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【宇宙杯】ジユンペイ賞の発表
みんなの俳句大会「宇宙杯」。大盛況のうちに閉幕しました。
各賞受賞者の皆様、おめでとうございます。
今回、僕も審査員のひとりとしてお声がけを頂いております。
個人賞としてジユンペイ賞も用意していただきました。
門外漢である僕が審査に携わって賞までわたすなど本来はおこがましいことなのですが、「音楽家の感性で審査をして、俳句大会にあたらしい風を吹かせてほしい」というかっちーさんの想いを受けて、自分なりに精一杯審査をしました。
審査にあたっては歌詞をイメージして、言葉とリズムのハマり方(あるいは外し方)に個性を感じることを基準に選考しました。
ジユンペイ賞は、次の二句にお渡ししたいと思います。
愁うるな禁じて、情死供養を詠め
千葉貴史 Takashi Chibaさん
ご機嫌なトリル奏でる揚雲雀
祐希さん
千葉さんの句は、句点が配置されていることによって読み方を強制的に指定される感覚が非常に強く印象に残りました。俳句と言えば「五・七・五」のリズムですから自然と五文字、七文字、五文字に区切って読んでしまいがちです。ところが、この句には句点が配置されていることによって途端に五七五のバランスが崩れる。歌詞の世界でも言葉とメロディの区切りがずれることによって記憶に残りやすい作品というものがあり、そのことと照らし合わせて考えると実に音楽的な作品だと感じました。
祐希さんの句は、情景が目に浮かんでくるような活き活きとした作品です。ヒバリの声をトリルに喩えていることが特に目を引きました。また、この句はどこに焦点を当てるかによって表情が変わることも素敵です。「ご機嫌」に焦点を当てると春のウキウキした気分になれるし、「奏でる」に注目するとヒバリの鳴いている様子が繊細かつダイナミックに伝わってきます。「揚雲雀」に焦点を当てると春の青空を飛び回るヒバリの姿が浮かびますし、「トリル」に着目すると遠く向こうに五線譜が透けて見えてくるようです。角度によってさまざまな表情を見せることが素敵な作品でした!
このほかにもそれぞれにたくさんの素晴らしい句に出会いましたが、今回は代表して上記の二句をジユンペイ賞とさせていただきたいと思います。
参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
最後になりますが、俳句大会の審査という普段なかなか体験できない貴重な機会を与えてくださったかっちーさんはじめ運営スタッフの皆さんに改めて感謝申し上げます。
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