Eyes of the Defiled / Distant Tellings (2016)
メリーランド出身デスコアバンド、2年振り通算2枚目のフルアルバム。
これ以前にアルバム、2枚のEPを出しているが正直知らなんだ。かなりマイナーなリリースだとは思うんだけど、リアルタイムで聴けてなかったのはもったいなかったな。
リリース元がクリスチャンレーベルということもあって、Impending Doomとかに通ずる枯れたサウンドと重苦しいグルーヴが主体の音作り。
プロダクションはそこまで良くない。曲によって著しく変わるのでスタジオが違うのかもね。
しかし、このバンド侮ることなかれ。哀愁のあるメロディー使いやテクニカルなリフは結構中毒性があるし、ボーカルの表現力もなかなか。
15曲入りと気合の入った作品を聴き通せるかが問題だね。早速いってみよう。
#1「2064」はアンビエントなイントロから気怠いメロディーで仰々しく幕開け。この辺はクリスチャンデスコアっぽさがある。リズミックに刻んでく場面は緊張感があって良い。
#2「Distant Tellings」はタイトルトラック。テクデスばりの高音リフやテクニカルリフが満載。ブレイクダウンに頼るより展開やリフセンスで魅せてくスタイルは素直に頷ける。良いね。
#3「Apokalypse」は低音弦をブイブイ言わせた刻み好きにはたまらん曲。BPMは高めでピロテクギターも絡みつくのでアグレッションがたまらん。中盤では明らかにメロディーを歌っているがなんら違和感は無い。このバンド、センスが良いぞ。
#4「Last Words」は圧殺しにかかるデスコアナンバー。ミドルテンポから一気に爆走へと持ち込む。緩急の付け方が巧いし、うん、巧いぞこのバンド。
#5「Echelon」は頭から疾走で走り抜ける。要所で落としてエグいガテラルでヴィーヴィー唸る。後半はメロディーを大胆に導入。なんか腑抜けたクリーンとかじゃなく味のある歌い方でサウンドによく合ってる。
#6「Inner Workings」はデスメタリックなリフにほんのりDjent要素を感じる絶妙な塩梅。ひりついた焦燥感を演出するのに長けている。なんだよ全部いいじゃねえか。
#7「interude」を挟んで#8「Deceiver」へ。Impending Doom直系のダル重いデスコア。かと思いきや中盤からメロデスライクな疾走を見せる。最後の落とし込みがえぐいなあ。
#9「The Hounds」は激モッシーなデスコア。ハードコア要素が強くてツーステが捗るね。
#10「Death of Days」は高音ギターとデスメタルリフの交錯を楽しめる。胸熱な疾走がたまんねえよこの曲。アルバム後半に差し掛かったが全然これならいける!
#11「Desolation」は穏やかで包まれるようなイントロからズンズンと刻んでいくインスト。
#12「Retribute」は今作の中でも相当アグレッシブなイントロ、捲し立てるグロウル、ミドルグルーヴを打ち込んでいく。
Djent、ハードコアのクロスオーバーをデスコアで繋いでるような、そんな感じ。
#13「Imperium」はちょいクサめのリフが存在感のある曲。早口ガテラルいけてるねえ。メロとグルーヴはDjent。
#14「Earth Offering」は爆走メインのクラシックなデスコア。バスドラ連打が地味に効いてるよこのバンド。
#15「Seeker」は切れ味鋭い高音メロディーを携え、不穏なアルペジオから一点ドラマチックに展開していく。
あれ、このバンド良いぞ。
リリースが2016年と遅咲きだが相当なクオリティである。
このぐらいの塩梅のデスコア好きだよ。まだ初期衝動があるようなさ。