【ステージ上の感覚を忘れた!】
【ステージ上の感覚を忘れた!】リアルな発表会でギター演奏をしました。もの凄く久しぶりです。面白かった。でも、楽器を構えた位置が不味かったようです。支持具の足が短かった。右肘がボディから離れており、右手の指の位置が決まらず、とても演奏し辛かった。演奏前にちゃんと確認したはずですが、全く気付きませんでした。ただし演奏は始まっているし、もはや支持具の調節は出来ません。
アストゥリアスを弾きながら「確認したはずなのに、どうして不具合に気付かなかったか?」について、原因を考えてみました。初めての会場だからでも、久しぶりで緊張しているわけでも、はたまた、メンタルの弱さでもありません。中間部に入ったところで、単に『忘れただけ』と気付きました。原因がわかり、少し安心しました。でも、もはや何の対応も出来ないし、今回の演奏は仕方ない。
(子供の頃から演奏されている方はきっとそんなことはないのでしょうが)、ギターの演奏もしばらく弾かないでいると忘れてしまい、弾けなくなります。仕事も半年も休めば復帰できません。大人になって修得した技は、それを辞めると、すぐに忘れてできなくなります。これまではごく普通にやっていたことが、いとも簡単にできなくなる。
ステージでの対応もきっと同じです。言葉では表現できませんが、ステージ上でただ演奏するだけですが、たぶん実際には某かの技やノウハウ、研ぎ澄まされた感覚が必要でして、頻繁に演奏するとそのあたりが、一連の流れとして身についているのでしょう。そのセンスがあれば、演奏前に楽器の違和感にすぐ気付いたはずです。このところ、長く人前での演奏をしなかったので、忘れた。最初に状態に戻っただけです。人前の演奏は簡単そうに見えますが、実は簡単では無い。
一言で言うと、感覚が鈍った。これから人前で頻繁に演奏すれば感覚が蘇って、普段通りに弾けるかもしれない。でも、また、しばらく休むとすぐに忘れる。大人になって修得したことは、修得するには時間と努力が要りますが、気を抜くとあっという間に消えてしまう。しかも跡形も無く蒸発する。
誰かが会社を辞めるときの挨拶で「これからはゆっくりしてください」などと言いますが、それダメよ。とんでもない。歳を取れば常に忙しくしなくてはいけない。サボってはいけないの。一時も休むこと無く、努力を続けなくてはいけません。休んじゃダメ、ゆっくりしてはいけないのです。あっという間に忘れちゃうからね。そんなものです。