宅建試験の勉強法
令和6年の宅建試験を受験された皆さん、本当にお疲れ様でした。今年も試験が終わり、私自身も昨年に続いて今年も受験しましたが、なんとか合格圏内に入れそうです。
今回は、私が宅建試験に向けて取り組んだ勉強方法を、皆さんに共有したいと思います。これから受験を考えている方や、来年挑戦する方の参考になれば幸いです。
まずは、試験の概要から簡単に説明します。
試験の概要
試験日:毎年10月の第3日曜日に実施されます。
受験資格:特に制限はなく、誰でも受験可能です
試験時間:2時間
出題形式:四肢択一形式のマークシート
出題数:50問
合格基準:毎年異なりますが、通常は満点(50点)のうち31~36点程度で合格とされています(合格率は例年15~17%程度です)。
試験科目
民法・その他の法令(14問)
不動産取引に関する民法や契約法、借地借家法などに関する問題です。
法令上の制限(8問)
都市計画法、建築基準法、国土利用計画法などの不動産取引に関連する法律に関する問題です。
税法や不動産の関連知識(3問)
不動産に関連する税金や、不動産に関連する基礎知識(地価公示法など)に関する問題です。
宅地建物取引業法(20問)
宅建業法に関する法令やルール、宅地建物取引士の業務に関する内容が中心です。
免除科目(5問)
不動産に関する時事問題や業界に関連する基礎的な内容が出題されることもあります。
まずは昨年の受験の様子からお話しします。
昨年も宅建試験を受験しましたが、勉強時間がほとんど取れず、結果は見事に失敗…。正直、試験対策がほとんどできていなかったのです。使っていたテキストも3年ほど古いもので、勉強法も「とりあえずテキストを一通り読んで、過去問を解けば大丈夫だろう」と、甘く見ていました。
まず、不動産や宅建に興味を持つために、漫画『正直不動産』を読んでいました。ストーリーが面白く、不動産業界の裏事情や法律に関する知識が自然と学べるので、これから宅建を勉強しようとしている方にもオススメです。不動産屋ってこんな事情があるんだな、と業界の現実も垣間見ることができ、楽しみながら理解が深まりました。
その後、宅建ドットコムの「過去問道場」でひたすら過去問を解き、なんと25年分の全問をこなしました。今思えば、そんなに昔の過去問までやる必要はなかったですね。せいぜい5年分くらいを重点的に解けば十分だったと反省しています。
そして、試験日の約2週間前になって、YouTubeにたくさんの宅建の解説動画や対策動画があることに気づいたんです!「おー!もっと早く気づいていれば…!」と、思わず自分にツッコミを入れましたね。そこからは、とにかく片っ端から動画を見まくり、知識と感覚を必死に掴んでいきました。特に、棚田行政書士の動画が非常に役立ちました。解説がわかりやすく、スッと頭に入ってきたんです。「んー、これならいけるかもしれない!」と、手応えを感じ始めました。
LINEのオープンチャットに宅建関連のグループがいくつかあり、私もいくつか参加してみました。雰囲気を感じつつ、他の受験生の学習状況や進捗がどの程度なのかをチェックしていました。いろいろな情報が飛び交っていて、やはり参加しておくと有益です。皆さんもぜひ活用してみてください。
そして、試験当日の会場は駒澤大学。校舎がとにかく大きい!広すぎて迷いそうになるほどでした。でも、幸運にも座席が一番後ろだったおかげで、少しリラックスして試験に臨むことができました。
試験開始!!
試験官の声とともに問題用紙を開き、いざ解き始めたところ、突然「むむ、これは難しいぞ…?」と感じ、頭が真っ白に。5分ほど問題とにらめっこして、ようやく解答をスタートさせました。焦りながらも、なんとか全問解答。しかし、残念ながら見直しの時間はゼロ。それでも、試験直後は「まあ、なんとかいけるだろう」と自信満々だったのを覚えています。
しかし、初受験の結果は…33点/50点。合格点は36点。不合格😭 3点の差が遠く感じました…。
内訳を見ると、以下の通りでした:
民法:3問/14問
法令:6問/8問
税法:2問/3問
宅建業法:18問/20問
免除科目:3問/5問
民法が壊滅的!他の分野は割とできていたのに、惜しかったですね。
このとき思ったのは、「免除科目が満点で、あと1問取れていたら受かってたじゃん!」という悔しさ。来年こそリベンジだ!と強く決意しました。免除科目、どうにかならないかな…?と。
免除科目についてさらに調べてみたところ、不動産会社に勤務している人であれば、特定の講習を受けることで免除が受けられることがわかりました。
とはいえ、「不動産会社で働くって、ちょっと面倒だな…」という気持ちも正直ありました。しかし、試験のために少し頑張ろうと思い、不動産屋をリサーチして、アルバイトで雇ってくれそうなところを探しました。そして、ついに応募!
