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海乃真珠の映画・ドラマnote⑥

こんばんは。本とうたた寝。の海乃真珠です。今回の映画は「コールド・スキン」。不思議なホラー映画でした。

夢破れた青年“友”(デヴィッド・オークス)は、新しい気象観測員として南極海の果ての無人島へとやってくる。そこに暮らすのは、彼と変わり者の灯台守グルナー(レイ・スティーヴンソン)の二人だけかと思っていた。ところが夜が更け始めると、その島には大群の”人ではない生き物”たちが押し寄せてくる。灯台を要塞とした、二人VSクリーチャーたちの戦いが始まる。(Amazonプライムビデオ解説より)

青年と謎の男グルナーが立て篭る灯台。夜な夜な陸に上がり灯台に迫るクリーチャーの群れ。銃で撃ち、斧やナイフで切り裂き、朝が来るまでクリーチャーを殺しまくる映像は身を守るためとはいえ、他にやり方はないのか? なんでこんな残虐になれるのか? など今ひとつグルナーの真意がわからないので見ていてつらいんです。クリーチャーがかわいそうに見えるんです。そんな繰り返される死闘が1時間半ずっと続くのかと思いきや。

グルナーが飼い慣らしていたクリーチャーの一人(?)の存在が少しずつその日常を変えていきます。そして凄惨な日々が一つの頂点を迎え終わろうとします。

クリーチャーは人魚のような生き物で、陸に上がると人間のように歩いて、海に入ると魚のように泳げます。そんな彼らが2人との無益な戦いを終わらそうと行動を起こした時、和平を望む主人公と、それでも愚かな戦いの続行を選ぶグルナーの3つどもえになりながら物語はラストへ向かって加速していきます。

ラストシーンが印象的で、迎えの船がきて青年を連れて帰ろうとするのですが、青年はすっかり変わり果てた様子で、また同じような物語が繰り返されてしまうのか、と思わされるような終わり方なのです。

見ている時からずっと感じたのが人間こそがこの島では異物。まるで「地球最後の男」のような印象を抱きました。

映像も音楽も全体的に抑えたトーンながらクオリティが高く、いろいろなことを考えさせられる想像以上に上質なホラー映画でした。


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