現場猫図鑑 No.01

深くまで明かすことは出来ないが、僕は建築業界の人間だ。
今まで出会ってきたクセのある下請けの職人のデータが溜まってきたので投下しようと思う。

ヤンキー

言うこと聞かない。言ったことをすぐ忘れる。
簡単なことはすぐにやってくれる。それを自慢げに報告してくれるけど、正直やって当たり前のレベル。
本人は悪気がないから良いけど。放っておくと危険作業をし出す。このタイプは何故かやたらと運がいいので多少のアスレチック作業をしていてもバレない。でも何故かしょうもないことで指摘を受ける。それを伝えて直してねって言うとすげえ怒る。
あと雑談が大好き。3指示出すと8雑談で帰ってくる。仕事を進めてくれ。仕事は雑。

村長

禿げていて歯がない。どれくらい歯が無いかと言うと髪をまとめるバンスクリップくらいしか歯が無い。
何を喋っているか、こちらは勘で対応する。回答がズレていても気にしない懐の大きさ半端ない。そもそも本人に会話する気があるかは分からない。仕事は早い。
常に仕事中ゾーンに入っているので休憩を取ろうとしないため、夏場はまじで心配になる。図面を読んでいるのを見たことがないのに仕事はスーパー早い。
僕は密かに村長というあだ名をつけていた。
その人がしゃがんで居るのを見て同期が「上野駅で見た」って言ってたの聞いて申し訳ないが過呼吸になるくらい笑った。

ギャル

常に現場でオッサンから声を掛けられてしまうので仕事が進まない。
週明けの作業で漁船釣りが趣味の他職の職人から生のブリ貰っててウケた。
一服も喫煙所でオッサンに捕まるので40分くらい帰ってこない。もはや三服くらいしてる。常にジュースやアイスを買ってもらっている。
飲み会が大好き。
寸法や墨出しはほぼ間違っているのに、可愛いからってみんな鼻の下伸ばして許しちゃう。

構って欲しいおぢさん

なにかあるとすぐに電話かけて来てあーでもないこーでもないと騒ぐ。着信履歴が1日コイツで埋まる。メンヘラ彼女くらい電話してくる。1番厄介。
こういう奴は職長と仲が良くないのでコイツが直接電話してくる。
1番酷かったのは床の養生材が邪魔だからどかしに来いと電話してきたこと。自分で退かしてって言ったら時間の無駄だとか抜かしやがったので、僕も時間の無駄だと思って着拒した。
ちなみに仕事は雑。

神

10社に2社くらいの割合で当たる神。図面と材料の手配だけ間違いなくしていればあとはほぼ全部勝手にやってくれてしまう。更に、少しのトラブルは現地で気を使って調整までしてくれる。作業後の清掃まで完璧。社内で次の日の作業をイメージしているし、指揮命令がハッキリしているので仕事が猛スピードで進む。仕事はこの上ないほど丁寧。

ツンデレおじさん

図面渡したり指示出すとまず「出来ねぇよ！！」って言う。じゃあやり方考えておくわって放置しておくと、その日の帰りに「あれ、やっといたからね」ってなんかいつの間にか終わってる。どうせやるなら素直にやって欲しい。
ちなみに仕事は丁寧だったけど1箇所設計ミスで切った配管を忘れていて、そのまま水流しておもらし事件に発展した。

パワー全振りおじさん

声がでかい。せっかち。ガタイが良い。
指摘を受けてスイッチオン。ブチギレて怒鳴りながらLLサイズのBSMをぶん投げてた。ドンキーコングの樽投げてくる敵と同じフォームだった。
頼んだこと以外は基本的に絶対やってくれない(清掃とか)。
あと一緒に現場で作業してる息子にはゲロ甘い。甘すぎて息子が仕事あんまりやらない。
キャタピラの高所作業車に乗って移動してるの見た時大規模軍事演習にしか見えなかった。移動してる姿世界一面白い。
仕事のクオリティはその日の機嫌で変わる。

モンスター

文字通りの怪物。嘘をつく、言ったことをやらない、10分に1回電話かけてくる、かまってちゃんという役満。世間話に付き合わないとへそ曲げて帰ろうとする。
気に入った人間を見つけるとやたらプライベートに接触を試みてくる。最悪だったのは仕出し弁当配送のお姉さんを好きになったから連絡先交換してきて欲しいとか頼んできたやつ。知らねえ。
字が汚い。日報が読めない。
極めつけは22時くらいにも平気で電話してくる。
コイツのせいで上司が1人鬱になった。

目がキマってる人

夜勤明けなのか知らないけど、とにかく目がキマっている。会話しても「ハイ」しか言わない。多分Siriの方が喋る。
現場で作業しているのを見たことがない。
現場で注射器が落ちているのを発見した時、この人やってんなって思った(実際は別の人のインスリン注射器だった)
仕事してるのを見たことがないのでクオリティはよく分からない。とにかく休んで欲しい。

ゾンビ

「ヴァー」って喋る。こういう人から文面しっかりしたメールが届くとビビる。
4m上から長物鋼材を落とした経験があるらしい。
帝国学園の影山と同じ手段を用いて、物理的に殺しにかかってくるタイプのゾンビ。
材料を無くしがち。現場行く前にすれ違って、現場に着くと何故か居たりするので、実はテレポートしているんじゃないかと睨んでいる。
気付くと現場に来なくなってたりする。

今回はここまでです。
増えたらまた更新します。