「なんくるないさ」

8月9日に長崎に原爆が落とされてから79年が経った。
しかし、悲しいことか世界では、戦争はなくなっていない。
私が大学時代に、ベルリンの壁が壊され東西のドイツが統一し、ソビエト連邦が崩壊し、東西の冷戦は終了したはずだったのに。

とは言え、私のような、ちっぽけな人間一人が、戦争反対と声を上げたことろで、どうにもなる問題ではない。
おっと、どっこい、それは、こちらの長崎平和宣言を聞いてからだ。

平和をつくる人々よ!

一人ひとりは微力であっても、無力ではありません。

私たち地球市民が声を上げ、力を合わせれば、今の難局を乗り越えることができる。国境や宗教、人種、性別、世代などの違いを超えて知恵を出し合い、つながり合えば、私たちは思い描く未来を実現することができる。長崎は、そう強く信じています。

令和六年 長崎平和宣言 長崎市長 鈴木史朗 

「微力であっても、無力ではありません」
そうなのだ、無力ではない。そう信じたい。
私の好きな忌野清志郎の夢は、「世界中から戦争を無くす」ことだった。
清志郎よ、あなたが、この世を去ってから、世界は更に戦争を増やしている。でも、鈴木市長が言うように、俺も頑張るぜよ。

私は55になる。
22年ほど、個人事業主として、トレーニングコーチという仕事をやっている。主に、大学生と高校生の部活動の指導が活動の場である。
プロチームとの契約ではないが、毎年、来年の保障のない不安定な仕事だ。
のんきな者で、長いこと将来、どうしようとか計画性を持たずにやってきた。仕事がなくなったら、なんとかしようと。

そんな私は、昨年から、メインの指導先が大きく変わった。変わるだけなら良いのだが、指導頻度が少なくなり、その分、年収も落ちているのだ。
さすがに、昨年の夏くらいから、なんとかせねばと思い、新たな事にもチャレンジしてはいるものの、収入は減ったままだ。
好きなことをやってこれたのだし、計画性もゼロだったのだから、仕方ないとは、他人は言えても、自分では言えない苦しさがある。

一昨年までも、今より収入はあったとは言え、大した稼ぎではなかったし、来年がどうなるかもわからない不安はあったものの、今の比ではない。
収入が大幅に減り続けて1年半が過ぎた。ん、本当にこれはまずいのである。
何がって、お金に余裕がないと「世界平和」とか、そんなことを考えている余力もなくなりそうなのだ。
子どもの時に、親父が飲み代にばかりお金を使って酔っ払って帰り、母と年中、喧嘩していたように、お金には負の力があるのだ。
大学の授業で、中東専門の教授が、経済的に余裕がなくなると戦争が起こると、言っていたではないか。

まさに、お金がないと精神的に安定しないのだ。
もちろん、ガンジーさんだったら大丈夫かもしれない。
しかし、私は、それほど人間ができていないのである。

ただ、幸いにも、まだなんとかなっている。
仕事が全て無くなったわけではない。
有難いことに、20年以上お世話になっている高校野球部もいくつかある。
合同チームになるほど、部員が少ないのに呼んで頂けるチームがある。
時々ではあるが、セミナー講師の仕事をやらせてもらえたりもしている。
先生の自腹で、10回ものセッションを受けてくれたチームがある。
夏季大会3か月前になってから、呼んで頂けるチームがある。
かつてお世話になった先生から、異動先でもお声がけしてもらえる。
9月末に開催するセミナーも、お陰様でLive受講は満員御礼となった。
森下道場のアーカイブを、毎月のように購入してくれる人がいる。
かつての教え子から、パーソナルセッションの依頼を受け、彼が日本代表を目指すサポートの一端を担わせてもらっている。
他にも、私のことを応援してくれる、たくさんの仲間がいる。
もちろん、私には守るべき家族もいる。

そして、嬉しいことに、昨晩、私が四苦八苦している旨をお伝えしたら、こんな返信をしてくれた方がいた。

「生意気なようですが、森下さんは成功者のオーラがあるので絶対うまくいきます!!」
私が「なんくるないさ」で頑張りますとお伝えすると。
「『なんくるないさ』は人事を尽くして天命を待つというのが元の意味です。森下さんはすべきことをしっかりとされているので、あとは上手くいくだけですね!!」

いやー、むちゃくちゃ勇気をもらえた。
寝ようとしていたのだが、この言葉のやりとりをしていたら、何か書きたくなって、こちらを書き始めたのだ。
書いた時は8月9日だったのだが、珍しくこんな時間に起きてパソコンに向かっている。気づけば、1時を回っているではないか。

長崎平和宣言の鈴木市長の言葉から、どんだけ大きなことを書くのかと思ったら、ほんに小さな私事の、仕事の話になってしまった。
でも、おかげさまで、やるべきことがはっきりした。
今、ご縁のある場所で、まずは100%頑張ること。
そして、明日の仕事に向けて20%頑張ることだ。

Live as if you were to die tomorrow.
Learn as if you were to live forever.
明日死ぬかのように生きなさい
永遠に生きるかのように学びなさい

ガンジー




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