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2021 スピッツベスト5

2021年、僕の大好きなロックバンドはデビュー30周年の節目を迎えました。
3年前の結成30周年で記念ツアーを開催したばかりなので、本人たちが自虐的に語っていた周年詐欺疑惑は、長年のファンとしては薄々気づいているところでもありました。詐欺とは言わないけれどデビューの前にも数多くの名曲を作っていましたから、それは無視できないし、故に結成30周年に重きを置くべきだな、と思っていたので、デビュー30周年は軽く通り過ぎるつもりでいました。
しかし、メジャーデビュー30年の今年、彼らはファンを喜ばせる活動をたくさんしてくれました。嬉しかったこの1年を振り返ります。

2020年11月に開催された猫ちぐらの夕べが2020年の年末からオンラインシアターで配信され、それは今も続いてる状態で2021年、つまりスピッツのメモリアルイヤーはスタートしました。
年明けからは紫の夜を越えてがNEWS23のエンディングテーマとなり、毎夜、天気予報そっちのけで聴き耳を立てる日々が続きました。
その紫の夜を越えては、デビュー30周年となる3月25日に突如、事前の予告なく配信され、ファンは驚き喜び騒ぎまくりました。
30周年ということで多くのメディアに取り上げていただき、ライブに行けない日々でテレビ出演が増えたことは嬉しいことでした。CDTVでNiziUの直後に世界に向けて圧巻のパフォーマンスを披露してくれたことは、記憶に残り続けます。

嬉しさの一方で、まだ完結していなかったアルバムツアーのことが、ずっと気がかりでした。自分もチケットを確保していたこともあり。そんななか、4月12日に公式サイトである発表がありました。タイトルは、ツアーに関するお知らせ

延期、延期、延期の果ての、旧MIKKEツアーの中止と、それに代わるNEW MIKKEツアーの開催の同時発表。
悲しみと喜びが同時に爆発し、訳がわからん感情が溢れました。

2021年6月19日、ありがたいことにNEW MIKKEツアーに参戦することができました。会場はみなとみらい、ぴあアリーナMM。撮影機材の入ったライブを観るのは初めてのことでした。
2020年6月30日に大宮で開催されるはずだった旧MIKKEツアーのチケットを獲ったのが2019年の秋のこと。そこから1年半以上待たされた悲願でした。謝々!

9月15日、スペシャルアルバム『花鳥風月+』リリース。インディーズ盤から4曲が加えられてリマスターされた名盤。違法アップロードされたやつしか聴いたことなかったインディーズ時代の名曲たちが遂に自分のものになり、合法的に堪能できるというファンの悲願が叶いました。

同じ9月15日、NEW MIKKEツアーはファイナルを迎えました。後に彼ら自身が語っていた、これでようやくアルバム『見っけ』を終わらせることができる、というコメントを噛み締めました。
参戦した日に収録されたライブは劇場での公開を経て、オンラインシアターで配信。自分が参戦したライブを映像で観る、というはじめての経験をさせていただきました。どっかに手ぐらい映ってたかな。

11月3日、劇場版『きのう何食べた?』の主題歌としてリリースされた新曲大好物は、期待をはるかに超えてくる名曲。そしてこれまたCDTVで圧巻のパフォーマンスが披露されました。TBSとは良縁を感じます。
映画も観ました。すごかったです。気づいたら泣いてる、っていうここ数年で一番の名作。エンドロールで流れる大好物は、その世界観に絶妙に合致してました。

年末特番のサプライズ出演もすこし期待しつつですが、彼ららしく、メモリアルイヤーは静かに幕を閉じようとしています。年明け、31年目の活動も既に発表になっていて、
WOWOW に入ろっかな♪
やっぱり やめよっかな♪
と口ずさみながら過ごすスピッツファンの年の瀬であります。


さて。それでは最後に、2021年のスピッツベストファイブを、独断と偏見で勝手に選ばせていただきます。
スピッツファンあるあるとして当然、選べない、という苦悩は重々承知。明日は変わるかもしれない、あくまで今の気分という前提で、でも2021年の活動と何かしら結びつくという条件付きで選定させていただきました。

