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究極の音質を実現したイコライザーKIRCHHOFF-EQ (キルヒホフEQ)

どうもマイコンです。音質に並々ならぬこだわりを持ったイコライザープラグイン KIRCHHOFF-EQ (キルヒホフEQ) が2021年11月に発売され、現在も人気のプラグインとして注目を集めています。これまでのイコライザーと比べて何が新しいのか、どんな魅力があるのか、実際に使ってみた動画を用意しました。

究極の音質を実現

KIRCHHOFF-EQ は 32バンドのパラメトリックEQプラグインです。洗練された音質、アナログにマッチしたカーブ、11種類のスロープフィルター、実在のデバイスをモデリングした30種類のビンテージEQタイプフィルターを備えています。また、内蔵されているダイナミック・プロセッシング機能は非常に柔軟性が高く、歪みが非常に少ないのが特徴です。

独自に開発した「Robust Nyquist-matched Transform」によりデジタルの周波数特性をアナログに近づけ、内部処理は常に64ビット(または117ビット)で行われます。帯域の変化に合わせてフィルター構造を最適な状態に変化させることで、低域と高域の両方で最適な音質を実現。イコライザーとしては世界初となる117ビット処理と、スイッチ可能な2xオーバーサンプリングで究極の音質を目指しています。

歴史的なヴィンテージEQをモデルにした30種類のフィルタータイプ

7つのビンテージEQハードウェアの、イコライザー部分のみに焦点を当ててモデリングしたEQ(フィルター)タイプを合計30種類搭載しています。モデルとなるハードウェアのEQ周波数が固定式の場合でも、KIRCHHOFF-EQでは自由に周波数ポイントを調整することが可能です。通常のフィルタータイプや他のヴィンテージモデルと組み合わせて使用することができ、ヴィンテージモデルにダイナミックEQ機能を適用することも可能です(lowpass、highpassを除く)。

KIRCHHOFF-EQは、有名なハードウェアEQのモデリングを各EQバンドに選べてしまうのが魅力的です。フィルタータイプを選ぶ際にはマウスのスクロールホイールや、Macのトラックパッドを活用することができます。ローパスフィルターを選択した時にはローパスフィルター系のタイプが次々に選べて、ベルタイプのフィルターであれば同様に、ストレスなく試していくことが可能です。また、アナログEQを再現したメリットだけでなく、正確なデジタルフィルターによってピンポイントでブースト/カットできたり、ほぼ直角のEQスロープで鋭くカットすることも可能です。

自動ゲイン調整
楽曲制作時、イコライザーは欲しい周波数帯域をブーストして使う機会が多いかと思います。その際についつい音が大きくなってレベルオーバーしてしまいがちですが、この機能をONにするとボリュームを一定に保ってくれるので大変重宝します。レベル調整にとらわれずに、音作りに集中できる便利な機能です。

ゲインスケール
イコライザーでトラックの音作りをしたあと、全体的なEQ適用量を一括で調整することができます。+-200%の幅で上下可能で、ブースト時だけでなくカット時でも役立つ機能です。

フレキシブルなダイナミックEQ機能

lowpass / highpass / bandpass / notch を除くフィルタータイプで、スレッショルド / アタック / リリースといったパラメータに基づき音量が変化するダイナミックEQ機能を使用することができます。高度なDSP技術を用いて、ダイナミックEQの奇数倍音エネルギーのほとんどを偶数倍音にシフトさせ、超低ノイズを実現しています。これにより、音の潰れを気にすることなくダイナミックEQ機能を自由に使うことができます。

動画では1KHz付近をブーストして、スネアが鳴った瞬間だけブーストゲインが小さくなるようにダイナミックEQを設定しました。

Detectパネル
ダイナミックEQを適用する周波数帯域を設定します。実際にブースト/カットするEQバンドとは別の周波数帯域に設定可能なのがユニークです。動画ではベースが鳴っている帯域に設定して、ボリューム値をサイドチェイン信号のように検出してダイナミックEQが作動しています。

Relativeパネル
ダイナミックEQを作動させるボリューム情報を、指定した範囲との相対的な値から導き出します。動画で青いラインが左右に伸び縮みしているのが確認できますが、左右に長い時には分母が広がるため、ダイナミックEQの動作が浅くなり、逆に短い時には強めに動作しています。トラック全体のボリュームを考慮しながらダイナミックEQの適用量を調整できるので、新しいミックス手法として活用できるのではないでしょうか。また、DetectパネルとRelativeパネルは同時に使用することもできます。

サウンドの広がり処理も自由自在

動画では、KIRCHHOFF-EQによるステレオイメージ調整を視覚的に確認するため、右側に他社製のベクトルスコープを表示しました。

スペクトラム・グラブ
特定の周波数ピークを素早く見つけ、その周波数にベル型のEQバンドを作成できる機能です。動画ではEQバンドを選択してマウスホイールを回し、Q幅の大小を調節しています。

個別に Stereo、Mid/Side 処理が可能
各EQバンドで L、R、Stereo、Mid、Side、M/s モードが選択可能です。動画では選択しているEQバンドをM/S調整したり、高域成分だけをステレオパンニングしています。また、全体的なサイド成分の増減や、ステレオの広がり感の調整も可能です。

KIRCHHOFF-EQのプリセット

プリセットはミックス向けのほか、特定の楽器を想定したものが数多くありますが、全てのプリセットをダイジェスト的に切り替えてみました。ダイナミックEQが巧みに設定されているので、プリセットをヒントに音作りを始めるのも良さそうです。

KIRCHHOFF-EQは音質へのこだわりだけでなく、ヴィンテージEQとデジタルEQの混在、音作りに集中できる自動ゲイン調整、新しい発想が取り入れられたダイナミックEQ、多彩なステレオエディットなど、目新しい機能の搭載と優れたユーザービリティが人気の理由なのではないでしょうか。イコライジングは音作りの重要な第一歩ですので、多機能でハイクオリティ、そして簡単に扱えることが理想的です。そういった意味でも KIRCHHOFF-EQ を基準に音作りを始めるのはお勧めです。サウンド・プロフェッショナルにとって攻略しがいのある新しいダイナミックEQは、新たな音作りのテクニックを生み出してくれるに違いありません。

KIRCHHOFF-EQ


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