失恋は突然やってくる
別れは、つねに突然やってくる。
何の前触れもなく、唐突に。
事前に予告でもしてくれりゃあ、それを避ける工夫もできそうなもんだが、そんな予告をするくらいなら人は最初から別れようなどとは思わない。
別れは、常に一方的で理不尽なものだ。
こちらの都合など関係なく、相手が別れを決めたならそれを覆すことはほぼ不可能である。
考え直してもらおうなんて考えは甘くて、別れがやってきたとき相手の心はすでにとっくの昔に冷え切っている。
それは決意表明や意思表示のようなものではなく、事実の報告や報道に近い性質のものだ。
そんな別れを、僕たちはただ指をくわえて黙って受け入れるしかない。
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SDカードが壊れて、データが飛びました。・・・
モノづくりをする人にとって、「Ctrl + S」は手洗いうがいよりも深く身に付いた習慣なわけですが、それはあくまでも作業中データの一時保存。カードそのものがもとから壊れることなんて基本的に想定していないわけで、まー、参っちゃいます。
バックアップをとっておけばと至極真っ当な意見をお持ちになる方もいらっしゃると思いますが、それについては、これから夏休みを迎えようという子供に規則正しい生活を心がけろと説得を試みるようなもので、あまり意味を持ちません。
別れは突然やってきます。
何の前触れもなく、唐突に。
ねっ。理不尽でしょう。
あの曲も、その歌詞も、書きかけの報告書や企画書も、ぜんぶなくなったのか。
思えばどこに行くにも僕たちは一緒だったね。今までたくさんの思い出をありがとう。とか言ってる場合じゃありません。
失恋なら一晩ウイスキーでも飲んでおいおい泣けばそれで済みますがこれは仕事なのでそういうわけにいきません。
復旧の方法をいろいろと探しました。
そしたら・・・あったー!えっ、そんなことで直るの?と拍子抜けしてしまうほど簡単な方法でした。
この辺は恋愛と違って便利でいいですね。望めば復旧してもらえるというのは。それが恋愛において好ましいものなのかどうかは疑問だけれども。
というわけで、さんざん大騒ぎした割には何事もなく済んだのでした。
とはいえ、いつまた同じ不具合が起こらないとも限らないので、新しいカードを買ってきました。今、それに古いデータを移行していて、作業ができないので、その時間を使ってこれを書いていたというわけです。