【日記】ケンタッキー・レース
今日はケンタッキーフライドチキンに行こうとしました。一人で歩いて行こうとしました。ケンタッキーフライドチキンはスーパーの中にありました。注文カウンターの前にはロープが張ってあり、正面から近づくことはままなりませんでした。左は出口で右は入り口になっていました。右から行くと遠回りになるので左から行こうとしました。(入り口からではなく出口から行こうとしました)カウンターまでたどり着けば、結局同じことになるからです。
その時でした。入り口から微妙に離れたところに一人の男性の姿が見えたのでした。彼が今からケンタッキーフライドチキンに行こうとしているのか、その時はよくわかりませんでした。それでも男の存在が気になり、最短ルートを進むことを中止しました。多少大回りにはなるけれど、右側から(入り口から)入ってケンタッキーフライドチキンに行くことにしました。それが清く正しい人の道であるような気がしたからでした。
まさに入り口に差し掛かろうととした時でした。微妙なポジションを取っていた男が動き出しました。急げば自分の方が早くたどり着くかもしれない。そう思いながら逆に歩く速度を緩めました。男は正しく入り口を通って注文カウンターにたどり着きました。(ほんの一歩違いだった)
ついに自分の番がやってきてホットコーヒーを注文するといつもの人とは違い丁寧に紙袋に入れてくれました。どうせすぐに捨てるので申し訳ないような気がしたけれど、気づいた時には既に手遅れになっていました。行きつけの壁があるところへ行くと紙袋からコーヒーカップを取り出して蓋を開けてミルクと砂糖を入れて混ぜました。もらったばかりの紙袋をゴミ箱に捨てあたたかいコーヒーをいただきながら日記を書きました。自分で念入りに混ぜたおかげでいつもより少し甘いコーヒーになったように思いました。
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