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ROOTOTEでグランプリとった話

お久しぶりです。随分ご無沙汰してますね(´ー`)
ひとつご報告があり久々にnoteを開いています。

なんと、第17回ROOTOTE トート・アズ・キャンバス アート&デザインアワードでグランプリを受賞しました!

いやはや、何が起きるかわかりませんな

前回書いた近況のnoteに触手の画像を載せてますが、そいつが今回のコレです。作品を思いつくとこから完成までの経緯をこれからこのnoteにしたためようと思うので、よければお付き合いください。

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このコンテストは昨年見に行ったファッションショーのフリーペーパーコーナーで知りました。ROOTOTEは私物で1つ持っていて、しかもとてもお気に入りのバッグだったので、好きなブランドが実はこういうコンテストを毎年しているというのに驚き、とても参加したくなったのです。

応募することを決めたものの、しばらくはフライヤーを見て考える日々でした。

やろうと思ったけどもどうしよう…
私は大して絵も上手くないし…
イラストレーターとかプリントする技術もないし…
うーん…

……………

あ、そうか
編むしか、ないな、
私には編み物しかない、

……………

てな訳で、トートと編み物をどうにかしてフュージョンさせるべくデザインを考え始めました。

完成した作品と全く違うテーマで最初は考えていましたが、
①編み物がメインモチーフではあるもののトートをすっぽり編みくるむとかではなく、あくまでも主役のトートはしっかり見えている状態で、編んだものでストーリーを作る

②アート作品ではあるもののそれなりの機能性は保持する

➂人がそのトートを持つとより非現実的になるデザイン

にしようとは初めから決めていました。兎にも角にもトートとしての本来の機能が破綻しているようなデザインだけにはしたくなかったですね。あと可愛い系よりはシュールだったり、気持ち悪いものの方がいいかなとも考えていました。

それと大学時代からそうなのですが、陸地の素材でできている糸で海や水辺の生き物を作るのがとても好きなので、結果としてタコのようなイカのような触手を編むことにしました。

(※釣禍の触手はタコでもイカでもないと個人的には思ってます。)

タコは卒制で編みぐるみを作ったことがあったのですが、いかんせんデフォルメしたものだったので、今回は全身を作らない分よりリアルでちょっと気持ち悪いくらいのものにしてみました。制作途中、チョイスした毛糸の色味からしてウナギでもいいかもって思ったんですけど、どうものっぺりしちゃって…結局触手に落ち着きました。

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触手の糸はMONDO.FILのno seasonと、ひとりっこごと#34で登場した超BIGサイズのコーン巻のツイード糸で作りました。黒の中にゴールドの色がチラチラ見える糸とモノトーンできれいなネップが入っている糸の組み合わせは我ながらいい感じだと思いましたね。

触手は根元から筒状に編み始めて、編み方を変えてうねりを表現しました。スケキヨマスクのついでに編んだスケキヨの足人形の経験が活きました。

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ただ使った糸の太さに結構差があったので、まっすぐ編みたい時とかでも糸によって編み方を変えて高さを調整せねばいけなかったので大変でした。同じ編み方をずっとしていたら勝手にカーブしていくんですよ…面白いですよね。しかも編み込みだから糸がどんどん絡まっていくし…あと思ったよりも綿は詰め込んだ方が良いということも学びました。編みぐるみのスカスカ、よくない。

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編むのと綿を詰めるのを並行してやりながら、最後にフタ用の丸モチーフを編んで合体させて基本の編みぐるみを作りました。もう、完全にフィーリングです。はじめの目数と黒と白の比率以外は全部フィーリング。うねるタイミングや触手の長さ、一つとして同じものはありません。同じの作るのもう無理だと思う。。。

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吸盤はイカとタコの中間くらいのデザインの丸モチーフを考え、大中小の3サイズを組み合わせて縫い付けました。2〜3段で終わる編み方でしたが、地味にきつい作業でした。まさか新品の50gのエミーグランデを使い切るとは思わなかったな…

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目玉にはターコイズ色のシルクの糸をつかい、リフレという反射材が芯に入ってるリリヤン状の糸を刺繍して瞳を表現しました。フラッシュをたいて撮影すると目が光るので面白いです。そのままでは浮いてしまって見栄えが良くないので、まぶた的なのも合わせて作りました。まぶたからどれくらい目を出したらいいのかもじっくり検討しました。

これはボツになった目玉↓
リアルな瞳を追求してみたけど、微妙すぎてやめた

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編みぐるみに対しては手間はかかったもののそこまで大きな壁にぶち当たりはしなかったんですけど、触手の配置とトートに描く模様に本当に悩みました。

穴を開けてそこから触手を飛び出させるということは、布地の回復が不可避=失敗できないということで…(同じ無地のトートを何個も買うのは違うじゃん?そういう人もいるかもだけど)触手を留めて確認して、外して位置を変えてまた確認して…と何時間も唸ったり、シーチングを買ってきてバッグの形にしたものに穴を開け、ベストな穴の開け方を試行錯誤したり、編み終わってからの時間の方がひどく長く感じました。

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トートのペインティングにはイカタコっぽく墨を使おう!と画材はすぐに決められたのですが何を描くかほんとに悩みました。はじめは海の底にいるUMAな感じを出したいなとネットで海がモチーフの水墨画を眺めたりもしたのですが、

「待てよ…海の底とか、岩とかって急に穴開かなくない?空間に穴開くとかドラ〇もんじゃあるまいしおかしくないか??でも沈没船みたいな背景を描く画力は持ち合わせていないっ…!どうしよう…無地のままでもトートが新品感満載で違和感がすごいし…うぅぅぅ」

と頭を抱えてしまいました…ペイントを決めて描き終わらないと穴もあけられないし触手も合体できませんので…まったくドンピシャなデザインが思いつかずパーツがバラバラの状態のまま〆切が2週間を切ろうとしていました。

穴が開いててもおかしくなくて、なおかつ海に関係ありそうなもの…えーと、えーと、うーんと、えー……と

網か!!!網だわ!!網にしよう!!!!ヤバい生き物捕まえたことにしよう!!

と急にテキリン‼っと閃いてバッグ全体に網の柄を描くことにしました。
連続させると網状になる図形を作って印刷して、チャコペンと転写シートを使ってトートに書き写し筆ペンでなぞりました。写経の気持ち。

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筆ペンだけだとくっきりはっきりしすぎるので上から薄めの墨でなぞってぼやかしました。穴を開けるとこにも墨を滲ませ、ほころんだところに色がつくようにしました。穴の開けすぎ防止にもなったかな…

最後に機械で編んでおいた中袋と諸々の触手パーツを縫い付けて…


完成でございます。

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静画から動きが伝わるような異様なデザインにできたと思います。沢山考えて作った作品がこのような評価をいただけることになって本当に嬉しいですね。

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授賞式は今年はコ口ナの影響もあり開催されず…家に賞状と盾と記念品を贈っていただきました。

賞状と盾

素敵!トロフィーみたいなのもらったの初めて!

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記念品は可愛い小さめのカンガルートートとトート・アズ・キャンバス…おや?また来年もよろしくってこと?(笑)また頑張ってもいいかもしれない!

授賞式が開催されないのでその代わりに作品を紹介する動画を制作していただきました。すごい…


またがんばろ!

ではでは

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仔蓮のMORA計画
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