世界デジタル競争力ランキング3位。シンガポールのAIへの取り組みが面白い
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AI系ポッドキャスト(耳で学ぶAI)を運営している矢野(@robothink_jp)です。この記事ではシンガポールのAIへの取り組みについて解説します。
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世界デジタル競争力ランキング
シンガポールは「世界デジタル競争力ランキング」で2023年に3位にランクインしました。このランキングはスイスの国際経営開発研究所が毎年発表するもので、デジタル技術の活用度を測定・比較しています。
2023年の発表では1位はアメリカ、2位はオランダ、そして3位がシンガポール。
このランキングはAIだけを切り取ったランキングではありません。AIを含む包括的な取り組みの評価です。
予算会議でAIワードが飛び出す
シンガポール政府がAIへ取り組んでいることが分かる印象的な出来事があります。
2024年の予算案を議論する内容ですが、ChatGPTやOpenAI、Sora(動画AI)やMidjourney(画像AI)などAIワードがバンバン飛び出しています。
40歳以上の国民にキャリア育成の手当を支給する政策が議論され、その中でAI技術について多くの話題が出ました。
国家AI戦略2.0
シンガポールは2019年に国家AI戦略を策定し、国全体でAIの導入に取り組み始めました。2023年12月には「国家AI戦略2.0」が発表され、改めてAIへの取り組みを再定義しています。
具体的には2019年時点でAIはポテンシャルのある技術と定義していました。しかし、2023年の国家AI戦略2.0ではAIを重要な技術として再定義し優先度を高めています。
OneService AI Chatbot
シンガポール政府が開発した「OneService AI Chatbot」も面白い取り組みの一つです。
このチャットボットは、市民が問題を報告するためのツールで、WhatsAppやTelegram、LINEのようなアプリから簡単に利用できます。
イメージとしてはAI版目安箱のようなものでしょうか。
例えば、道路の破損を見つけた場合、住民は素早く報告ができます。この報告は添付さされたテキストや画像、地理的情報などをAIが選別し適切な部署へ送信されます。
これ、自治体だけではなく企業で導入しても面白そうですよね。
Prompt Royale
プロンプトロワイヤル、というシンガポールで開催された大会も興味深いです。私がシンガポールに興味を持ったのもこの大会を知ったからでした。
これはプロンプトスキルを競い合うイベントで、シンガポール政府技術庁が主催したイベントです。
500人以上の公務員が参加し、決勝では3人の参加者がプロンプトスキルを争いました。
例えば、AIに大統領候補の演説を書かせる、SNSに投稿するキャッチコピーを考える、など様々な課題が出されました。
クイズ番組のようなセットが用意されていて、かなりの気合の入れようです。
Prompt Royaleの初代王者に輝いたのはシーラ・テオ氏です。
彼女はプロンプトスキルの高さで見事に優勝しました。
こういった大会が日本で開催されても面白いと思います。
ちなみに、大会でも使用されたのがシンガポールGovtechチームが考案したCO-STARフレームワーク。プロンプトを作成する時の指標となり便利です。
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