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「リンガメタリカ」をスラッシュ・リーディングする。16、レイチェル・カーソン

16、レイチェル・カーソン

 何年か前に、私はある午後を過ごした、レイチェル・カーソンと話して。彼女の著書「沈黙の春」は出版されたところだった、著書はアメリカの無関心を批判した、消えゆく野鳥に対し、そして初めて提起した、はっとさせるような考えを、人間はそう長くはこの星に住めそうにないという、野生動物が姿を消してしまったら。人間と動物の運命が密接に関係しあっているというのは新しい考えであった、そしてあまりほっとさせるような考えでもなかった、だからカーソン女史は気が付くと攻撃されていた、野生動物や有害な動物を殺すことに何も悪いことを見ない人々によって。
 私たちの会話の途中で、彼女は恥ずかしそうに告白した。彼女の海洋研究所で、メイン州のブースベイ湾の近くの、彼女は言った、毎日少量の海水を採取した、潮だまりから、そして顕微鏡で調査した、微生物の行動を、彼女が捕まえた。しかしそれから、彼女はほとんど謝罪するかのように付け加えた、そのサンプルは海に返しますと。これは生命に対する尊敬を示していた、ほとんど狂信的行為と言っていいほどの、そして私は言わざるをえなかった、スプーン一杯ほどの海水を海に戻さないことが自然のバランスを乱すことにはならないでしょうと。
 カーソン女史はその時、ほんとうに困惑したように見えた。彼女は言った、「もしそれがあなたを驚かせているならば、次の話は言いにくい。もしあの小さな生き物たちが生き延びようとするならば、私はそれを海に戻さなければならない、同じ潮位の時に、私がそれを取った同じ。それは意味する、私はしばしば目覚まし時計をセットしローブとスリッパを身につけ、懐中電灯をたよりに、そのサンプルを海に戻さなければならないという事を。それはいつも楽しい散歩というわけでは無い、特に雨の夜などは。」

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