我が家の団欒


去年の12月25日に唐突に母から告げられた「私ね喉に癌があるんだ。」っていう最悪なクリスマスプレゼントを貰ってから1年が経とうとしてる。

その時と言ったら天使も見に来ないくらいの地獄の様な世界で。
自分の呼吸をを忘れるくらいに時間が過ぎるのが遅かった。

それからの日々は通院や入院。仕事やバイト。
今思うと面と向かって4人で揃って話すとマイナスな話になってしまう気がして集まらなかったんだなって思う。

家族4人で揃ってご飯を食べる機会が減って会話も減って決めてた席もバラバラで座るからテレビの見やすい左角だけカーペットに跡がつく。


2階で寝る自分達に見つからない様に階段の下から聞こえる嗚咽混じりの枯れた咳。

「家族は迷惑をかけてなんぼだよ」って伝えても弱い所は見せたくないと伝わる母の優しさとかっこよさ。

喉が渇いて起きたと白々しく寝ぼけたふりをして起きる自分に声も出ない半泣きの顔で悶える母にそっと水を汲んで含ませた。

どんなに辛くても助けを求める電話してくる母はいなくて1人で病気と闘い続けた。

それから半年以上経って喉に居座った癌は居なくなったって病院から今年初の電話を掛けてくれた。

放射線で枯れきった声で「やっと治った」って安堵の声を聞けた。

それからは4人でテーブルを囲んで生活に戻れた。

そんな生活は2ヶ月も続かず次は父の口から「次は俺みたい。」って明らかにか細い声で覇気のない声でボソッと呟く。
しっかり聞こえていたのに聞こえていないふりをしてテレビを見続ける。

だけど母はもう覚悟している顔をしていて弟も唖然の顔をしてるのを確認して静かにテレビを消した。

やっとこのまま4人でいようと決めたばかりの出来事で次は父に「大腸にがんがあるらしい」って。

後を続く様に12月に入ってすぐに健診で母には2mm程の癌の影があるって。

ふざけんなって誰にもぶつけられない怒りを天に向かってぶつける。

そんな感情がおかしくなりそうな時に発売されたクリープハイプの「こんなところに居たのかやっと見つけたよ。」

題名が出た時に癌の事を言ってんのかって思うくらいに八つ当たりをしたくなったけど、もう頼るものがクリープハイプしかなかった。

喜びと楽さとを苦しみを共に生きたクリープハイプが悲しみも支えてくれるのかって「天の声」はクリープハイプ4人だよって本当に思えた。

年明けに父と母は検査入院やら手術やらで心の底から家族団欒の時は多分まだまだ先で

1人の時間が増えた時はクリープハイプから貰った
「〇〇は1人だけど、俺も1人だよって」
天の声を伝えてみる。

俺を助けてくれたようにみんなの支えになりますように。

家族が幸せで居ますように。
孤独に寝てませんように。
って星に願って眠りにつく。


#クリープハイプ
#こんなところに居たのかやっと見つけたよ

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