昔の自分を追体験すること
先日、元GOOD4NOTHINGのボーカルTANNYのアコースティックライブを観てきたんですよ。
中学の頃からグッフォが大好きでね。今ギリギリ26歳なので、中学っていうともう10年以上も前なんですけど。『Misery』で30を迎える男の悲哀を歌っていた彼も、もう41歳のオッさんになっちゃったんですけどね。
いやあ、若い! 若えよ。私がアラサーになったから若く見えるだけ? JKが見たらオッさん? いやそれにしても41歳の風貌じゃないよあれ。抱かれたいもんね普通に。
あと細美武士とかね。もう47歳になる男よ? アラフィフよ? ちょうど20歳差よ? いや〜余裕で抱かれたい。まさに『Under Control』。
で、今回紹介したいのはタニーでも細美さんでもグッフォでもエルレでもなく、Jimmy Eat Worldです。えっ?!
違うんですよ。Jimmy Eat World(以下JEW)、こないだ新譜出したじゃないですか。出したんですよ。私はずっとその話がしたくて。
そもそもJEW知ってます? Weezerくらい有名だと思ってたのだけど、こないだ友人に勧めたら「有名なの?」って聞かれて戸惑った。タニーのライブに出てたSEPTALUCKのfinさんも、JEWの『The Middle』やるときに「あんまり知ってる人いないと思うけど」って言ってたしね。
まあ何はともあれ新譜が出たんですよ。その名も「Surviving」。どういう意図のタイトルか知らないけど、まさにこのロック界で「生き抜いている」って感じがするアルバムだった。
彼らの一番のヒットであろうアルバム「Bleed American」が発売された2001年からはもう驚きの18年が経っているわけなのだけど、さらに驚くべきは曲がその頃の若さと勢いを失っていないこと。で、調べてみたらボーカルのJim Adkinsはまだ43歳だった。
えっマジなの?! てっきりRivers Cuomoと同じ世代だと思ってたよ。てかリヴァースもまだ49なの?! 細美さんがあれだけ敬愛しているのでもっと上の世代のバンドなんだと思ってた。
とはいえ彼らもオーバー40で世間一般的にはオッさんなわけで、しかも「Bleed American」出たときとかジムはまだ25歳やったわけでしょ?
25なんて今の私より若いよ、なのにあの時の良さがなにひとつ失われていないんですよ。正直かなり衝撃だった。
特に先行配信された『All The Way (Stay)』とかもう完全に最高にJEWらしさしかなくてもう好き〜〜〜。重低音がしっかり鳴るミドルテンポの曲に、伸びやかなボーカルと心地よいハイトーンコーラス。何万回でも聴ける、冗談じゃなくて。
2曲目の『Criminal Energy』とかはまさに『Bleed American』を彷彿とさせるような力強さで、攻撃的とさえ感じさせるような。でも声は確実に深みを増していて、聴いていて決して苦しくならない。
そしてやっぱり1曲目の『Survive』。さっき私は「どういう意図のタイトルか知らないけど」と書いたけれど、歌詞を読む限り、ただ全面的にポジティブというよりは「これまでの苦しみを抱えながらも耐えて生き延びていく」というような印象だった。
こういう歌詞を見ると、もう25歳の若者ではなくて、様々な人生経験を積んできた人の作った曲なんだなってすごく感じる。それでも彼らの曲が若さを失わないのは、きっとその若かりし頃の恥や後悔や悔しさを全部、今なお抱えたまま生きているからなのだろうと思います。
バンドマンがずっと若いのは、そんな昔に作った曲もライブで歌い続けて、常に若い頃の自分を追体験しつづけているからなのかもしれない。それでいて、たくさんの失敗と傷を重ねてきたから、あんなカッコ良さがあるんだろうなあ。
私もあんな人間になりたいと、憧れのバンドマンを見るたびに思うのだった!おしまい!