そこで出会ったのは、老舗の不動産屋さん。とても親切で、親身になって応対してくれました。本当に感謝です。これで免除科目は問題なくクリアできそうだ、とひと安心。
昨年は宅建業法と法令は比較的できたので、今年は苦手な民法をなんとか対策しなければ…。そんな中、不動産屋の方に相談したところ、「みやざき先生がいいよ」と教えてもらいました。そういえば、以前も名前は聞いたことがありましたが、当時は「YouTubeで講義動画なんて、授業っぽくて見にくそうだな」と思っていたんです。でも今年は時間があるし、少し見てみようかなと。
調べてみたところ、なんと元プロレスラーの小川直也さんが「みやざき塾」で勉強して、昨年の私が落ちた試験に見事合格していることを知り、驚きました!これはもう「みやざき塾」を確認するしかない!というわけで、さらに掘り下げてリサーチしました。
そこで見つけたのが「超特急合格講座」。この講座を少しずつ確認しながら勉強を進めました。宅建試験では、市販のテキストや教材に載っていないような細かい内容が頻繁に出題されるので、それが一番のストレスでした。しかし、この講座では、そうした細かい点までカバーしていて、「ここが知りたかった!」というところまでしっかり解説してくれていたんです。そして、どの分野に重点を置いて点を稼ぐべきか、明確に教えてくれたのも大きな助けになりました。
試験までの残りの時間、民法を中心に残りの45問をしっかり対策しようと思い、各分野ごとの出題範囲を細かく分析してみました。
民法(14問)
権利関係(10問)
制限行為能力者・意思表示:1〜2問
代理・委任:1問
共有・占有:1問
売買契約・物権:1〜2問
時効・債務・保証・契約不適合:1〜2問
担保物権・抵当権:1問
相続:1問
不法行為・相隣関係:1問
判例・その他:1〜2問
借地借家法(借地・賃貸借契約):1問
借地借家法(借家・賃貸借契約):1問
建物区分所有法:1問
不動産登記法:1問
法令(8問)
都市計画法(都市計画、開発許可):2問
建築基準法:2問
農地法:1問
国土利用計画法:1問
土地区画整理法:1問
盛土規制法:1問
税法(3問)
国税(譲渡所得税、登録免許税、印紙税、贈与税):1問
地方税(固定資産税、不動産取得税):1問
地価公示法/不動産鑑定評価基準:1問
宅建業法(20問)
宅建業法(19問)
宅建業者・宅建士:1〜2問
事務所・案内所:1〜2問
免許:1〜2問
欠格事由:1問
広告:1問
34条:1〜2問
35条・37条(重要事項説明):6〜8問
報酬:1問
保証金:1〜2問
8種制限:3〜4問
その他:1〜2問
住宅瑕疵担保履行法:1問
宮崎先生によれば、宅建業法を中心に「CORE30」と呼ばれる重要30問と、追加で「PLUS7」の7問を得点すれば、一気に合格に近づくということでした。なるほど、ここをしっかり押さえれば合格に大きく前進できる。そう考えて、絶対に落とさないようにこの範囲を重点的に勉強することにしました。
CORE30
宅建業法 20問
免除科目 5問
農地法:1問
国土利用計画法:1問
盛土規制法:1問
国税:1問
地価公示/不動産鑑定評価基準:1問
PLUS7
使用貸借・賃貸借:1問
借地借家法:1問
借地借家法:1問
区分建物所有法:1問
不動産登記法:1問
開発行為:1問
区画整理法:1問
これに加えて、みやざき塾の「ラストスパート講座」、吉野塾、そして棚田行政書士の動画をひたすら見まくり、どんな問題が来ても対応できるように万全の準備を整えました。
さらに、スプレッドシートを活用して、各分野ごとにポイントを整理し、間違えた問題をリストアップしました。過去問を解いて正解しても、それが本当に理解できているのか、単なるまぐれなのかはわからないので、理解が怪しい問題を全て洗いざらい書き出すことにしました。
この作業では、時間を効率的に使うため、手作業で長々と入力するのではなく、必要な情報を検索してコピペで入力し、難しい言葉や複雑な表現は自分なりに噛み砕いてまとめるようにしました。また、教材やテキストは説明の文章が途中で改行されたり、ページが飛んだりして、非常に読みにくい部分が多いです。そのため、スプレッドシートに入力して整理することで、1つのシートに情報をまとめ、スムーズに読み返せるように工夫しました。
これでいけるかもしれない、と思っていたものの、まだ少し不安が残っていました。実は、昨年も同じように感じていたのですが、宅建試験では毎年、ミスを誘うような引っ掛け問題や、予測できない新しい問題が出題されるのです。いわゆるトリッキーな問題や、法改正に関連する問題がその典型です。今年もそれらにどう対応するかが最大の課題でした。
