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”まだ”ユニゾンを愛していたい

TOUR 2024「20th BEST MACHINE」

武道館にて、固有名詞”「UNISON SQUARE GARDEN」という自論を展開した。

そんなことがきっかけで私は意識的に、ユニゾンと、UNISON SQUARE GARDEN を書き分けるようにしている。
ユニゾンはメンバー3人のことで、後者はこのバンドの存在の概念を表現するようにしている。
つまり、UNISON SQUARE GARDENとは”固有”の存在のこと。

これはユニゾンのメンバー3人がUNISON SQUARE GARDENのファンであるから成り立つことであると考えている。
今回のツアーは、”幸せになるためのツアー”
恐らく、対象はユニゾンのメンバー3人のこと。
武道館で祝われたのは、UNISON SQUARE GARDENである。


ユニゾンが幸せになるということは、つまりUNISON SQUARE GARDENに愛を注ぐことである。なぜなら、彼らはこのバンドのファンだから。
普通のツアーで普通の顔して予想外を捲し立てるユニゾンに圧倒させられるのはよくある話だが、予想内を捲し立てるユニゾンにまで圧倒させられたぐらいには、UNISON SQUARE GARDENへのただならぬ愛を感じた。
UNISON SQUARE GARDENを誰よりも愛する人が仕掛ける祝祭は、セトリ上に並ぶ曲たちが持つ以上の感情をくれる。セトリの羅列を眺めるだけでは味わえない幸福感。
自分が行かなかったライブに対して、行かなかったことへの後悔を薄める、宥める手段はセットリストの羅列だ。
このツアーのセットリストは一つ面白い例になるかもしれない。

よく、ヲタクに対して投げかけられる疑問
「なんで、同じライブ(ツアー)に何回も行くの?」
きっとそこには、”同じセトリ、演出、なぜ同じものを何度もお金を賭けてまで足を運ぶのか?”という素朴な純粋な至って正論な疑問が含まれているだろう。
(公演ごとにセトリが変わるライブは別として)この日、この会場、そもそもの本人のコンディション、これらを加味した時、一つたりとも全く同じライブなんてものは存在しないのだ。

というわけで、こちらのnoteでは宇都宮公演の話をするが、
愛と、絶対的な自信を見た。
3人はきっと幸せになることができる、できたツアーになったはずだ。こっちまで幸せをもらった、そんな実感。

カオスが極まる始まる前のセッションで勝手に手がガッツポーズをしていた。懐かしい極まり。
本物の根拠ある自信にブチ上げられたのだ。


「何回もUNISON SQUARE GARDENのライブを観にきてくれている皆さんはmeet the world timeじゃないと興奮しねーよと思っているかもしれませんが、楽しませるので、着いてきたり、着いてこなかったり自由に楽しんでください」

急にmeet the world timeが登場してフロア大爆笑。
斎藤宏介さん、喋らせたら結構おもろいんだよなと唐突に思い出させられた。
3人の給水タイムを静かに見守るフロアに対して「これだけの人数が全員静かにしてるって凄くないですか?僕たち怖くないですよ!」
最近のUNISON SQUARE GARDEN、喋らずにひたすら音を鳴らし、よく続くよなという歌唱をひたすら続ける傾向にあるため、一部に怖い人たちだと思われがち。

“着いてきたり、着いてこなかったり”
これぐらいのスタイルで客と向き合うロックバンドが結局のところ最もなのだ。
アナザーワールドエンドにて、”〜なんてよくわからないこと言わないから たまにはねえ会いにきてよ”と言ってるので全てが筋を通っている。
ユニゾンに関しては、ファンが離れていかないための施策をいつ何時もやってるのでそれで良い。そして、ユニゾンが天才なのは、その施策ってのがどれもロックバンドという着地点に辿り着くものであるということ。
ユニゾンの3人はUNISON SQUARE GARDENをロックバンドとしてたらしめてくれる人たちなので。
というわけで、私だけのユニゾンスクエアガーデンスタイルで楽しんじゃお!と、穏やかな斎藤宏介さんのおかげで心を新たにしたところで落ち着けたはずが、次曲が始まった途端、そのイントロのスピード感に全力でしがみつきに行ってたので、今は着いていきたいモードらしいです。

「幸せになるためのツアー」
これだけは頭の隅に置いて開演を迎えた。
初手からなんか楽しい、準備せずとも幸せを迎え入れることぐらいできそうだったし、Invisible Sensationが持つ生命力のパワーは唯一無二のでこの時点で私が幸せになってたな。
“だけどいつか誇れるくらいには人生はよくできてる だから生きてほしい!”
何の恥じらいもなく歌い上げ、そこに込めた言霊を押し出すかの如く跳ねる音は、当人が自信を持っていないと放出できないものだ。
だから、幸せになるためと銘打って、UNISON SQUARE GARDENに向けて愛を贈ると共に自然とそこに自信まで見ることができたのだと思う。

私は、武道館で見たPhantom Jokeに寄せてこのようなことを思った。

自論として、ユニゾンがPhantom Jokeにて「まだ愛していたい」を本音として言える限りはバンドの未来を案ずることはないと思っている。

ネガティブに陥りそうな空想・幻想に対して、冗談じゃねーよと一蹴するユニゾンが言う”まだ”は本音なのだ。
まだまだ旅は終わらない、納得するまで終わらない。
というのも、Phantom Jokeから繋がったのがアナザーワールドエンドだったから。

“20年に感謝を込めて”
ここぞのタイミングで本当の気持ちを話してくれたユニゾン。
武道館の趣旨がどうだからというのは関係なしにこの曲はこのツアーまで取っておいて良かったと思う。
アナザーワールドエンドに込められた気持ちはUNISON SQUARE GARDENという概念ではなく、ロックバンドたらしめたユニゾンの気持ちだから。

“誰にも気づかれなくていいはずなのに”
斎藤宏介も言うように彼らは自分たちがすきな音楽を作って、ライブが出来ればそれで良かった、オーディエンスは居たって居なくても良かったはずなのだ。
だけれども、今も変わらずすきでやってるこのバンドが続いている、その理由にオーディエンスを掲げる。
ユニゾンがライブを通して表現することをこっちは勝手に考察したりする。
この考察たちはいつか答え合わせできるのだろうかと思っていたが、このツアーではそれができた。
“君もちょっとだけ同じ気持ちでいてくれたら嬉しいんだ”
これに込めた想いが3人がUNISON SQUARE GARDENでロックバンドを続けることで表現することへの気持ちならば嬉しい。
それならば、答え合わせができた、そう言える。

貴雄さんが刃織ってるユニゾン20thロゴ入りの自前ジャケットを羽織らされた斎藤さん、あまりにもどデカいのでマントのようだった。
そして、これこそユニゾンが起こした狂騒のようだった。
”僕には僕の王冠を”
3人が被るべき王冠はここに、このツアーにあった。
ユニゾンの王冠ってこれだなと思った瞬間です。

しかもそこで鳴らされたのはCrazy Birthday 、盛大にユニゾンをお祝いできた気分。


武道館3daysで受け取った全て


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