普通に選んでも面白くないので、選んだ5曲でチームを作りましたので、ポジション別に発表していきます。


ポイントガード 『大好物』

11月3日に配信リリースされた45thシングル。
君の大好きなものなら、僕も多分明日には好き。
そうやって周囲の影響を受けながら生きてきたから、自分を肯定してもらったようで、嬉しくて上ばっか見ちゃうよ。
君の大好きなものなら、僕も多分明日には好き。
この一文を噛みしめる。
期待外れなのに愛おしく。
そうなんだよ!と猛烈な共感をしつつ、「く」の音程の意外性が絶妙で。

Aメロから唐突に始まるサビ。間奏も短めで2番。常に先行していくようなテンポの良い曲は、Cメロ後半で雰囲気が変わり、ここで初めてちょっと焦らされるようにラスサビが静かに始まって、5小節目からミスチルみたいにだんだん盛り上がっていってブワァーってなる最高のメインディッシュが登場します。


原曲がフェードアウトで終わる曲がライブではどんなふうに終わるのか、普段ならそれはライブ行ったファンだけが味わえる楽しみなのですが、テレビ出演によりあっさりと世界に聴かれてしまいました。ダダダッで終わる生演奏は、しかし最高でした。

どんな時でもブレずにリズムを刻んで試合をコントロールし、ティンパニーでゴール下に切れ込んだかと思えば、間奏のアルペジオやラスサビ前のドラムで絶妙なアシストも魅せてくれる、最高のポイントガードです。

シューティングガード 『353号線のうた』

インディーズ時代の名曲が、『花鳥風月+』収録で待望のCD化。
愉快なイントロの旋律がAメロ始まってもボーカルの裏で続いてゆきます。Aメロですでにインディーズバンドの次元を超えてる。コーラスがボーカルより目立つサビ、草野心平さんに影響を受けたらしい初期のスピッツを形作った擬音、パーパーパパー♪
間奏で魅せてくれます。間奏で魅せる30年以上前のすげぇインディーズバンド、スピッツ。

イントロからアウトロまで、多彩なプレーの連続でファンを魅了し得点を稼いでくれる選手、華やかに現役復帰しました。

スモールフォワード 『俺のすべて』

元祖『花鳥風月』収録曲。
改めて聴いた『花鳥風月+』でも、異彩を放っていました。ライブの定番曲として何度も聴いてきたこの曲は、やはり万人受けする物凄いパワーを持っているということに、改めて気づけました。
NEW MIKKEツアーでも演奏され、最終盤のドラムの見せ場では歓声が上げられないみんなで拍手!思い出です。

どんな時でもブレることのない強いハートでチームを鼓舞する、頼れるオールラウンダーです。

パワーフォワード 『紫の夜を越えて』

3月25日配信リリースの44thシングル。予告なし配信に歓喜しました。
紫というタイトルからダークな世界観をイメージさせる歌詞。彼らもライブができない悔しさや葛藤を抱えていて、そういう想いが表現されているようにも感じられます。それはもちろんあると思いますが、自由な解釈が許されるならば、死者に向けられた、死者を想う曲だと僕は思っています。そう考えた方がいろいろと辻褄が合うから。

NEW MIKKEツアーでは本編の最後に披露してくれて嬉しかったです。

サビを献身的に支えるベース音が彼のプレースタイル。ゴール下で体を張ります。

センター 『ヤマブキ』

2019年リリースのアルバム『見っけ』の最後に収められた曲。NEW MIKKEツアーでもアンコールのラストで演奏され、この曲で締めくくる、という彼らの強いこだわりを受け止めたつもりでいます。ライブのアウトロで1曲目の見っけと繋がる演出があったのも印象的でした。見っけで始まり、ヤマブキで終わる。こだわってきたアルバムツアーは、リリースから2年近く経って終演。ありがとうございます。
甲高いイントロも、ジャンジャンジャーン♪が強烈なAメロも、サビ前で盛り上げてくれるドラムも、聴く人を鼓舞してくれます。

突き破っていけ
よじ登っていけ
崖の上まで

彼ら自身のことを歌った説濃厚の歌詞は、ファンにとって最高の応援ソング。これからも何度もこの曲に励まされることになりそうです。

ピックアンドロールが得意で自らオフェンスをクリエイトしていく、好きなタイプのセンターです。運動量も豊富で速攻では先頭も走り、ときどき放つスリーポイントも高確率で彼の持ち味のひとつ。高さだけではない魅力に溢れています。


田植えの季節過ぎれば、雨が、いろいろ消してくれそうで、へへへと笑ってみた。
この一文が大好きでス。

今日もありがとうございます。
またお会いしますよ!

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