ギターケースに詰めたのは
ギタリストがライブに持っていく持ち物というと、重くてゴツい機材を思い浮かべがちかもしれません。
しかし実際にはそれと同じくらい、あるいはそれ以上に身の回りの日用品が多いです。
・爪切り
・爪やすり
・雑巾←これ、めっちゃ大事
・筆記用具
・タオル
・工具
・養生テープ
・結束バンド
・マジックテープ
・着替え
・下着類
etc
それらをどこにしまったか正確に覚えておかないといけません。使いたい時すぐに取り出せるように。
すると何が起きるでしょう。
信じられないことに、忘れ物ランキング第一位に「ギター」が輝くことになるのです。
あれ入れたこれ入れた、それ忘れたなどとあたふたしていると、いざ出発するときにギターを忘れるという。
正確に言うと本当にギターそのものを忘れるということは少なくて、ケースにギターを入れ忘れるということです。
しばらくして、なんか今日のギターケース軽くね?と違和感を覚えて初めて気づくというパターンが多いです。
ギターケースの重さに今日も昨日もないのです。
少し考えたらわかることなのですが、そんなことにも気づかずに意気揚々と肩で風を切りからっぽのギターケースを背負って歩く僕はアホなのでしょうか
今日もライブです。
リハーサル会場に向かうバスの中で書いています。
今日はどうやら大丈夫みたい。傍らに立てかけてあるギターケースからはしっかりと重みを感じます。
昔はケースの中に、ギター以外にも夢や希望を、きっと、詰めていたのでしょう。
夢や希望が入っているなら最悪ケースはからっぽでもぶっちゃけ問題なかったのかもしれない。
今はそれ以外にいろんな現実的なことがらもケースの中には入っていて、総称すると「大人の事情」といわれるものも、それなりの割合を占めています。そのぶん夢や希望に肩身の狭い思いをさせてしまっています。
両者のバランスは常に変化し続けるものであって、これから先には大人の事情がさらに幅をきかせる日もやってくるのかもしれません。
それでも数パーセントでもいいから夢や希望が残っている限りはこの仕事を続けたい。というよりは、夢や希望がゼロになったらこの仕事を続けることはできないと思います。
クサイ言い方ですが。