フィンセントとエドヴァルド【エッセイ】
『フィンセント・ファン・ゴッホ』
『エドヴァルド・ムンク』
この二人について書こうと思います。
休日にムンクとゴッホの画集を眺めていました。
両画家ともとても有名な方ですよね。
鮮やかに流れるような色彩の絵「叫び」とか、色彩がグルグルしていてなんだかそわそわするような「星月夜」黄色とオレンジが印象的な「ひまわり」などは世界的に有名な絵です。
さて、実はこの二人には共通点があります。
それは、ドコかというとムンクとゴッホはともに統合失調症という精神疾患を患っていたらしいというトコロです。
ムンクの有名な作品「叫び」の絵には「狂人にしか描けなかっただろう」という鉛筆の書き込みが残っているそうです。ムンクは自身の病気を自覚していたようです。そして、ゴッホも有名な「星月夜」を描いたときには精神病院に入院していたそうです。
二人の病気のことを知ってから、ボク自身も精神疾患を患ってることもあってか、なんだかグッと親近感がわきました。
ただ、自分の耳を自ら切り落としたりとか、彼らの病的な側面を見ると、「アーやっぱり、どこかふっ切れてるほうが、芸術家としてはイイのかな?」と思ってしまいますが、病気だけをみて、それだけで人をラベリングしてしまうのは早過ぎます。
ボクはそれだけでラベリングしてわかった気になってしまいましたが……。
そして、勝手にシンパシーを感じていました。
まあ、それがキッカケで二人ともの作品に親近感を抱き好きになったのでで結果的にはいいのかなぁと思いますが。
彼らの病気のことを知ってから、彼らの作品を見るときはいつも自分が病院に入院した時の事やしんどかった時の事(もう、ほとんど忘れてるけど)が思い起こされます。
僕の場合は病気でしんどかった時の事を後で思い返す場合、それほどしんどくはないんです。
しんどい時って、病気の症状(そのことだけ)で頭が一杯いっぱいになってしまってるので他のこと考える余裕なんてないけど、しんどかった時を思い出す時っていうのは気持ちに余裕が出来た時だから。
過去の自分がたどってきた轍を振り返るように、自分はあの時そういえば○○やったなあって俯瞰してみる事が出来るんですよね。
閑話休題。
彼らの病気以外の側面。例えば、作品の製作日数を加味するとムンクの「叫び」は完成までに二年くらいかかっているのに対して、ゴッホは一枚の絵につき、なんと一日弱で完成させていたそうです。僕も画家ときくと、すっごい集中力で、ガーっと一枚の絵を描き上げるといった印象があります。
ゴッホはそのイメージ通りでガーっと創作活動に取り掛かり作品を描き上げたようです。一方で、ムンクはというと、もう少しじっくりと絵について構想を練っていたようです。
そして、彼らの人生を見るとムンクは八十一歳まで生きた一方で、ゴッホは三十代でなくなっています。
二人のことを調べてみて、「病気」と一言で言ってみても本当にいろんな人がいると感じました。
当たり前のことですが、その人の人生はその人だけの物です。一番苦しいのも一番楽しいのもその人で、その人の人生は他人じゃなくてほかでもない自分自身だけの物。「主人公はボクだった!」って何かのタイトルじゃないケド。
美しくたゆたう色彩を見つめながら、人生を苦しみぬいた二人の先輩であるフィンセントとエドヴァルドの生きざまに教えられた気がしました。
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