過去の問題と比較してみると、ここ数年で問題文の言い回しが随分と変わり、ひっかけ問題が増えている印象がありました。特に、注意深く読まないと間違いやすい問題が増えているように感じました。その対策として、ひっかけ問題をまとめたサイトを見つけ、試験直前にはそのサイトをよく参考にしていました。
また、YouTubeなどで対策動画が広く出回るようになったことで、出題者側も難易度を上げてきているようです。そして、今年はどうやら出題者が変わったらしいという情報を耳にしました。「これは今年は変化球が飛んでくるかもしれない」と直感しました。出題者の意図として、不動産に関連する社会問題や法改正の動向を反映させることで、受験者にその理解を深めてもらおうとしているのではないかと感じました。そんな新手の問題が出てくることを予測し、心の準備をしておけば、冷静に対処できるだろうと思いました。
そしてついに迎えた今年、令和6年の試験当日。5問免除者の試験会場は小規模で、普通の教室でした。今回は座席が一番前で、なんとなくプレッシャーを感じながらのスタートでした。
まずは全体の問題をざっと見て、難易度を確認しました。予想以上に難しそうで、一瞬パニックに陥りましたが、深呼吸して気持ちを落ち着かせ、軽く瞑想することで集中力を高めました。
次に、わかる問題から解き始め、数問解くことで少しずつ得点を積み上げる感覚を掴んでいきました。順調に進んでいたものの、突然、不意に現れた難問…いや、奇問!?出題されたのはまさかの「死のガイドライン」!うおー、なんだそれ!?聞いたことがないぞ!と一瞬動揺しましたが、すぐに冷静さを取り戻し、その問題はひとまず後回しにすることに決めました。「後で落ち着いて考えればいい」と自分に言い聞かせ、まずは解ける問題から確実に進めていくことに集中しました。
問題の内容は、借りている部屋で死亡者が出た場合、その事実を次の借り手に伝える必要があるかどうか、というものでした。なんとなく聞いたことがあるな〜と思いながら、事故物件に関しては次の借り手には知らせないといけないけど、一人挟んだ場合は伝えなくて良い、という知識がぼんやりと頭にありました。
選択肢は4つあり、「死のガイドライン」に関する選択肢が2つ、残りの2つは宅建業法に関するものでした。まず、宅建業法に関する選択肢の1つは消去できたので、残り3択に絞り込みました。
ここで思い出したのは、宅建試験では新しいテーマの問題が出題されても、それが正解になることは少ない、という傾向です。新しい問題を正解にすると、受験生から「クソ問だー!」と言われてしまう可能性があるからです。特に、民法なら新しい問題が正解になることはありますが、宅建業法ではそうした問題が正解になることは避けられる傾向にあると感じました。
さらに、問題を作成しているのは弁護士や教授たちですが、最終的に決定するのは省庁や地方自治体の高官、つまり公務員です。彼らはリスクを避ける傾向があるので、新しい問題を正解にすることはほぼないだろう、と分析しました。
この判断が功を奏し、見事正解!他の難問も、まるでメンタリストのDAIGOになったように出題者の心理を読みながら回答し、正解を導き出しました!
最終的な採点結果は以下の通りでした。
民法:10問/14問
法令:8問/8問
税法:3問/3問
宅建業法:17問/20問
免除科目:5問/5問(免除)
結果、43点/50点!これは合格しているはず😭!
あとは、11月末の結果発表を待つのみです。
2度の宅建試験を経験して、正直なところ、生半可な気持ちでは取得できない資格だと痛感しました。近年は受験者のレベルもどんどん上がっているようで、以前は35点取れればほぼ合格と言われていたものの、最近では合格点が36点に上がり、35点でも不合格になる厳しい状況です。
確かに難しい試験ではありますが、独学でも比較的目指しやすい資格であるとも感じています。特に、受験を検討している方には、春から夏頃にかけて計画的に勉強を始めれば、十分合格を狙えると思います。
学生時代の大学受験とは違い、仕事や日々の予定をこなしながらの勉強は本当にハードでした。誘惑も多く、ダラダラと過ごしてしまうこともあり、切り替えて集中するのがとても難しかったです。この1年間で、自分の弱さを改めて知ることになりました。
それでも、その先には大きな感動が待っていました。自己採点をした時の緊張感や、合格した瞬間の喜びは、今でも忘れられない思い出です。もし、受験を迷っている方やリベンジを考えている方がいれば、ぜひ最後まで諦めずに挑戦してみてください。その努力は必ず報われるはずです!