷹 / 成河 / 他

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