SNSとジャーナリズム
高速バス雑記。今日はギターを持たずに搭乗しました。
道中Twitterを開いたら「スペース」でイーロンマスクがインタビューに答えていたので、参加して聞いていました。僕の英語力では「Twitter」と「newspaper」くらいしか聞き取ることが出来ませんでしたが、世界一の資産家が話している声をリアルタイムで聴くという体験はなかなか面白かったです。言葉を選びながらも滞ることなく答えている姿勢が印象的でした。
昔から思うのですが、音楽の耳コピ(譜面を見ずに耳で聞き取ってフレーズを覚えること)には、英語のリスニングと通ずるところがたくさんあります。音で聞き取って再現するという意味ではほぼ同じ作業です。違いと言えば、聞き取ったものを出力する先が口か楽器かというくらいのものです。
コピーの「精度」という意味でもそれは似ていて、たとえば英語で
と聞こえていたものが、鍛えていくうちに
だとわかるようになる。
さらに鍛えると
って言ってるのがわかり、最終的に
に辿り着く。
音楽でも、同じようなことはあります。文章では説明が難しいのですが、たとえば、ざっくり8分音符でしか聴こえていなかったフレーズも正確に聴き取る力を鍛えると部分的に16分音符で装飾されていることがわかる、などです。
コピーをすることは自分のボキャブラリを増やすのに役立ちますが、その最終的なゴールは自分の表現を肥やすことなのであって、まんま再現することがゴールではありません。少なくとも、僕の場合は違います。
イーロンマスクの発言を完璧に「耳コピ」して再現できるようになっても、文法を知らなければそれ以外のことは出来ず、とてもではないけれども英会話なんて夢のまた夢みたいな状況になり得ます。英語で例えると極端な話に感じられるかもしれませんが、音楽でそういったケースは割とよく見聞きします。
結局のところ何のためにコピーするのかってそこが重要で、人間コピー機になりたいのか、あくまでも「なんちゃって〇〇風」の遊びをしたいのかによって変わります。モノマネなんか良い例で最近は前者の人が多いですよね。「本家超え」なんて言ってね。超えたらモノマネがそもそも成立しないだろうと思うのですが、まぁエンタメなのでそこは人それぞれでいいと思います。僕は後者のほうが好きです。
先ほどのスペースでは、僕の身の回りを見渡すと、Twitterから公式に認定された人だけが貰える認証マークを付けている人々ばかりでビビりました。会員制の秘密結社に間違って迷い込んでしまい、いつ正体がバレるかとおっかなびっくりしているかのような。
認証マークを月額制で販売するというアイデアが発表されて話題になったのって、そんなに前の話でもありませんよね。その課金がすでに実装されたのかどうか知りませんが、いずれにせよTwitterの最高権力者が発言する場に「認証された」人々ばかり結集しているのはかなりインパクトのある光景でした。
スペースの議題はSNSにおける言論の自由とジャーナリズムについてというようなことだったみたいです。上記のことをふまえてそのテーマを考えると、たしかに興味深い話題だと思いました。
まあ、僕の英語力では残念ながら「Twitter」と「newspaper」くらいしか聞き取れなかったんですけどね。