新型コロナが怖いので仕事辞めて彼女と同棲始めましたの話
僕も彼女も接客業だったのでお互い仕事を辞めた。
笑うやつもいるけど、そいつらは僕らの人生に無関係だからどうでもいいんだ。
観光地での接客業
もちろん地元の客さんも多いが、初めて顔を合わせる観光のお客さんが毎日のようにいる。
観光地なので当然だよね。
「東京から来ました」
「僕も去年まで東京に住んでましたよ」
「大阪から来ました」
「彼女が大阪なんだよね」
「北海道から来ました」
「行ったことないんだよね。まだ寒い?」
何気ない、いつも通りの会話。
どの観光地でも起こりえる普遍的なその会話が日を増すごとに不安を煽ることになっていった。
毎日毎日、日本中のあらゆる場所から宮古島へ来島する方々。
新型コロナの影響で外出自粛を打ち出されている地域でもそれは変わらず、飛行機の空席状況を見れば宮古行きのチケットは完売に近かった。
いろんな地域から来た方と顔を向き合って話すことは今の僕にはできなかったし、彼女にもして欲しくなかった。
するべきじゃないと思った。
マスク越しじゃないその会話に対する対価は社会通念上貰えるのお金の価値では到底足りない。
仕事をやめてほしい
そう告げると彼女はすぐさま職場に連絡を入れた。
ほんの少し前までは言い出せなかった言葉も、勇気を出して告げるとしっかり受け入れてくれた。
職場のリアクションは良くなかったがそこに感情を動かされるほどの余裕のなかった理由は、何より「やめた後どうしようか」との悩みが次々と襲って来ていたから。
住む場所がなくなる
寮で暮らす彼女からすると「仕事を辞めることは家が無くなること」に直結する。
向こうからの返答は2日以内に出ていってくださいとのこと。
実家は県外で、空港に寄るのも飛行機に乗るのも、大阪の現状を考えるとそのあとの生活も全てが不安になる。
しかし住む場所は必要だ。
僕は宮古島に移り住んでからずっと母親と二人暮らしで、ほぼ毎日のように妹や甥っ子たちが遊びに来る場所に住むことはストレス的にも困難である。
そして今の「宮古バブル」と称される宮古島の賃貸状況では空き物件自体がほとんど存在しない。
部屋を借りること自体が常時また困難だ。
ちなみに今の宮古島は1ルーム8万〜初期費用も50万ほどが相場だ。
東京より高い。
選択肢はほぼ無い。
彼女は危険に身を晒して実家へ帰省するか、2日以内に賃貸物件を探し出すかだ。
時間もないし無理っぽいですよね?
結論としては部屋を借りて2人で同棲を始めることができました。
方法は僕の人徳です。
人には優しく生きていると、どこかで返って来ます。
同棲始めました
朝から晩まで一緒にいるんで幸せです。
料理上手なので健康で美味しいご飯も頂けるし、ずっとバカやって笑えるし、何より安心して暮らせる。
世界がこうなってしまったのは仕方ない。
しかし今ここで心が貧しくなることが本当に不安だったので一緒にいることにしました。
愛を持ってみんなが寄り添うべきだと思います。
わかってはいるけど、これまで経験のない緊急事態なので全てに優しくする余裕がなくなりそうです。
それでも、だからこそ、自分にとってなにが大切なのかしっかり考える事をすべきだと思います。
見落としてしまいそうなほど身近に存在するいろんな愛や豊かさを再確認すべきだと思いました。
大切な人を守る時期なんじゃないかなと感じています。
僕らは手遅れになる前に仕事を辞めて避難しました。
落ち着いた時に、宮古島には1人の感染者も出ずに僕らの過剰反応だと笑われるなら、それは幸せなことだと思います。
みんなも自分でしっかり考えていろんなことを決断してください。
あなたの人生決めるのはあなただけです。
お互い仕事辞めたので収入の面は不安だけど、新型コロナに感染されて死ぬよりマシ。
僕が在宅でできる仕事が今は限られているけども、どうにかして頑張って増やし続けるしかないので記事を読んだみなさんも頑張って僕の仕事を増やしてください。
普通にコラムやエッセイの仕事ください。
仕事ください
ください。
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