消しゴムが嫌いな話
消しゴムが嫌いなので、高校生になってから筆はペン一本に切り替え、絵画以外で消しゴムを使わなくなった。
鉛筆は筆圧が強すぎて苦手だし、シャーペンも筆圧で折れる。
そして消しゴムはダサい。なんども消せるなんて漢らしくない。
僕はペンの「消せない」という行為に対しての緊張感が好きなんだ。
修正するアイテムの存在は知ってるが、あんなの「消した」って痕跡が丸わかりで滑稽すぎる。
初めは高校1年生の頃だった。
消しゴムの「簡単に消せる」という行為に嫌気がさした僕は消しゴムとシャーペンを捨て、ここから3年間の筆記を「ペン」で取り組むことを決めたのだ。
授業はもちろんテストもペン。
作文や小論文などの提出文章もペン。
ずっとペン。
卒業アルバムにテスト風景が載っているが、その写真でも僕は堂々とペン。
間違えたらどうするのか。
前出したように、僕は「簡単に消せる」行為が嫌いなので、修正ペンやテープは使わない。
ぐしゃぐしゃってする。
それ一本で生きてきた。
先生に怒られなかったのか。
もちろんテストも作文も全部ペンなので、緊張感を持っても間違えることはある。
書き直すこともある。
もちろん
で書き直す。
そして当然のように怒られる。
何度か気持ちは伝えた。
消しゴムが嫌いだと。
簡単に消せることが嫌いだと。
もっと緊張感を持って人生を謳歌すべきだと。
その全てが伝わらなかったのは僕の熱量不足か言葉の誘導が下手なのか、はたまた先生の頭が硬いのか、それともそれが健全な結果なのか。
正しい理由はわからないが、何度も何度も怒られた。
当時も今も怒られるのは当然だと認識している。
社会に出ると消しゴムを見かける頻度が減ったのは嬉しかった。
以前に農林水産省の末端職員だった時期があるのだが、その頃はペンしか使えないとのことで僕が筆記することは避けられていた。
助かった。
ペンはいい。
なんせ簡単に消せないんだから。
自分が走らせる筆に責任と緊張が生まれるし、消しても「あ、修正した」とバレる。
この修正に対して
「どう間違えたのかな?」
「こう書いてたけど、こう書き直してるな」
「ここは修正されてないぞ」
のようにストーリーが浮かぶのも好きだ。
僕はペンが好きで、消しゴムが嫌いなんだ。